
おとうさんとメダカを獲りに行った時、道端に初めて見る花を拾いました。その時
は、あたりを見回してもそんな花は咲いてもいないし、それらしき木もありません
初めて見る花だから気にはなったけど、まぁいいや・・という気持ちでその場に捨
てたんだけど、その日の夕方におばあちゃんにそのことを言うと、さっそく見に行
こうと言う。そんな珍しい花なら見てみたい・・というのだ。ずんずんずんずん歩
いて、途中姉が探したトウダイグサや私が気に入ったナツトウダイを見せながら、
そしてメダカをかいたヌタバ・・・その先で見つけた花が上の写真。おばあちゃん
の年季の入った指先に囚われると、非常に弱々しく見える。日本の花というよりは
南国育ちみたいな花です。「あ~あ~、これはあれや、ほれユトウ」「ユトウ?」
「この上に木があるはずや」見上げるとどう見ても葉っぱしかついていない木が一
本。「ユトウってどんな字?」「油になにやったかなぁ?戦時中、学校に行ったら
このユトウの実を、形がニンニクそっくりの実を剥かされるんや」「剥いて何する
わけ?」「その皮が剥きにくい(おばあちゃんは相当剥きにくかったことが重大だ
ったようでそのことばかり言います)。家に帰ってもまた剥くんや。父親が皮を
外してくれたのもあるけど、剥くんや」「で、剥いたのは?」「潰して絞って油を
採ったら、国に納めるんや。戦争中やろ、この木を学校で植えるように国から言わ
れたんやろなぁ、あちこちにあって。でもこんな木から油を採ってでも戦争続ける
んやから、先は見えているような気がした」と言っていました。帰ってきて調べて
もユトウはありません。で、もう一度おばあちゃんに確認したら「アブラギリ、
アブラギリ。油の桐と書くんや。だからユトウと間違えたんやな」そうかい、そう
かい・・。

どうやらこれはアブラギリというよりは、シナアブラギリではないかと思います
シナとつくから、昔中国からきたものなんでしょうが、油は食用ではなくワニスと
か、油紙に使われたようです。でもでも、このあたりでよくみるような葉っぱ。
花は見ないのに見かける葉っぱ・・ん?不思議だ。
シナアブラギリ