古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第二十一章 苫草場争い 其の三十一

2014年05月01日 05時32分10秒 | 古文書の初歩

 

「苫草場争い・願奉口上」第八頁、上の一~二行目

 

解読 より上村領内へ差越気侭ニ苫草引取

    申段、不届千万成仕方ニ御座候御事。

 

読み (下村)より上村領内へ差し越し、気侭に苫草引き取り

    申す段、不届き千万成る仕方に御座候おん事。

 

解説 「差越」・・・差し越し。「差し」は語勢を強める接頭語で特に意味はありません。下村から上村領内へ来て。やって来て。 次の縦長の字は「気」です。「気侭に」・・・やりたい放題に。勝手気ままに。 「苫草」の次は「引き取り」と書いています。「取」が難解。 二行目はじめは「申段」・・・「段」が難しい。大体の形を覚えて、あとは文章の流れで読みます。 「不届千万」・・・『ふとどきせんばん』。この上なくけしからん様子。 「成」・・・なる。 「仕方」・・・『しかた』、やり方。 「御座候御事」・・・甚だけしからんやり方であると言う事実。