ケガの話。

向こう脛って
皮膚、薄いのね

久しぶりに
30キロ超の
ポタリング

帰り道、
やっとここまで来たか！
と、気を抜いたら
ペダル踏み損なった

しゅんっと回転して
あがってきたそいつに
見事にヒットくらって
骨振動で脳天まで
痺れた

絶対切れたし
絶対流血してるけど
絶対見ない
ことにして

ペースだるだるで
なんとか帰宅

一息いれて
ムスメに
やっちゃったんだよねーと
見せると
さっさと消毒液を
ふりかけられた

消毒ってのは
どうしても
しみて泣きそうに
ならなきゃいけない
もんなのだろうか

科学の力で
誰かどうにかして
くれないのか

それとも
気を付けてもう二度と
ケガしないようにね！
とでもいう
指導のつもりなのか

ムスメは悶絶するハハに
お構い無く
傷口を凝視してる

チェーン？
ペダル？
あー、ペダルねー。

よく、人のケガなんか
ガン見できるな

子供の頃から
スプラッター的なものは
苦手だったが

妹らのケガの手当ては
私の役目だった

母が、私に輪をかけて
ケガ嫌いだったので

夕方、指など擦りむいて
帰宅しようものなら

やだ、やめて、夜はやめて
せめて昼にして！

わけわかんない拒絶

だから妹らは
ケガすると
まずは痛みのせいじゃなく
母が怯えることを恐れて
泣くのだった

だいじょうぶだから
おねーちゃんがやるから
ママには言わないから

って

そう言うとものすごい
悪事はたらいたみたいだな

ガッコウの
ほけんがかりなんて
絶対やらないし

看護士さんに
憧れたりもしなかった

トムソーヤは
友達のハックに
仕事押し付けようとして
オレの傷口見たくない？
って
言ってたけど

あのくだりは当時
意味がよくわからなかった

あ
今もあんまり
わかんないけど

ただ目の前に
なんか知らないが
きらきらした瞳で
ハハの向こう脛を
見てるムスメが

ばんそこ、貼る？
薬、塗る？

も、もう、いいよ

来週のツールド東北は
フルレングスのレーパン
持ってこう

オトナになっても
へたれな私が
コドモ時代と決定的に
違うのは
治るまでの時間だな