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勿忘草 ( わすれなぐさ )

「一生感動一生青春」相田みつをさんのことばを生きる証として・・・

春雨

2008-03-24 22:54:12 | Weblog
 あちらこちらから桜の便りが届いてくる。この数日の暖かさとはうって変わって、春雨に煙る今日の東京は、濡れて行くには冷た過ぎる。ましてや年寄りにとっては冷や水の如しだ。誰かが「おぼろ月さま、雨が・・・」などと傘をさしかけてくれれば「春雨じゃ、濡れて行こう」などと、かっこつけてみたくもなるが・・・。

そんな寒さの中でも、健気に咲く春の花タンポポ。どの花もみな背伸びをせず、控えめだ。

 星野富弘さんが描いたタンポポの絵を見て、花の茎に対して綿毛の茎が短すぎるのでは・・・?と、手紙をいただいたという。タンポポの絵を描くところにいたわけでもないのに、不思議に思った。手紙には、タンポポは種子をできるだけ遠くに飛ばすため、綿毛の茎は高く伸ばすのだと書かれていた。それを知らずに、長すぎる綿毛がバランスが悪いので、短く描いていた。と自著、花の詩画集「あなたの手のひら」の中でうちあけている。

 タンポポは、花が終ると地面に茎を倒し、身体を休ませながら全エネルギーをそそいで種子を作り、再び起き上がって茎を高く伸ばし、綿毛を遠くに飛ばすという。

 賢いタンポポは、春先の寒さに耐えるため、花の茎は高く伸ばさず、風にも倒れない工夫をしているのだそうだ。他にも葉をロゼット状に地面を這うようにして冷たい風を避けるとともに、一枚一枚の葉は重ならないように広げ、太陽の光を少しでもたくさん受けとめるようにしているらしい。

 寒暖に戸惑い、生き様にも戸惑う僕は、工夫を凝らして生きる野の花に負けているかもしれない。