栗吉の出没するホテルに泊まって3日目となった。
とはいえ、うちから歩いて2分、ユースホステル形式で、若い人たちが沢山働いている。
みなさんが協力してくださっている。
私も簡単に家とホテルを行き来出来る。
栗吉が現れると、直ぐに電話を下さり、私はすっとんでいく。
優しい方ばかりで、とてもありがたい。
希望が見えてきたと思っていた。
昨夜も栗吉は、夜11時~午前5時頃まで、何度も出没し、その度に、私を見ては鳴いて、けれど、私との距離は縮めず、塀の向こうに消えていた。
今日の午後3時頃、仕事の合間に覗いてみると、栗吉がえさ場にいるのに再び遭遇した。
今回は、栗吉から離れたところに坐り、呼びかけながら、目は会わせずに、おやつを投げてみた。
栗吉は、鳴きながら、すこしずつ近づいてくる。
おやつをちょっと食べては近づき、ちょっと食べては近づき、あと30センチで手が届くというところで、異変に気がついた。
なんだか腐った匂いがする?
そろりと顔を地面につけて、栗吉を見上げてみる。
ああ・・・
前足の下を通ってたすきになっている首輪の隙間から、膿と血が見える。
よくみると、脇の下の毛は、なくなっていて、腫れ上がり、首輪の食い込んだ傷口が膿んで、じくじくと汁を悪臭を放っているのだ。
外からちらっと見たのでは、ぜんぜん分からなかった!
栗吉は歩いているから大丈夫だと思っていた!
怪我をしてから少なくとも3週間が経っている。
この状態で3週間経っていたのに、どうして保護出来なかったんだろう!
ああ、栗吉や、どうか戻ってきて。
獣医師に相談して、抗生剤と鎮痛剤を処方してもらう。
これを餌に混ぜたら、少しはましかもしれない。
けれど、苦い抗生剤を入れた餌を出したら、また栗吉は逃げてしまうかもしれない。
どうしよう。
そのとき、一本の電話が鳴った。
「こはる日和.」のローズマリーさんだ!
思い倦ねて、ネコの保護をされている、ブロガーのローズマリーさんにメールをしていたのだ。
(「福スケ」さまのアイディアだ。本当にありがとうございます!)
けれど、ローズマリーさんは、ネコの保護でものすごくお忙しい方だから、お返事を、まさか電話を、いただけるとは思いもしなかった。
優しいお言葉で、最適な保護方法を教えて下さる。
電話は30分以上にも及んだ。
よし!
分かったぞ!
必ず、栗吉を保護します!
私たちがどれほど勇気づけられたことか。
けれど・・・
私たちには、あまり家を空けられない事情があった。
ぷぅ吉という、20才近い愛猫がいる。
娘がとても可愛がっていたネコだ。
ぷぅ吉はご多分にもれず、ノラの出身で、10才を超えてから、ネコ風邪を発症し、以来ずっと定期的に獣医さんのお世話になってきた。
もう危ない、もう駄目かもしれない、と言われてから4年が経とうとする。
とても頑張ってきたネコなのだ。
けれど・・・
突然体調が悪化した。
昨日、夫が病院に連れて行ったけれど、もう出来ることはないという。
奇跡を祈るけれど、超高齢のぷぅ吉に、そんな無理を言ったらかわいそうなのかな。
おばあちゃんになるまで、本当に良く頑張ったね。
出来る限り栗吉を捜しながら、出来る限りぷぅ吉のそばにいる。
私のいない夜は、夫がぷぅ吉の様子を見ている。
どうしたらいいの!
ぷぅ吉の最後をみとるか、怪我が悪化している栗吉の保護に務めるか。
地獄の選択が始まった。
迷った挙げ句、ぷぅ吉を、ホテルに連れて行こうと決めた。
ぷぅ吉をホテルに連れて行くわ。
どうしてもぷぅ吉を看取りたいし、でも、栗吉も、今夜がとても大事だし。
夫が言った。
ぷぅ吉は、育った場所で死なせてやろう。
家に置いておかな可哀想や。
役割分担をせなあかん時がきたんや。
俺はぷぅ吉をみるから、おまえは栗吉をみてやれ。
私はホテルに戻った。
しばらくして、電話がなった。
午後11時40分、ぷぅ吉は亡くなりました。
私は、ぷぅ吉の死に、間に合わなかった。
とはいえ、うちから歩いて2分、ユースホステル形式で、若い人たちが沢山働いている。
みなさんが協力してくださっている。
私も簡単に家とホテルを行き来出来る。
栗吉が現れると、直ぐに電話を下さり、私はすっとんでいく。
優しい方ばかりで、とてもありがたい。
希望が見えてきたと思っていた。
昨夜も栗吉は、夜11時~午前5時頃まで、何度も出没し、その度に、私を見ては鳴いて、けれど、私との距離は縮めず、塀の向こうに消えていた。
今日の午後3時頃、仕事の合間に覗いてみると、栗吉がえさ場にいるのに再び遭遇した。
今回は、栗吉から離れたところに坐り、呼びかけながら、目は会わせずに、おやつを投げてみた。
栗吉は、鳴きながら、すこしずつ近づいてくる。
おやつをちょっと食べては近づき、ちょっと食べては近づき、あと30センチで手が届くというところで、異変に気がついた。
なんだか腐った匂いがする?
そろりと顔を地面につけて、栗吉を見上げてみる。
ああ・・・
前足の下を通ってたすきになっている首輪の隙間から、膿と血が見える。
よくみると、脇の下の毛は、なくなっていて、腫れ上がり、首輪の食い込んだ傷口が膿んで、じくじくと汁を悪臭を放っているのだ。
外からちらっと見たのでは、ぜんぜん分からなかった!
栗吉は歩いているから大丈夫だと思っていた!
怪我をしてから少なくとも3週間が経っている。
この状態で3週間経っていたのに、どうして保護出来なかったんだろう!
ああ、栗吉や、どうか戻ってきて。
獣医師に相談して、抗生剤と鎮痛剤を処方してもらう。
これを餌に混ぜたら、少しはましかもしれない。
けれど、苦い抗生剤を入れた餌を出したら、また栗吉は逃げてしまうかもしれない。
どうしよう。
そのとき、一本の電話が鳴った。
「こはる日和.」のローズマリーさんだ!
思い倦ねて、ネコの保護をされている、ブロガーのローズマリーさんにメールをしていたのだ。
(「福スケ」さまのアイディアだ。本当にありがとうございます!)
けれど、ローズマリーさんは、ネコの保護でものすごくお忙しい方だから、お返事を、まさか電話を、いただけるとは思いもしなかった。
優しいお言葉で、最適な保護方法を教えて下さる。
電話は30分以上にも及んだ。
よし!
分かったぞ!
必ず、栗吉を保護します!
私たちがどれほど勇気づけられたことか。
けれど・・・
私たちには、あまり家を空けられない事情があった。
ぷぅ吉という、20才近い愛猫がいる。
娘がとても可愛がっていたネコだ。
ぷぅ吉はご多分にもれず、ノラの出身で、10才を超えてから、ネコ風邪を発症し、以来ずっと定期的に獣医さんのお世話になってきた。
もう危ない、もう駄目かもしれない、と言われてから4年が経とうとする。
とても頑張ってきたネコなのだ。
けれど・・・
突然体調が悪化した。
昨日、夫が病院に連れて行ったけれど、もう出来ることはないという。
奇跡を祈るけれど、超高齢のぷぅ吉に、そんな無理を言ったらかわいそうなのかな。
おばあちゃんになるまで、本当に良く頑張ったね。
出来る限り栗吉を捜しながら、出来る限りぷぅ吉のそばにいる。
私のいない夜は、夫がぷぅ吉の様子を見ている。
どうしたらいいの!
ぷぅ吉の最後をみとるか、怪我が悪化している栗吉の保護に務めるか。
地獄の選択が始まった。
迷った挙げ句、ぷぅ吉を、ホテルに連れて行こうと決めた。
ぷぅ吉をホテルに連れて行くわ。
どうしてもぷぅ吉を看取りたいし、でも、栗吉も、今夜がとても大事だし。
夫が言った。
ぷぅ吉は、育った場所で死なせてやろう。
家に置いておかな可哀想や。
役割分担をせなあかん時がきたんや。
俺はぷぅ吉をみるから、おまえは栗吉をみてやれ。
私はホテルに戻った。
しばらくして、電話がなった。
午後11時40分、ぷぅ吉は亡くなりました。
私は、ぷぅ吉の死に、間に合わなかった。