簡易版環境マネジメントシステムの認証取得

簡易版環境マネジメントシステム・KESの認証取得を目指している会社がありました。
環境管理責任者は 最高責任者や他の経営陣に“ISO9001の認証の時よりカンタンです！もう出来たも同然デス。”と説明し、自らも お気楽に そのように思っていました。
認証のための活動を推進している事務局の担当者は これには閉口していました。“簡単”との認識が 経営者から一般社員にいたるまで浸透し、全員参加で行なうべき活動を不活発にさせてしまっていました。
活動は、一切合財 事務局と一部の協力者にお任せ。環境管理責任者は 仕組の運用状況を見ても、“それでエーヤン！”を連発していました。
コンサルティングも 不十分なまま、規定の回数を 早々と終えてしまい、１ヶ月前に、コンサルタントは不安そうに帰って行かれました。
自己評価(内部監査)や 最高責任者(経営者)の評価も おざなりで 消化。堅物の銀行出身の 監査主任も 当初は“これではダメダ”と言っていましたが、予定された認証審査の期日が迫ると協調性を発揮して 何も言わなくなりました。

いよいよ 年末に認証審査があり、審査員からの指摘事項は 次のようでした。
①遵守すべき法規制の認識に抜けているのが多い
②管理すべき施設・設備・物質・項目にも抜けが多い
③改善活動の目標の定義・範囲が不明確(全社の統一性が無い)で、修正活動も不十分

これほど 重大な指摘があったのですが、審査員は　活動最前線の“まじめさ”を指摘して“今後への期待”を込めて、“指摘事項の是正処置を　お約束いただいた”ということで“審査は無事終了”。
気もそぞろの経営者は　それでもホッとして家路へ。
これまで部下の事務局にお任せで　何もせず、規格の内容も十分認識していなかった環境管理責任者は 審査が終われば ニコニコ。“これで終わった！年が越せるッ！” 心配なのは 折からの雪で家に無事　帰れるかどうかだけ！
果たして これで認証取得可能なの？これでも判定委員会通るのかしら？

リスク感覚一切無く、どこまで行っても お気楽な 経営者と 環境管理責任者です。