活かして生きる ~放禅寺の寺便り~

娑婆世界を生きる智慧/おシャカ様・禅・坐禅・法理・道のこと

海水都て増減なく波浪も亦退転無し

2017年03月08日 | 法理

「海水都(すべ)て増減なく波浪も亦(また)退転無し」

というお示しがあります。

 

どちらにしても、ちっとも変わらないのです。

諸仏に在っても増すことはないし、衆生に在っても減ることも

ないのです。

 

それだからいいのです。

それ程に「法」としてはきちんとしているのですが

「人(にん)」はどうしてもそれが満足出来ないのです。

 

ところが、おシャカ様は満足出来たのです。

背の高い人も背の低い人も内容外観はいろいろに形は

変わっていますが「因果」それ自身というものは何も

変わりません。

 

ただ、「因果全体」なのです。

その中に「自我」というものはありようがないのです。

それがハッキリと自覚が出来るのです。

 

仏の知見です。

「仏智見」といいます。

 

「仏知見を得た人」というのは、「縁」に触れるとなんとでも

成りながら、何にも括(くく)るものも、括られるものも

ないので、無いながらに縦横無尽に活動が出来るのです。

因果それ自身」に目標はないのです。

 

ですから「因果無人(いんがむにん)」です。

「無目的」です。

 

その無目的である絶大な存在、それをまず手に入れなければ

一切の問題の基本というものは、解決のつくものではないのです。


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