ちいさなつづら

肩幅で暮らす。

伊予生糸の伝承へ!!

絶滅の危機にある文化、養蚕・製糸。その中でも、最高級品質の絹糸、「伊予生糸」は、日本の地理的表示保護制度の認証を受けています。養蚕農家、製糸技術者が減ってゆく中で、どのように後世に残して行くか、皆さんのご協力を得ながら、課題解決に向けて頑張ります。応援よろしくお願い致します!

根虫取り

2014-08-16 18:41:04 | 栽培の現場

 柑橘農家にとって、厄介な虫は数種類。


 いろんなタイプがいます。


 実を食害するもの、外観を悪くするものなど。


 そして、木を枯らすもの。



 カメムシは、大発生すると、みかんの実が全滅するという、恐ろしい虫ですが、木を枯らすことは、ありません。


 そもそも果樹カメムシは柑橘特有の害虫ではありません。戦後、政府の政策で、ヒノキの人工林を大量に造ったあと、森の所有者が管理せずに放置したことが原因ですから、人災なのです。(ですから、人工林の適切な管理が進めば、被害は劇的に減るでしょう)


 
 柑橘の最大の害虫と言えば、ゴマダラカミキリ。




 永年作物である、果樹栽培は、木を育てます。何十年という歳月をかけて。ある意味、林業に近いです。



 そんな、大切に育てた木を、いとも簡単に枯らしてしまうのが、ゴマダラカミキリ。



 20年育てた木が枯れたら、また植えなおし、また20年育てる。その時点で40年。


  とても気の長い農業です。



 さて、冒頭の写真は、ピアノ線の先端を、ペンチで曲げたもの。これで、ゴマダラカミキリの幼虫を駆除します。



 


 梅雨明け以降に羽化したゴマダラカミキリの成虫は、交尾をして、メスがみかんの樹の根元に産卵します。


 その後、孵化した幼虫は、みかんの木の表皮の下に潜り込んで、木質部分を食べて成長します。


 根元におがくずのようなものが出ていたら、これが、幼虫が食害した痕。フンです。





 先ほどのピアノ線を使って、ほじくりだします。

 
 なお、針金でもできますが、針金はコシがないので、一度曲げると固まり、折れやすくなるので、ピアノ線がベターです。


 


 思ったより浅い所にいました。処理完了。(写真はありません。)





 この木は樹齢およそ25年。まだまだ頑張ってほしいので、大切にしないと。








 一方、上の写真の木は、半分ぐらい食害されてます。こうなると、樹勢回復が難しい。



 一般的なみかん農園では、殺虫剤を使って、これらを駆除しています。うちは一切やりません。





 最近、無茶々園でも、農薬を使用する農家が増えてきました。無茶々園は、ネオニコチノイドも容認する構えを見せています。


 無茶々園の組織のうち、理事会がそのへんの提案をして、事実上決定権を持っています。これに対抗するのは、なかなか難しいことです。


 私は、無茶々園の、ネオニコチノイド容認に反対しています。



 消費者側も、どんどん意見を言った方がいいですね。


 
 


 おまけ写真。


 ニイニイゼミかな?農薬を使えば、これらの生き物たちの生態にも影響があることでしょう。そして、困るのは、人間。