たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?
今日はベートーヴェン:弦楽四重奏曲第7番「ラズモフスキー第1番」です。
「ラズモフスキー」という名前がついたベートーヴェンの弦楽四重奏は全部で3曲あります。なので、「ラズモフスキー」というタイトルの後にも、更に「第1番」とかの番号がついてるんですね。(ちょっとややこしい)
そして、3曲まとめてラズモフスキー伯爵に献呈されたので、現在もこの名前で親しまれています。ちなみに、「ラズモフスキー第3番」は前にブログで書いたのでそちらもよろしく。
曲調は、弦楽四重奏という限られた楽器編成の中から、これでもか!と言わんばかりにさまざまな表情を見せてくれます。明るく楽しい表情から、つらく悲しい表情まで、たっぷりといろんなメロディを聴かせてくれる一曲です。
ちなみに、弦楽四重奏なので、編成はヴァイオリン2台、ヴィオラ、チェロがそれぞれ1台ずつで、計4台の小編成のアンサンブルです。
第1楽章:小刻みなリズムに乗って、チェロのメロディが流れると、
ヴァイオリンがそれに続きます。
高音に続き、低音のハーモニーが流れると、チェロがざっくりと刻み、
ヴァイオリンの華やかなメロディが流れます。
その後も、弦楽器の華やかなメロディが続き、曲を彩っていきます。
しばらくすると、最初のチェロのメロディが流れて、少し影のある
雰囲気になりますが、ヴァイオリンや高音のフレーズが明るく
しなやかに流れます。
後半では少し激しいフレーズも続きますが、弦楽器のしなやかに
流れるような美しいメロディでつなぎ、最後はサラッとしあげて
終わります。
第2楽章:ズンズンズンズン!というチェロのリズムに、ヴァイオリンが
サラリとしたフレーズで入ると、ズンズン!が次第に盛り上がります。
更に、ズンズンが入ると、今度はヴァイオリンが少し違うフレーズを奏でます。
弦楽器が入り乱れ、激しく短いフレーズをかき鳴らしていくと、
急にピタッと音がやみ、少しやわらかな表情を見せます。
しかし、それもつかの間、また激しく刻む弦楽器が現れると、
細かく刺すようなフレーズが機敏に動きます。
しなやかなフレーズを挟みながら、機敏に動くリズムを利用して
大きく動く展開に、リズムはそれぞれの楽器を渡るように奏でられると、
最後は堂々と締めくくって終わります。
第3楽章:中音域の長い音が静かに響くと、それに忍び寄るように、他の楽器
が加わり、次第に厚みを増していきます。
芯の通った音がひとつ、貫くように長く響くと、周りの音もそれを気遣うように
悲しいフレーズを作り出していきます。
チェロがしんみりと、低音を聴かせたかと思うと、ヴァイオリンが甲高く
悲しい旋律を聴かせます。
こんなに美しい響きなのに、雰囲気は悲しくひっそりとたたずむように
聴こえます。
やがて、その悲しみが核心に迫ったような音がひとつ、
そこからはまた、しんみりとゆっくり聴かせます。
チェロのメロディがじんわりと聴かせると、ヴァイオリンはやさしくその
メロディを際立たせていきますが、そのやさしさが返って、身にしみるほど、
切なくつらく響きます。
後半では、リズムが※ピチカートに変わると、悲しいメロディが余計に響き、
やがて、こころをしめつけられるような切ない音を聴かせます。
悲しい胸の内を明かすように、しずしずと告げると、
ヴァイオリンソロが現れ、ソロはまるで大空を自由に駆け巡る小鳥のように
スイスイと自由に飛び回っていくように解き放たれると、
そのまま、4楽章へ~
第4楽章:チェロのフレーズをひとつ挟んで、明るくさわやかな
ヴァイオリンのメロディを奏でていきます。それまでの事がまるで嘘だった
かのように、明るく快活なメロディが、スイスイと泳ぐように駆け巡ると
とても晴れやかな表情が、その有り余る力を存分に発揮するように、
快活なフレーズを聴かせてくれます。
チェロのリズムも弾み、ヴァイオリンが楽しげに聴かせると、
踊りだしそうな勢いもそのままに、楽しく陽気に楽しませてくれます。
最初のチェロのフレーズを何度か挟みながら、はやる気持ちを
落ち着かせようとしますが、その度に盛り上がっていきます。
中盤ではようやく落ち着いて、ゆっくりとした表情を見せますが、
それでもやはり、弾む気持ちを抑えられず、どんどんと曲は続きます。
最後は、ひとつ仕切りなおすと、
ヴァイオリンからメロディをつなぎ、徐々に盛り上がると、
しなやかなヴァイオリンソロをゆっくり聴かせて、ラストスパートを
一気に決めてスカッと終わります。
演奏時間は40分弱と、結構長めのこの曲ですが、とにかくいろんな表情で聴かせてくれますから、聴いていると時間の経つのも早く感じるかも?!
結構有名なこの曲ですが、実は最近初めて聴いたこの曲。
最初は明るいメロディで始まって、「うん、明るくてイイ感じの曲だな」と思っていると、第2楽章では、ズンズン!のちょっと変わったフレーズに「ややびっくり」、そして、第3楽章の悲しいフレーズ、「やっぱりベートーヴェン、涙を誘う、つらい表情が得意だなぁ」なんて思ったりして、そうこうしているうちに、後半からヴァイオリンソロのイキイキとした表情。そのまま流れ込むように第4楽章。
聴きどころは、やっぱりこの3~4楽章の移り変わりでしょうか?!
ベートーヴェンというと、「交響曲」や「協奏曲」、「ピアノソナタ」他、いずれ劣らぬ名曲がその名を連ねていますが、
これらと比べても決して見劣りする事はない「隠れた名曲」ということが出来るかもしれません。(というか自分が知らなかっただけなんですけど・・・。)
それは、ともかく、クラシックの曲はベートーヴェンに限らず、○月○日、ニューアルバム発売!みたいな事がありませんから、(新曲という意味で)いろんな曲を聴いて、その中から人があまり知らない曲を、「自分で発見した!」と思うと(別にオマエが見つけた訳じゃないだろ!)、何故か意味もなく嬉しくなってしまいますよね。
≪オススメCD≫
スメタナ四重奏団でどうぞ。
【コレってどんな曲】
喜:☆☆☆☆★
怒:☆☆☆★★
哀:☆☆☆★★
楽:☆☆☆☆★
≪おすすめシチュエーション≫
四つの弦楽器が色彩豊かな表情を聴かせてくれます。
今日はベートーヴェン:弦楽四重奏曲第7番「ラズモフスキー第1番」です。
「ラズモフスキー」という名前がついたベートーヴェンの弦楽四重奏は全部で3曲あります。なので、「ラズモフスキー」というタイトルの後にも、更に「第1番」とかの番号がついてるんですね。(ちょっとややこしい)
そして、3曲まとめてラズモフスキー伯爵に献呈されたので、現在もこの名前で親しまれています。ちなみに、「ラズモフスキー第3番」は前にブログで書いたのでそちらもよろしく。
曲調は、弦楽四重奏という限られた楽器編成の中から、これでもか!と言わんばかりにさまざまな表情を見せてくれます。明るく楽しい表情から、つらく悲しい表情まで、たっぷりといろんなメロディを聴かせてくれる一曲です。
ちなみに、弦楽四重奏なので、編成はヴァイオリン2台、ヴィオラ、チェロがそれぞれ1台ずつで、計4台の小編成のアンサンブルです。
第1楽章:小刻みなリズムに乗って、チェロのメロディが流れると、
ヴァイオリンがそれに続きます。
高音に続き、低音のハーモニーが流れると、チェロがざっくりと刻み、
ヴァイオリンの華やかなメロディが流れます。
その後も、弦楽器の華やかなメロディが続き、曲を彩っていきます。
しばらくすると、最初のチェロのメロディが流れて、少し影のある
雰囲気になりますが、ヴァイオリンや高音のフレーズが明るく
しなやかに流れます。
後半では少し激しいフレーズも続きますが、弦楽器のしなやかに
流れるような美しいメロディでつなぎ、最後はサラッとしあげて
終わります。
第2楽章:ズンズンズンズン!というチェロのリズムに、ヴァイオリンが
サラリとしたフレーズで入ると、ズンズン!が次第に盛り上がります。
更に、ズンズンが入ると、今度はヴァイオリンが少し違うフレーズを奏でます。
弦楽器が入り乱れ、激しく短いフレーズをかき鳴らしていくと、
急にピタッと音がやみ、少しやわらかな表情を見せます。
しかし、それもつかの間、また激しく刻む弦楽器が現れると、
細かく刺すようなフレーズが機敏に動きます。
しなやかなフレーズを挟みながら、機敏に動くリズムを利用して
大きく動く展開に、リズムはそれぞれの楽器を渡るように奏でられると、
最後は堂々と締めくくって終わります。
第3楽章:中音域の長い音が静かに響くと、それに忍び寄るように、他の楽器
が加わり、次第に厚みを増していきます。
芯の通った音がひとつ、貫くように長く響くと、周りの音もそれを気遣うように
悲しいフレーズを作り出していきます。
チェロがしんみりと、低音を聴かせたかと思うと、ヴァイオリンが甲高く
悲しい旋律を聴かせます。
こんなに美しい響きなのに、雰囲気は悲しくひっそりとたたずむように
聴こえます。
やがて、その悲しみが核心に迫ったような音がひとつ、
そこからはまた、しんみりとゆっくり聴かせます。
チェロのメロディがじんわりと聴かせると、ヴァイオリンはやさしくその
メロディを際立たせていきますが、そのやさしさが返って、身にしみるほど、
切なくつらく響きます。
後半では、リズムが※ピチカートに変わると、悲しいメロディが余計に響き、
やがて、こころをしめつけられるような切ない音を聴かせます。
悲しい胸の内を明かすように、しずしずと告げると、
ヴァイオリンソロが現れ、ソロはまるで大空を自由に駆け巡る小鳥のように
スイスイと自由に飛び回っていくように解き放たれると、
そのまま、4楽章へ~
第4楽章:チェロのフレーズをひとつ挟んで、明るくさわやかな
ヴァイオリンのメロディを奏でていきます。それまでの事がまるで嘘だった
かのように、明るく快活なメロディが、スイスイと泳ぐように駆け巡ると
とても晴れやかな表情が、その有り余る力を存分に発揮するように、
快活なフレーズを聴かせてくれます。
チェロのリズムも弾み、ヴァイオリンが楽しげに聴かせると、
踊りだしそうな勢いもそのままに、楽しく陽気に楽しませてくれます。
最初のチェロのフレーズを何度か挟みながら、はやる気持ちを
落ち着かせようとしますが、その度に盛り上がっていきます。
中盤ではようやく落ち着いて、ゆっくりとした表情を見せますが、
それでもやはり、弾む気持ちを抑えられず、どんどんと曲は続きます。
最後は、ひとつ仕切りなおすと、
ヴァイオリンからメロディをつなぎ、徐々に盛り上がると、
しなやかなヴァイオリンソロをゆっくり聴かせて、ラストスパートを
一気に決めてスカッと終わります。
演奏時間は40分弱と、結構長めのこの曲ですが、とにかくいろんな表情で聴かせてくれますから、聴いていると時間の経つのも早く感じるかも?!
結構有名なこの曲ですが、実は最近初めて聴いたこの曲。
最初は明るいメロディで始まって、「うん、明るくてイイ感じの曲だな」と思っていると、第2楽章では、ズンズン!のちょっと変わったフレーズに「ややびっくり」、そして、第3楽章の悲しいフレーズ、「やっぱりベートーヴェン、涙を誘う、つらい表情が得意だなぁ」なんて思ったりして、そうこうしているうちに、後半からヴァイオリンソロのイキイキとした表情。そのまま流れ込むように第4楽章。
聴きどころは、やっぱりこの3~4楽章の移り変わりでしょうか?!
ベートーヴェンというと、「交響曲」や「協奏曲」、「ピアノソナタ」他、いずれ劣らぬ名曲がその名を連ねていますが、
これらと比べても決して見劣りする事はない「隠れた名曲」ということが出来るかもしれません。(というか自分が知らなかっただけなんですけど・・・。)
それは、ともかく、クラシックの曲はベートーヴェンに限らず、○月○日、ニューアルバム発売!みたいな事がありませんから、(新曲という意味で)いろんな曲を聴いて、その中から人があまり知らない曲を、「自分で発見した!」と思うと(別にオマエが見つけた訳じゃないだろ!)、何故か意味もなく嬉しくなってしまいますよね。
≪オススメCD≫
スメタナ四重奏団でどうぞ。
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【コレってどんな曲】
喜:☆☆☆☆★
怒:☆☆☆★★
哀:☆☆☆★★
楽:☆☆☆☆★
≪おすすめシチュエーション≫
四つの弦楽器が色彩豊かな表情を聴かせてくれます。
名高いのはアルバンベルク四重奏団だが、私はメロス四重奏団が気に入っています。でも、残念ながら国内盤は廃盤なのよね。結構、競合版が出回っているので人気が高いでしょう。
ベートーヴェンのあらゆる楽曲が重量たっぷりといったイメージがありますが、「弦楽四重奏曲」は軽いタッチでサロン風といったところでしょう。
何故か最初に第3番のCDを持っていて、結局第1番を聴いたのがつい最近になってしまいましたが、さすが人気の曲はいつ聴いても名曲ですねぇ。