写真

　お客さんが接待で中国の青島(チンタオ)へ行った時の事を話してくれた。
　外国人専用の高級ホテルでの話。地下にはバーがあり、50人位の女性が3列の段にズラッと並んでいて、気に入った女性がいたら上の部屋に来てもらいチョメチョメするとか。
　その中で気にいらなかったら50人単位でゴソッと入れ替わりまたお気に入りを探すらしい。
　彼は2順目でお気に入りを見つけ部屋でチョメチョメしたとか。コトが済んだ後、彼は写真を撮ったら彼女に注意された。
　女性「アナタ、ダメヨ！」
　お客「あ、ゴメン、ゴメン。写真、やめるよ」
　女性「ヤメタラダメ。ヘア、キレイニスルカラ、ジョウズニ、トッテヨ」
　彼女は貧困層であまり写真を撮ってもらった事がなかったとか。

　一句：カメラの前　身づくろいして　ハイ、チーズ

マスク

　新型インフルエンザの感染が大阪でも急拡大していて、あちこちでマスク姿を見かける。マスクをしないと入れてくれない病院もあるとか。だからマスクは品切れ状態だ。

　お客「今、マスクがどこも品切れらしいね」
　私　「そうや、俺も昨日、果物屋に行ったけど品切れやったわ」
　お客「なんで果物屋やねん」
　私　「マスクを買いに」
　お客「なんで果物屋でマスク売ってるねん」
　私　「以前にマスク入荷と書いたポスターを見たで」
　お客「それはマスク・メロンの事やがな。マスターはマスク要らんで、大丈夫や」
　私　「なんで？」
　お客「年寄りは免疫があるから、うつれへんて言うてたわ」
　私　「そういえば、高校生が多いなあ。俺とこのママが心配やわ」
　お客「なんでやねん」
　私　「趣味でセーラー服姿になるから」
　お客「ホンマかいな、それはないやろ」
　私　「ウソや。ちょっとしたギャグさ」

　一句：慌て者　口に眼帯　目にマスク
　　これをギャグでしたら面白いやろな

点数が出やすい曲

　女性客がカラオケ番付表に載せたいので、点数が出やすい曲を教えてと言ってきた。コツは色々あるが、出やすい歌手の曲、出にくい歌手の曲もある。
　
　私　「歌手にもよるで。女性やったらテレサテンか高橋真梨子の曲が出やすいわ」
　お客「高橋真梨子の曲やったら少しは知ってるわ」
　私　「そうやな、高橋真梨子やったら“for　you”がええわ」
　お客「歌い出しはどんなん？」　
　私　「♪涙をふいて～、よだれをふいて～、オシッコふいて～、」
　お客「♪お尻をふいて～」
　私　「♪綺麗にふけてなかったのでもう一度ふいて～」
　お客「♪えのきが出てきて～、、、私、女やで、どこまで落とさすのん！」

　一句：調子ノリ　オチがつかめず　落としすぎ

若い格好

　妻は私の服装に結構うるさい。オジン臭い私の服装にいつも苦言を呈している。
　たまたまテレビに映った南こうせつを見て、「見てみ、あんたと一緒の年代やけどあんな恰好してるやん。ピンクとグレーのチェックのシャツ。若いやん」
　「年代が一緒でも頭(髪)が違う」と私はフサフサの彼との違いを言う。「あ、そうか。アンタの頭(ハゲ)では若い格好は似合わんわなあ」と妻。そして「悲しいわ」と付け加えた。
　「悲しいのんは俺の方や」と内心つぶやいた。

　一句：若い服　着たいが似合わん　六十路(ムソジ)過ぎ

ケーキ

　客のAさんが「皆に分けたって」とケーキを持ってきた。パッケージは“りくろーおじさん”のだ。ここはチーズケーキが有名だ。

　私　「りくろーおじさんか、ここのんは美味しいねん」
　客A「りくろーはいつも行列やもんな。今日もだいぶ待ったわ」
　私　「りくろー(御苦労)さん」
　客B「私、チーズ嫌いやから食べられへんわ」
　客A「これ、チーズケーキと違うで」
　客B「へえ、チーズケーキ以外もあるんやね。どんなケーキ？」
　私　「フケーキ！」
　客B「よけい要らんわ」

　一句：不景気も　ケーキを食べて　ケーキ(景気)づけ

立ってる者は親でも使え

　今日はヘビー・スモーカーのお客さんが多く、店内は煙たい。

　ママ「A君、ちょっと後ろの換気扇のスイッチ入れてくれへん？」
　私　「お客さんを使(ツコ)うてどうすんねん」
　ママ「立ってる者は親でも使え、て言うやん」
　私　「ああ、それで俺を使えへんのか」
　お客「なんでや」
　私　「俺、(アッチが)立てへんからなあ…」

　一句：役立たず　あっちは立たんし　顔も立たん

出身の高校は？

　今日来た男性客のAさんは会話の中にやたらと四字熟語や諺を挟む。彼の語学力にママは感心した。

　ママ「Aさん、賢いね。エエ高校出たんと違うの？」
　私　「愛泉？」
　客A「それ、昔の女子高やん。俺は男やで、泉陽高校や」
　ママ「へえ、泉陽かいな。沢口靖子出身の有名な高校やん」
　客A「マスターはどこの高校？」
　私　「俺も誰もが知ってるとこや。親こうこう！」
　ママ「親孝行？嫁さん孝行もようせんくせに！」

　一句：嫁さんに　孝行したいが　金は無し

ミスチル

　30代後半の男性のお客さんが私の知らない歌を唄った。隣にいたポッチャリした女性客のM子ちゃんが曲のタイトルを知っていた。

　客M「これ“抱きしめたい”やん。エエわ」
　私 「“抱きしめたい”がエエんやて。誰か抱いたって」
　客M「手が届かへんで」
　私 「ホンマやなあ、太いもんなあ。それはそうと誰の歌？」
　客M「ミスチル」
　私 「みそしる？」
　客M「味噌汁と違う！Mr.Children、縮めて“ミスチル”や」
　私 「俺には難しい。“ミス・スル”わ」
　ママ「アンタ、しょうもない事ばっかり言うてたら“ミステル”で」

　一句：甲斐性無し　ミステないでと　すがりつき

こうもん

　水戸黄門のように長いアゴ髭を生やしているお客さんが来た。この大先輩は72歳にもなるのにアッチの方は現役だとか。

　私　「あだ名が黄門さんだけに立派な髭やな」
　客T「そうやろ、毎日入念に手入れしてるからなあ」
　私　「どんな手入れをしてるのん？」
　客T「リンスしてるねん」
　私　「えっ、髭にリンス？俺、頭でもせーへんのに」
　客T「マスターは髪の毛無いからリンスのしようがあれへんやん」
　私　「俺の頭より、Tさんのアゴの方がはるかに毛が多いなあ」
　客T「これで女のアソコをコチョコチョしたら喜ぶねん」
　私　「黄門さんみたいな髭で、肛門も攻めてるのと違うのん？」
　ママ「あんたら、やらしいなあ。それはそうと私、水戸黄門、長いこと見てないわ」
　私　「なんでや、去年、俺の痔の具合を見る時に肛門見たやん。みた肛門！や」
　ママ「去年は痔の手術に脱腸の手術にぎっくり腰と、アンタ、大変やったなあ」
　私　「まさに前門の虎、こうもん(後門)の狼やったわ」
※前門の虎、後門の狼＝一つの災難をのがれたかと思うと、引き続き別の災難がやってくることのたとえ

　一句：こうもんで　こうもン話が　広がるか

続・万引き

　私が一昨日、スーパーで万引きを目撃をした話をしたら、58歳の男性客もコンビニで万引きを目撃したと言っていた。

　お客「怪しいと思て様子見てたら案の定、レジ通さんと出て行った」
　私　「それからどないしたん？」
　お客「後(アト)ついて行ったら表の信号で立ち止まったので声掛けよかな思た」
　私　「どない言うつもりやッたん？」
　お客「上手い事やりはりましたなあと言うたろと思た」
　私　「何やそれ。注意をせんなアカンやん」
　お客「本当は注意しよ思たけど、思い留まってん」
　私　「何でや」
　お客「変に関わって刺されたらアホらしいし、それに…」
　私　「それに、どないしたん？」
　お客「俺の会社倒産したやろ。俺もなあ、いずれは万引きするかも知れんからなあ」
　私　「この不景気、切実やなあ」

　一句：この苦境　いずれ我が身に　ふりかかる？