これも、避けては通れないセーリング

2010年12月01日 | 風の旅人日乗
「明日、葉山でマック2乗りますよ。ウエットスーツ、もし無ければ持って行くので、乗りましょう」

470クラスからモス級に乗り換え、今年の全日本で優勝した後藤君(セイル・ファースト代表)からその電話が掛かってきたのは、横須賀中央の『立ち呑み 市場』で、真澄・正味一合400円也の最初の一口をすすって、「んまい!」と呟いたばかりのときだった。

明日予定している仕事はあるし、それを明日中に仕上げなければ、そのしわ寄せで週末は大変なことになる、ということは認識していた。
しかし、後藤君のほかに、脇永も来る、モス古参セーラーの古谷さんも来る、と聞いては、行かないわけにはいかない。
今時分の水の冷たさがちょいと気にはなるけど、空飛ぶセーリングを教わるには、願ってもないチャンスだ。

「行く」と返事をして電話を切った後、今夜のお酒は控えめにしよう、と考えた。

しかし、いけないことに、『立ち呑み 市場』の真澄・正味一合400円は、2,3杯で止めるには、あまりにも美味しすぎた。
つまみの、インド洋産本マグロ400円や、しめ鯖200円も、あまりに美味しすぎた。
明日に備えて今夜のお酒は控えめにしよう、と考えたことは、30分も持たなかった。

今夜の酒友は、この酒場のオーナーでもあり、逗子のアロハMのオーナーでもあるM井さんだ。
M井さんご夫婦とはニュージーランドで初めて知り合った。それもあって今夜のワタクシのニュージーランド土産話も、真澄とマグロとともにえらく盛り上がってしまった。

横須賀中央の繁華街の美味しいお店を飲み歩いたことは、3軒目までは覚えている。身の詰まったすごく美味しい毛蟹を2軒目の『市場食堂』で食べたことも覚えている。しかし、あとはおぼろ。

どうやって家に帰り着いたのか分からないけど、朝目が覚めたとたん、今日のセーリングのことを思った。
布団の中で、身体に様子はどうか聞いてみる。
「ダメダメ、とてもダメ」
という返事。
「今日のアタシは、とてもお空を飛べる身体じゃないの。アナタったら、あんなに飲むんですもの」

でも、イメージトレーニングだけはしておきたい、と脳みそは考えた。
ヨット専門誌KAZIの表紙撮影のためのインフレータブルも出ると聞いていたし、それに古谷さんも乗ると聞いていた。
間近で日本の2人のトップセーラーたちのセーリングを、古谷さんの解説付きで見られたら、きっと未来の成功に繋がる、と考えた。
乗る気は限りなく皆無に近かったが、もしかしてその気になっちゃった場合に備えて、一応ウエットとスモックとディンギーブーツも車に積んだ。

本日の結論。
いいモノを見た。
日本のトップクラスの2人のフライング・セーリングを見て、最高のイメージトレーニングになった。
カイト・セーリングとともに、マック2によるフライング・セーリングも、必ず自分の掌中にしたい目標になった。

ひとりで溜め込むのもナンだから、セーラーみんなとシェアするために、ふたりのフライング・トップセーラーのセーリングの様子を
以下、写真で紹介します。

「オレ様はセーリングが上手いのである」と自負したり人に吹聴したい人は、
残念ながら今後、このマック2でのセーリングを避けて通るわけには行きませんぜ。


遠くからボート目掛けて2人が飛んでくる。
来た来たっ。シャッターをカシャ。



あら? 写ってない。
ワタクシのオリンパス・ミューでは、ピントを合わせてからシャッターを押すと、マック2が行き過ぎた後の海しか写らない。

では、もう少し早めにシャッターを押して。



あら? 今度も航跡しか写ってない。

では、もっと早めに。



あ、やっと写ったけど、ラダーが見えるだけ。


今度は、もっと早く、被写体がフレームに入る前にシャッターを押してみる。



おお! やっとヒトが写った。これは脇永選手。


で、段々上手に撮れるようになってきたので、しばしご鑑賞を。












疲れて水を飲んだりするときは、この写真の後藤選手のように、半チンさせて、船体に腰掛けて休憩する。




もしくは、こんな感じで、普通のヨットのように飛ばないセーリングにして身体を休める。




仕事は滞ってしまったけど、いいモノを見せてもらった半日でした。

ワタクシは、この冬は肉体改造に努め、水ぬるむ来春から、古谷コーチの元で、三浦海岸沖道場で空飛ぶセーリングの修行を始めることを、ここにキッパリと宣言致します。