イタリアまるかじり

料理を通じてイタリア文化探検する。

11月25日(木)格差社会の行方(寺島実朗講座ー多摩大)

2010-11-26 21:06:36 | その他
写真は2007年6月16日に奉公していたカラブリアのレストランから一泊二日で、シチリア旅行の写真。
パレルモのスラム街、写真を撮ったら子供にするどく拒絶されて何とか撮った一枚。

「格差社会の行方」同志社大 橘木俊昭 :小樽商大卒後京都大経済学部教授、07年より同志社大教授。

1.高度成長時代、一億総中流意識であったが20年程前から「格差社会」が叫ばれだした。
 OECD(経済協力開発機構)の貧困率(国民の間で何%の人が貧困であるかの指標);アメリカの17.1%
 についで日本は第2位の15.3%の貧困率の高さである。ちなみにOECD平均は10.7%、低い国
 ではデンマークの4.7%など北欧に多い。
2.何故日本で格差社会が、貧困率の大きい国となったのか?
 A.10~15年と言われる失われた年代とされる不景気は深刻、失業者の数も多く、賃金も下落。
 B.企業はリストラの一環として、パート労働者、派遣社員、契約社員などの非正規労働者の数を増やした。
  この数が全労働者の4割、正規労働者と比べ賃金、労働条件が相当劣る。
 C. 少子・高齢化と低経済成長→年金、医療、介護などの社会保険制度は負担アップと給付の削減策
  がとられ続けてきたので国民生活を直撃。
 D.高齢単身者、母子家庭、一部の若者の貧困が目立ってきた。
3.対策
 A.景気拡大時期でも享受したのは一部大都会企業だけで、中小企業、地方経済には効果が及んでいない。
  地方、中小企業の振興策はリーマンショックもあり、回復にいたっていない。
 B.職務給の導入:同一労働、同一賃金の思想。正規、非正規で差別をなくしたオランダの労使合意
  による賃金・労働条件決定方式は参考となる。
 C.非正規労働者全ての人に社会保険制度に加入する道を開く必要がある。(セフティーネット確保)
 D.最低賃金制度の充実策が必要。

 ・教育:OECDにおける日本GDPの教育費比率は最低で、過去教育費は国民にゆだねらていた。
  授業料を払えない学童が急増、教育の機会平等でなくなる。国が負担すべき。
 ・格差社会是正には「財源」が必要で、現行消費税を5%を20%にすれば年金は解決、他の教育、
  医療、介護などで更に5%アップの25%とする必要あり。
 ・ドイツメリケル首相は消費税20%を25%アップにすると社会保険制度は確保できる事
  数字をだして選挙公約として、当選。豪首相も同じ様な選挙公約で当選。
  日本は腰砕け、又国民にもドイツの様に選挙公約しても実行できないのではないかとの政治
  に対する不信感根強い。 

講義は決して歯切れは良くなく、回りくどく眠気をったが、こうしてまとめてみると分かりやすい。
普天間、尖閣、北方領土、北朝鮮問題と毎日外交問題に悩まされているが、「雇用」「雇用」
経済立て直しに政治家はおおいに努力してほしい。