勿忘草 ( わすれなぐさ )

「一生感動一生青春」相田みつをさんのことばを生きる証として・・・

これってセクハラ?

2006-09-17 12:36:09 | Weblog
 未知の世界に足を踏み入れて、間もなく2ヶ月。戸惑い悩みながらも、健気に頑張る千春ちゃん。この道に入るきっかけを作った僕としては、その仕事ぶりが気になるのだが、予測は出来たものの、それ以上に売れっ子でホッとしている。


 女優業のかたわら始めたこの仕事ではあるが、入店して一ヶ月は早朝から夜遅くまで一日も休まず、声をかけるチャンスもないくらいモテモテで踊り詰め、身体が心配でもあったが、元気で頑張る姿はホールの華でもある。

 学生時代に競技会に出ていたとはいえ、我がダンスホールへ教師として入店した彼女、ダンスを踊ることのブランクもあり、お客様への対応に苦労している様子でもある。
しかし持ち前の聡明さと人柄の良さは、同僚にも可愛がられお客様の評判もすこぶるいい。

 さらに入店するとすぐに、プロの教師としてのライセンス取得のための勉強も始め、そのバイタリティにも感心している。

 そんな彼女も、初めての体験に、驚き、困惑し、自信を失いかけ、時には僕の顔を見るなり号泣することもある。誹謗中傷やジェラシーなども含め、一筋縄ではいかないこの世界。誰もが通る道ではあるが、人一倍強い正義感と責任感は、時としてこらえきれない感情が溢れてくるようだ。話す機会のないときはメールでの報告や悩みも聴く。

 そうして少しづ大きくなっていく彼女、本人のブログ更新もままならないほどに疲れきって帰り、PCに向かう元気もないという。

 そんな彼女のエピソードのいくつかを紹介します。

エピソード・その1

 入店を控えた直前、店内で踊ることに慣れるため、本営業とは別の、平日の昼間の生バンドなしのサブ営業の時間に僕と踊ることになっていた。
ちょうど同じ日に、このブログで親子のような付き合いをしている「おにぎり」が、岐阜から泊りがけで遊びに来ることになっていた。いい機会なのでお店の見学を兼ねて、千春ちゃんとの対面と、踊りを見に誘った。興味深く我々の踊りを見る彼を見ていた仲間から、後日噂が立った。独身と言っていたけど、千春ちゃんの旦那様が見に来ていたとか、心配で兄弟が来ていた、といった話がまことしやかに囁かれた。

 これには彼女もびっくり。前もって忠告していたことが入店前から現実になり、驚いたことだろう。

エピソード・その2

 その後おにぎりが、いつ僕から聞き出したのか、僕の誕生日にプレゼントを贈ってくれたことを知って「私のほうが親しくしていただいていると思ったのに、私の知らない誕生日をおにぎりさんが知っていることがショックだったわ」と笑いながら言っていた。

 千春ちゃんのこと記事にしていいかと尋ねたとき、ぜひこの話を載せてくださいと頼まれた。(笑)

エピソード・その3

 彼女が入店する前、アドバイスや彼女の悩みも含めて話をしたときだった。
彼女のような若い美人さんが入店すると、特に男性教師には注目の的、我先にと教え魔が群がるものだ。そんな時は素直に「ハイハイ」といって教えてもらいなさい。ただし仕事に差し支えない程度にして、上手に断ることも必要ですよ。
そんな時、僕に気兼ねは一切必要ないという意味と、若い彼女のこれからの人生に、親子ほどの歳の離れた僕が、邪魔をしてはいけないという配慮から「僕は千春ちゃんを彼女にする意思はさらさらないからね」と言った。
彼女は黙って聞いていたが、思わず僕は言った。
「あれっ!もしかして、僕は女性に対して非常に失礼なことを言ったかな?」
二人は顔を見合わせて大笑いをした。
「私、男性から面と向かって彼女にする気はないと言われたの、初めてだわ」(笑)
これってセクハラかなぁ?

エピソード・その4

 一週間ほど前、男性のお客様から「いい子を紹介してくれないか」と頼まれた。
「目的は?」と聴いた。上手になるために教えて欲しいのか、楽しく踊りたいのかを知りたかったから。
そのお客様、教室にも通っているので、ここでは楽しみたいという。それではと千春ちゃんのことを話した。
「いま、カウンターでお客様のお相手をしているあの子です。5分も話をすれば彼女の良さがわかります、たぶん気に入ると思いますよ」
そう言うと彼女の隣に行ってコーヒーを飲みながら、お客様との会話を聴いてきたと言う。
「どうでした?」と聴くと、あとで呼んできてくれという。
そのお客様、以前からの顔見知りであるが、なかなかの人格者とお見受けする。決してそんなそぶりは見せないが、冗談に紛らわせていう言葉に、優しさや思いやりが伺え、社会的な立場も優れた人と見た。
その日は、それだけで帰ったが、一週間後きちんと予約をして来られた。
彼女の緊張している姿を見て、その日は踊らずに、2時間、話だけで帰られたという。

エピソード・その5

 何度かお客様の心無い言葉に傷つき、僕の前や他でも涙を流している。
我々の仕事は、教えるだけでなく、ダンスのお相手をすることのほうが多い。特に女性教師の場合は、ライセンスを持たなくても良く、楽しくお相手が出来ればいい。ある日、彼女に付いたお客様、男性のステップを教えて欲しいという。入店したばかりで、まだ教えられないというと「教えられないのになぜ教師の名札を付けているんだ」と非難されたらしい。お客様からすれば当たり前のことを言っただけなのだが、あいにく代わる女性教師もいなかったので、僕に助けを求めてきた。ちょうど予約があった僕は、手助けが出来なかったのだが、数分後に戻ってきた彼女の表情がおかしい。「どうした?」と聞くと、こらえきれなくなった彼女は両手で顔を覆って泣き出した。自分の不甲斐なさに悲しくなったのだろう。


 そんな経験をして皆大きくなる。彼女の成長を見守りたい。彼氏としてではなく、父親のような立場で。ちょっと悲しいが・・・(^泣^)・(^笑^) 

 皆さんも千春ちゃんの応援、よろしくお願いします。
2006.09.17