人間(にんげん)の体は「五根」という「眼(げん)・耳(に)・鼻(び)・舌(ぜつ)・身(しん)」に因って認知された対境としての「五境」即ち「色(しき)・声(しょう)・香(こう)・味(み)・触(そく)」という道具立てで構成されています。
みんな器機・機能で構成されていますから「そのもの自体」には考える力は有(在)りません。
例えば眼で物を見ると言いますが、眼は分別する道具ではありません。
機能の働きには分別するものは持って居りません。
例えば舌の上に辛い物を乗せても、舌には辛いという事を分別する道具ではありませんから「舌自体」は辛いとは言いません。
そういうように人間(にんげん)の体というのは全部道具と同じようにそれぞれにはそれぞれの働きが無いのです。