「苫草場争い・願奉口上」第八頁、上の五~六行目
解読 無御座下村計伐り取申候御事。
一、拾七年以前、當村氏神修復仕候處
読み 御座無く、下村ばかり伐り取り申し候おん事。
一つ、拾七年以前、当村氏神修復仕まつり候処
解説 (沙汰も)「無御座」・・・御座無く。連絡も無く。 「下村計」・・・下村ばかり。 「伐取」・・・伐り取り。苫草を刈り取り。「伐」の字は「代」と書いていて、画数が足りませんが、「代り取り」では意味が通じません。 「申候御事」・・・申し候おん事。伐り取ったと言う事実。(があります。) 「拾七」の次は「年」の崩し字です。 次は「以前」・・・この崩しも難解です。「前」と言う崩し方は、前頁に出た「格別」の「別」に非常に似ています。上部の形が少し違うかなと言う程度です。 「当村氏神」・・・田並上村の鎮守のお宮。この宮は実は、田並上村と田並浦、両村共有のお宮です。場所は上村領内に有ります。 次は「修復」としました。串本町史に依りました。しかし、「修」はいいとしても、「復」は間違っている様に思います。この字は難しくて、読む事は出来ません。