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牛の気持ちになってみた朝

2013年01月28日 | 風の旅人日乗
宿を借りているキウイフルーツ農家の台所の窓越しに、



昇ってくる朝日を眺めながら、
カリカリに焼いた熱いトーストをかじる。



空が明るくなると、前庭の先の牧場で
すでにもう一所懸命草を食んでいる牛たちが見えるのだけど
写真には写っていませんね。

考えてみると、アレですね、
牛たちは自分自身を美味しいお肉にするために、
人間に自分を美味しく食べてもらうために、
朝からあんなに真剣に草を食んでいるんだな。
・・・・
もしこのことを理解できる牛がでてきたら、
拒食症になっちゃうかもな。

トーストをかじりながら牛の立場に立ってしまい
朝からしんみりとしてしまったが、
牛の気持ちのことはさておき、
さあて、今日もレースでセーリングできる、うれしいな。


だあー!クソー!
我々を風上から軽々と抜いていく
エリオット・スーパースポーツ35、クルセイダーズ。



全長35ft、オールカーボン。カンティングキール。
数ヶ月前に進水したばかりのニューカマー。
風速16ノットを越えるリーチングになると、この船はほとんど、飛ぶ。

でもね、セーリング角度が深くなると、そうはいかない。
回航マークになっている島を回った後、抜き返す。
抜き返した記念に、振り向きざまにパチリ。



何故だか怒っているようなクルーと目が合ってしまい、
念のため頭を下げておく。

どんどん引き離す。
さようならー。
オークランドに戻ったら、一度乗せてもらおう。
この艇は、今年のロスーホノルル間のトランスパック・レースに参加する。



毎日、2本のインショアレース(1レグ1.5海里)と、
20マイル弱の距離の、複雑な島巡りコースが1本。
飽きない。

最終日は25~27ノットの風に恵まれ、最高のレースになった。
我々の艇のダウンウインドセイルはすべて少々古く、
突風が入るたびにバーストする。
バーストしては取り替え、
バーストしては取り替えしているうちに、
残念なことに最後は揚げるセイルがなくなり、
フィニッシュへの残り1海里ほどは、
ちょっと手持ち無沙汰になった。

ダウンウインドセイルを一挙に何枚も
新調しなければいけなくなったオーナー氏は
頭を抱えていらっしゃったが、
でも正直申し上げれば、買い替え時だったかと思います。
オーナー様たちには申し訳ないことですが
こうでなければ、セイル屋さんは仕事にならないですね。
日本では、この風速ではなかなかレースをやってもらえないからなあ。





本日もキウイフルーツ畑の写真で〆た後、
オークランドに戻ります。