勿忘草 ( わすれなぐさ )

「一生感動一生青春」相田みつをさんのことばを生きる証として・・・

温室育ち

2013-02-14 23:42:51 | Weblog
 大切に育てられ、世間知らずでひよわな人間を温室育ちといい、とかく価値が下がるらしい。兄弟も多く、子供の頃父に呼ばれるとき、時々名前を間違えられることもあり、温室育ちとは縁遠い僕だが、「ワイルドだろぅ」ともいえず、温室育ちより価値もなそうだ。


 冬になると部屋の隅まで届く日当たりの良さだけが取り柄の我が家では、覚えのない季節外れのトマトが窓際で育ち花開いたと、以前にも紹介した。そのトマトは次々と花を咲かせ、その花の香りと共に、葉に触れるとトマト特有のいい香りがする。その昔、畑でもいだあの採りたての新鮮トマトの香りである。今このような香りのするトマトに出会ったことはない。


 最初に咲いた数輪の花が萎れ、その花の付け根から顔を出した小さなトマトの実が次第に大きくなり、太陽の光を受け青々として木にしがみついている。


 香りと共に、花を愛でられたことで、このトマトが我が家で育ってくれた意義があると思っていたのだが、間違えれば収穫ものぞめるかもしれない。毎朝、日の当たる窓際でこのトマトと触れ合うことが楽しみでもあり、疑似の温室育ちとはいえ、僕にとっては価値あるトマトである。