初心者のクラシック

有名な曲からおすすめの曲まで、できるだけ初心者にも分かり易く紹介します。

「カレリア」組曲  (シベリウス作曲)

2007年01月25日 | その他の作曲家
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はシベリウス:「カレリア」組曲です。

この曲も実は劇付随音楽として作曲されたようですが、今回は劇のあらすじが分からなかったので曲だけの紹介になります。

ちなみに「カレリア」は現在はロシア連邦を構成するカレリア共和国の事で、地理的にはフィンランドのお隣ですね。ロシアは広大な地域をいくつかの共和国で構成していますから、カレリア共和国もそのひとつです。(最近だと紛争で話題になったチェチェン共和国みたいな感じです。)

このカレリア地方は、中世ではスウェーデンが一部を支配していた事もあったようですが18世紀以降はロシアに併合され小競り合いを交えつつ第二次大戦後は現在のようなカレリア共和国としてソ連・ロシア時代に至っています。

さて、シベリウスの時代には地域的にもフィンランドに近い事もあり、フィンランドと共に?というかフィンランドとして?の独立運動が盛んにあったため、シベリウスもフィンランドとしてのカレリア地方を意識してこの曲を作曲していたようです。


 第1曲(間奏曲):そよ風のようなすがすがしい弦楽器から、ホルンによるのどかな
 ファンファーレが始ります。
 やがて弦楽器が曲調を盛上げるとトランペットの楽しそうなフレーズがタンバリンの
 愉快なリズムに乗って陽気な音楽を聴かせてくれます。
 だんだんと緩やかなテンポになり最後はホルンの音色が静かに響いて終わります。

 第2曲(バラード):クラリネットの悲しいメロディがしめやかに流れてきます。
 弦楽器もそれを包むように、ひっそりとしたフレーズを奏でますが間に入るオーボエ
 がとても悲しく響いてきます。
 弦楽器のフレーズがクラリネットと共に悲しいフレーズを淡々と続けていきます。
 一瞬静かになったかと思うと、チェロのフレーズが表れ弦楽器が見守るように
 流れてきます。
 やがて、イングリッシュホルンが乾いた響きでソロを奏でるととても閑散とした
 雰囲気になります。最後はオーボエがつぶやくようなフレーズを残して終わります。

 第3曲(行進曲風):弦楽器がさっそうと、さわやかな響きを始めると、明るい曲調は
 徐々に勢いをつけていきます。ワクワクとこころも弾むようなメロディはとても
 心地よく響いてきます。
 トランペットのファンファーレが鳴り響くと、曲は賑やかになり、シンバルや打楽器
 も大活躍です。木管楽器が途中をつなぎ、トロンボーンのファンファーレが始ると
 金管楽器も賑やかに曲を飾り立て、小躍りをするように楽しそうな雰囲気で派手に
 エンディングを迎えて堂々と終わります。


愉快で明るい響きはとても楽しく聴ける一曲だと思います。トランペットの響きもさわやかに賑やかで楽しいこの曲なら、初心者にもオススメなんですが、CDの場合シベリウスの代表作である交響曲やヴァイオリン協奏曲と一緒に録音されている事が多いので、カレリアが目的だと他の大曲が聴きづらいかもしれません。
演奏時間も全3曲で15分前後ですから、一応聴きやすいんですがカップリングが問題かもしれません。

余談ですが、「カレリア」と言えば工藤静香さんが同名のCDを出していたのを何故か覚えています。「♪そう~♪わたしの~名前は~カレリア~♪」っていうヤツ。
確かチェロのイントロから始る曲だったと思うんですが、シベリウスとは全然関係無いと思います。


≪オススメCD≫
交響曲と一緒に入ってます。
シベリウス:交響曲第2番
フィンランド放送交響楽団, シベリウス, サラステ(ユッカ=ペッカ), ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団, カム(オッコ)
ワーナーミュージック・ジャパン

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≪こっちもカレリア≫
カレリア
工藤静香, 大貫妙子, 門倉聡, 後藤次利, 吉沢久美子, 愛絵理, 川村真澄
ポニーキャニオン

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【コレってどんな曲】
喜:☆☆☆☆★
怒:★★★★★
哀:☆☆☆★★
楽:☆☆☆☆☆

≪おすすめシチュエーション≫
いつでも明るくなれる曲だと思います。


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
シベリウス (けい)
2007-01-25 23:45:37
そうなんですよね、今年はシベリウス没後50年。
なんですけど、やっぱり昨年のモーツァルトのときみたいに大騒ぎにはならないんですよね、今のところ。せっかくだからテレビとかでも特番とかやってくれたら面白いのに、なんて思ってるんですけど、どうなるんでしょうか。
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グッド・タイミング (eyes_1975)
2007-01-25 17:25:03
という見出しになってしまいました。
これは2007年がシベリウス没後50年なので、かねてから記事を計画していました。ちょうどけいさんがこの曲を取り上げてくれたのでタイミングよくまとめることができ、トラックバックすることができました。
シベリウスのアニバーサリー・イヤーなのでぜひ彼の作品にふれて欲しいです。
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