チョイさんの沖縄日記

辺野古や高江の問題等に関する日々の備忘録
 

12月28日、辺野古・ゲート前でのスピーチ 「土砂投入の実態と問題点」

2018年12月30日 | 沖縄日記・辺野古

 12月28日(土)、辺野古のゲート前で挨拶し、現在の状況について話しをしたのだが、福岡から来られたFさんが、その内容を書き起された。

 ぶっつけの話なので少し気になる点もあるが、そのまま掲載する。

                    (写真もFさん撮影)

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 12月14日にとうとう土砂投入が始まったと、政府は強調しています。多くのマスコミも、もう後戻りはできないないと、そういうキャンペーンが続いています。今、私たちに必要なのは、県民をあきらめさせる思惑に負けるんじゃなく、事態がどうなっているのか冷静に分析することです。

 今、埋め立てが行われはじめたのは、辺野古側の2-1工区です。確かに面積は全体160ヘクタールの4%ですけど、土の量でいうとごくわずかです。今回の2-1工区で、今年の3月2日に契約された大林組など共同企業体との契約は、土の量は13万立方m。全体が2100万立方mの土砂が必要ですから、13万立方mというのはわずか0.7%弱なんですね。面積は確かに4%ありますけど、2-1工区が今回の工事で埋められたとしても土の量は0.7%弱でしかない。

 昨日、玉城デニー知事が話をされていたようですけど、まだその量であれば、確かに困難は困難ですけど、工事を止めさせ最終的に原状回復させることも不可能ではありません。自然の回復力というものに期待をしたいと思います。今回発注されている2-1工区の契約は20ヶ月とあります。永遠と続くわけですね。それが終わった段階でやっと0.7%の土砂が入るわけです。そう意味ではまだまだ事態は、私たちがあきらめざるを得ないとこまでは決して進んではいない。そのことをまず最初に確認したいと思います。

 もう一点は、ここに持ち込まれている土砂のことです。琉球セメントの安和桟橋から、沖縄県は12月になって2回にわたり、搬出・搬送の中止を求める行政指導を行いました。いろんな問題があるわけですけど、一つの大きな問題は、今運ばれている土砂。工事の設計書では「岩ズリ」となっているわけですけど、あれは一体何か?ということです。

 現地、安和の桟橋で、今はブルーシートで隠されていますけど、大量に積まれた土砂を見られた方は多いと思います。いわゆる、大量の「赤土」を含んだ土砂です。今回の埋め立て承認願書に付けられていた環境保全図書では、「埋め立てに使う岩ズリの細粒分含有率」・・・ちょっと難しい言葉ですけど、土の細粒分含有率とは、地盤材料(粒径 75mm 未満)に含まれる細粒分(粒径 0.075mm 未満)の割合をいいます。今回環境保全図書で防衛局が想定をしていた細粒分含有率は10%です。これは、「粘土」分がほとんどなくて、ほとんどが「砂」であることを意味します。細粒分含有率が50%を超えると、これは微粒子が非常に多いわけですから「粘土」に分類されます。15%より少なければ「砂」に分類されます。防衛局は、細粒分含有率10%の「砂」を持ち込むことを約束していたわけです。

 ところが、今回持ち込まれているのは明らかに「赤土」であり、「粘土」がほとんどです。沖縄県も防衛局に対して、事前の土壌検査の結果の提出を求めました。国会議員の伊波洋一さんも国会で追及されています。先日、防衛局が沖縄県に出した土砂の性状検査の書類を見て驚いたのですが、かなりの資料が、なんと2年半も前の資料なんです。2年半も前に検査をしたデータが今回持ち込んだ土砂のデータということで出されているのです。

 さらに、そこには、細粒分含有率が10%だとする検査の結果がついている。そのほとんどに、「粘土」でないような試験結果がデータとして付けられているのです。これはさすがに通用しない。沖縄県も21日に防衛局に対し、玉城デニー知事と土建部長と、二つの文書を出しました。「今運ばれている土砂が、この性状検査と同一のものとは思えない」つまり「別のものではないのか」という疑いが非常に濃厚だということで、沖縄県が現地に立ち入り調査をして、その土砂を沖縄県が持って帰って検査をすることを求める。それまでは、土砂の搬入を中止すること。搬入した土砂については撤去すること。と、そこまで書いた行政指導の文書を12月21日に出したんです。その回答期限が昨日(12/27)でしたけど、今日の新聞によると、防衛局は回答の延期を求めてきたそうです。

 また、検査資料データの作り替えとか差し替えとか、そんなことをやる時間が必要なのでしょう。いずれにしろ、今持ち込まれている土砂は、ぜったいに細粒分含有率が10%ではない。現に防衛局は、今回大林組などに発注した契約書に、特記仕様書というのがついているのですが、そこには岩ズリの規格が書いてある。なんと書いてるかというと、「細粒分含有率40%」と書いているんですね。防衛局自らが、細粒分含有率が40%、50%から「粘土」に分類されるわけですから、「粘土」に近い土砂を持ち込むように、業者に指示しているということです。

 あれほど極端に「赤土」に近い土砂で皆を驚かせて問題になったわけですから、国会の答弁でも、沖縄県に提出した性状検査のデータでも「いや、あの土は細粒分含有率10%だ」というふうに言い換えて取り繕っているわけです。しかしこれはもう通用しない。環境保全図書で10%になっているものを、工事の発注では40%にしているわけですから。環境保全図書の明らかな変更になります。変更には知事の承認が必要です。

 そういったことが全く無視されたまま、防衛局は勝手に環境保全図書の規格を変更して、赤土を大量に含んだ土砂を持ち込んでいるのです。2重3重に許せない。そういった事態が今、進んでいます。年が明けても、このことを中心に、まだまだいろんな攻防が続いていくわけですが、防衛局の工事強行の姿勢は変わりません。とんでもない手続きが明らかになっても、防衛局は工事を今のまま強行するでしょう。

 ただ、いずれこの工事は頓挫します。大浦湾の軟弱地盤の問題は、彼らにとって致命的です。ケーソン護岸とか大浦湾側の護岸については、今年度執行できないのは当たり前。来年もそれを予算計上できない。再来年以降になるわけです。ところが、軟弱地盤ということで、地盤改良が必要になると、これは公有水面埋立法に基づいた、沖縄県知事への設計概要の変更申請が必要です。デニー知事は再三にわたって、設計概要の変更が出てきても承認しないと明言してるわけですから、その段階で工事は完全に止まってしまう。

 それが分かっていながらも、防衛局は、辺野古側の埋め立てを進めることで、県民に「ああ、もうダメだ」「もう後戻りはできないからこれ以上反対してもダメだ」とあきらめを誘うことをねらってる。県民があきらめてしまえば、さすがの知事も、県民の支えがない限り設計概要の変更もやむを得ないということもありうるわけです。

 ですから。何としても、県民があきらめることなく、このゲート前、そして琉球セメント安和桟橋、3月からは本部塩川港からの搬出が始まる可能性が高いと思われます。海上での抗議行動・阻止行動も続けられています。いろいろたたかいが分散して、困難な状況を強いられていますけど、「いずれ工事は頓挫する」「辺野古新基地は、ぜったいにつくれないんだ」ということを確信して、ともにがんばっていきましょう。

 

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