クールジャパン★Cool Japan

今、日本のポップカルチャーが世界でどのように受け入られ影響を広げているのか。WEB等で探ってその最新情報を紹介。

日本にいると自分まで教養があるように感じた02

2009年06月07日 | マンガ
2009.05.29 に「日本にいると自分まで教養があるように感じた」というタイトルで書いたが、今日はその続編である。このタイトルは、この日に取り上げた中国ブログの中の「日本人は礼儀正しく、教養がある。日本を訪れたからというもの、まるで私自身までもが教養があるかのように感じ、常に追求していた文明社会が日本で体現されているようであった。」という文章からとったものであった。

ところで、なぜ中国人の旅行者は、「日本にいると自分まで教養があるように感じた」のだろうか。これを理解するためには、ある程度中国側の状況を押さえておかなければならない。ここでいう教養とは、もちろん知識のレベルでの教養ではない。人間的なモラルとか礼儀とか社会生活をおくる上での常識などの面で、日本人の教養が高いといっているのであろう。

逆に言えば、中国人の道徳心や礼儀のレベルはかなり低いということなのだろうか。中国など他の国々の状況と比較することで、日本の文化や社会の状況がある程度、客観的に見えてくる面がある。その意味でも、サーチナの他の中国ブログの記事なども参考にして中国の状況を見てみよう。

「次に驚嘆したのは日本の秩序であり、怖いほど秩序があったのである。優雅な銀座、にぎやかな新宿、温泉で有名な箱根など、どのような場所であろうと目にするのは安全運転している車のみであった。耳をつんざくようなブレーキの音やクラクションの音を耳にすることは全くなかった。日本ではクラクションを鳴らすことを禁止されているわけではないにもかかわらずである。

私が日本を訪れたのは5月であり、浅草寺ではちょうど三社祭が行われていた。肩がぶつかりあうほど多くの人々が詰め掛けていたが、雑多な一角にあったトイレには人々が静かに秩序をもって並んでいたのであった。また、日本では犬を飼っている人が多く見受けられたが、犬の叫ぶ声やほえる声を聞くこともなかった。さらには道を歩いていても犬の糞尿すらないのであった。」(「犬は多いが糞尿が無い!」日本の秩序に驚愕 、サーチナ2009/06/03)

「日本に頻繁に出張に行く同僚の話によると、日本人は非常に衛生的だという。日本の学校では校舎に入るときには靴を履き替え、教室も毎日掃除するのだという。また、日本の街中も非常に清潔であり、にぎやかな場所であればあるほど、より衛生だと話していた。初めて訪日した際、同僚はその清潔さに震撼したと話していた。」(日本に対する「反感」が「好感」に変わった理由、サーチナ009/06/02)

ここで中国人が「驚嘆」したり「震撼」したりしているのは、中国には日本で発見したような秩序や清潔さが欠けているからなのだろう。タイミングよく、レコートチャイナには今日付けでこんな記事も出ていた。

★★★~~~~~★★★~~~~~★★★~~~~~★★★

決まりを守る人はバカ?中国人に欠ける「基本的な道徳観」―中国紙

2009年6月4日、中国紙・中国青年報は、メラミン入り粉ミルク事件や違法炭鉱の爆発事故など 中国全土で発生する考えられない事件の原因は、「中国人の基本的道徳観の欠如」だと論じた。

公務員による汚職、発がん性のある着色料の不正使用など、中国では実に様々な問題が 頻発している。記事は政府が提唱する「国のために命を捧げる」「勇気をもって正しい行いをする」といった類の大げさな道徳モデルを「普通の人には決して真似できないもの」と切り捨て,意味のない道徳教育が中国人全体の「道徳観の欠如」を招いていると指摘した。

記事によれば、中国人に必要なのは基本的な社会ルールを教えること。
中国には「列に並ぶ」「信号を守る」「ぶつかったら一言謝る」「トイレを流す」などの常識的な行為すら出来ない人が多い。決まりを守る人間は「馬鹿だ」という風潮すら存在する。それなのにいまだ「中国は礼儀の国」などと本気で言っているから、世界中の笑い者になっているのだと、記事は指摘した。(翻訳・編集/NN)

レコードチャイナ 2009-06-06 19:20:26 配信

★★★~~~~~★★★~~~~~★★★~~~~~★★★

このような状態の中国から日本に来て、日本人のなかで行動をし始めると、おのずと日本的な秩序の中で、それにそって行動するようになるから、「日本にいると自分まで教養があるように感じた」と感じるようになるのではないか。この辺の事情を養老孟司は、次のように表現している。

「中国では行列を無視し、ルールを守らないのは、そのほうが得だから。そういう社会システムになっているんですね。日本型の社会をいったんつくると、みんながルールを守ったほうが、結局みんなが得をするとわかる。だから中国人も、日本に住めばたちまち順応して、特別迷惑だということはない。」(『日本人ならこう考える』)

このような違いがあるからこそ、日本に順応することで中国人も自然に「教養が高まった」と感じるのではないか。そして、中国人が「震撼」するこのような日本人のあり方こそ、私たちが大切に守り育てていくべきものだろう。

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« クールジャパンに何を学ぶか | トップ | 「刀を置き、花を手にしたサ... »
最新の画像もっと見る

マンガ」カテゴリの最新記事