古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第二十一章 苫草場争い 其の三十二

2014年05月02日 05時52分59秒 | 古文書の初歩

 

「苫草場争い・願奉口上」第八頁、上の三~四行目

 

解読 一、田野崎山之儀、下木并ニ松枝打等之稼

    田并浦一在ニ稼、當村江ハ何之沙汰も

 

読み 一つ、田野崎山の儀、下木並びに松枝打ち等の稼ぎ

    田並浦一在に稼ぎ、当村へは何の沙汰も

 

解説 「一」・・・一つ。『ひとつ』書き。 「田野崎山」・・・「田ノ崎」は田並浦西側の小さい岬で、当時はその岬の山に、松が多く生えていたものと推定されます。 「下木」・・・大きい木の下に生える背の低い木。雑木。 「并ニ」・・・並びに。 「松枝打ち等」・・・松の枝を切り、節のない建築用材に育てる事。 「等之稼」・・・枝打ちなどの賃稼ぎ。 「田并浦一在」・・・田並浦一円に。「在」は村のこと。田並浦は村全体に稼ぎの仕事があったが。 「当村へは」・・・当、田並上村へは。 「何之」・・・この二文字も簡単な字ですが、読むのは困難です。 「沙汰も」・・・連絡も。知らせも。『さたも』