昨日は水彩画の日、もうひとつの楽しみは、仲間のHさんがエルヴィス・プレスリーの1973年のハワイで行われたライブ録音を僕に、と持ってきてくださったことでした。
残念ながら自宅には音楽を聴けるような性能のよい高級な器械がなく、いただいた手持ち運びのもので聴いているのですが、早速聴いてみました。
1973年ハワイで・ホノルルでのインターナショナルセンターで録音された演奏で、きれいなすんだ声で観衆に盛んに「サンキュー・サンキュー」と繰り返しながら次の曲に移っています。
エルヴィスは1977年わずか42歳で自宅で急逝しますので、思いもかけない晩年になってしまいました。彼の歌うロック・ミュージックは、あのアメリカでさえ、青少年を悪の道に導くという理由で、教育上さまざまな話題をセンセーショナルに取り上げる時代でした。
言うまでもなく、教育が手薄できわめて保守的な日本にとっても問題にして、学校にギターの持込を禁止したりして、青少年の夢を奪い取ってしまった時代でもありました。けれどもヤング・カルチャーを作り出した若者は当然のように反発慎が芽生え、そんなことでへこたれるような弱くはないのです。
だれもがあの時代に、ニュー・ミュージックに酔いしれたのでした。その時代にすごした青春青年は今や老年期に向かおうとしています。しかし、亡きエルヴィスは単に青春のものではなかったのです。人生と重ねているのです。だから今でもファンであり続けるのではないかと思うのです。
途中で「マイ・ウエイ」を絶唱しています。ビング・クロスビーやフランク・シナトラらが甘い声で歌っていて僕も時代が重なります。この歌詞を知ると、まるでエルヴィスの人生を顧みるような歌のように思えますが、自ら吹き込んだアルバムの中に収めたものの、世に出たときはすでに彼は旅たっていました。
たくさんの思い出が浮かんできます。いつかまた放送で偲んでみたいと思っています。Hさんの心遣いにいつも感謝しているのですが、ぼくの放送にとっても大事な構成者です。
やさしいタイガー