仙台フォーラムで映画『ただいま、つなかん』を観て来た。
気仙沼唐桑半島の鮪立(しびたち)漁港の話。全編ドキュメント。
菅野一代(いちよ)さんは22歳で久慈から鮪立のホタテ、牡蠣,ワカメ養殖業者に嫁いだ。
2011年の津波は船一艘を残して洋食設備を奪い取った。
唐桑御殿と呼ばれた自宅も3階まで水に浸かり、全壊と判定された。
全国から支援にやって来た学生ボランティアが、菅野さんの自宅を修理して寝泊まりするようになった。
ボランティア達は一代さんを慕い、何回もやって来た。気仙沼に移住する者が10人を越えた。
一代さんは自宅を修理して民宿にすることを決心した。
ところが2017年、一代さんをまた大きな悲劇が襲う。
監督の風間さんは10年にわたり、一代さんをカメラで追って来た。一代さんは『まるでストーカー」と言いながら、どんなに辛い時も撮影を断らなかった。
ボランティアの中には地元の若者と結婚する女性も出て来た。海からあがって来た漁師向けの銭湯兼食堂を始めた女性もいる(鶴亀食堂)。
こうした若者達の頑張る姿を見て、一代さんも悲劇の記憶からようやく立ち上がる。
この映画の中心は一代さんの人柄だ。彼女を慕って人が集まって来るのは、彼女を見ていると元気になれるからだ。