
9月16日
朝、小池さんと風をチェックしに海岸に行く。南南西の風が、昨日から吹きつのり、施設の前のビーチには、怒涛のような波が押し寄せている。
そのビーチとは異なり、沖に消波ブロックがある阿万海岸だが、それでも離着岸は難しいし、うまく沖に出られても、時折の強いブローで数回の転覆は経験することになるだろう。もちろんセーリングが不可能という風ではないのだけれど・・・。
青少年交流の家の職員室に行き、インターネットで気象情報を見る。
西の大陸にある台風くずれの低気圧と日本の東北地方にある低気圧とが前線でつながっている。その前線に向かって南からの暖かい、しかも湿った空気が吸い込まれている。
強い風が吹いているのは淡路島だけではなく、遠く離れた駿河湾でも、相模湾でも、同じような強い風が吹いている。ウー、まいった・・・。
だけど。
この体験セーリングセミナーの眼目は、親子で楽しくセーリングを経験すること、2日間でセーリングができるようになって達成感を楽しむことだ。スパルタ教育でセーリングの技術を叩き込むことではない。このことを忘れないようにして、判断を下さなければいけないことを、常に頭の先頭に置いておくこと!、と自分に言い聞かせる。
午後になってコンディションが好転することを期待して、午前中は、施設内のプールに2隻のアクアミューズを浮かべて、我々インストラクターと参加者親子の、それぞれの艇に3名ずつ乗って、セーリングの感触を摑んでもらうスケジュールに組み替える。
ライフジャケットの大切さと着方を参加者全員に教えた後、小池哲チャンがいきなりプールに飛び込んで実演。緊張している子供たちをリラックスさせて集中させる作戦だ。
高橋、村橋、小池、西村の4人で交代で艇に乗り込んで参加者の方々にセーリングを楽しんでもらう。子供たちは、プールの中とはいえ、水の上に浮かぶ船に乗って本当に楽しそうだ。
その笑顔と興奮度を見ながら、コンディションが思うようなものにならなかったら、意固地になってセーリングにこだわらなくてもいいかも知れんなあ、という考えが浮かんできた。
順番を待つ子供たちが退屈しないよう、ボランティアスタッフの人たちが、プールの横の広場でゲームを企画して楽しませてくれている。