勿忘草 ( わすれなぐさ )

「一生感動一生青春」相田みつをさんのことばを生きる証として・・・

鎮魂

2014-01-23 13:23:39 | Weblog
 14年前、30代半ばで突然父親を亡くし、家業の3代目を継ぐには、100キロを超える巨漢の彼にとっても肩の荷が重かったに違いない。しかし一年後にはよき伴侶を得、一男をもうけ、息子は小学4年生になった。祖父の晩年から3代に亘り仕えた仕事のパートナーの力添えもあり、電気工事事業は順調に伸び、他からの手助けも必要なほど多忙だったらしい。責任感が強く且つ丁寧な仕事ぶりは、仕事関係の誰もが認めるところでもあり、お客様にも好評だが、丁寧過ぎてちょと仕事が遅いという欠点もあったようだ。性格はおとなしいが、父親似で人付き合いも良く、交友関係も幅広く午前様も度々だったという。


 その彼の突然の訃報を知らされたのは去る17日の昼過ぎ、取るものもとりあえず駆けつけた時は、ただ眠っているだけ、声をかければ返事が返って来るかと思えた。納棺、お通夜、告別式のすべてに立ち会い、昨日最後の別れを済ませてきた。お通夜の晩は彼の連れ合いと、僕の弟とともに3人での思い出話は真夜中まで続いた。

 彼が亡くなった夜、父親ともいえる年齢の、親子3代に仕えた仕事のパートナーの夢枕に立ち、残った仕事の指示までしたという。その彼は奥様に「昨夜誰と話していたの?」と聞かれたと言っていた。真面目な性格の故人の戒名には、名前の1字の他に真・生・善の文字が使われたが、故人とも交際があった住職が彼の人柄から考えてくれたという。

 彼の父親は僕の兄、彼が子供の頃の写真はほとんど僕が撮ったものであり、その可愛がりようは忙しい父親を超えていたかもしれない。僕の中の彼は、今も子供の頃のあの日のままで、彼の息子とダブっている。間もなく天国では祖父母や父親との再会が待っているだろう。