まくとぅーぷ

作ったお菓子のこと、読んだ本のこと、寄り道したカフェのこと。

チャリダームスメ、石巻60キロの旅。

2014-09-19 22:08:36 | 日記


6年前、週末休めるからという
たいそう不純な動機で
某部活を選択したムスメ。
なのに、出会った仲間はみんな素敵で
いまだに仲良く遊んでる。
そのなかに、アイビーがいる。

ヒナコちゃんという、
かわゆい本名があるにもかかわらず
なぜか愛犬の名前で呼ばれたがる
この女の子が
昨年家族で参加したという
自転車レースにムスメを誘ってくれたのが、この夏のことである。

アイビーママの実家がある宮城女川に
里帰りを兼ねて行くのだそう。
まずは抽選からなのだが
今年は3000人枠に6000人応募があり
惜しくもはずれたため
募金つきのチャリティーライダー枠で
参加することになった。
チームのボスはアイビーパパ、
メンバーはアイビーとムスメ。
アイビーパパは何度か
事前に山中湖練習にも連れていってくれ
レース前夜は自前のテントで
(見たことないくらい巨大だった!)
ムスメたちを休ませ、翌朝
万全の体制で繰り出したのだった。

だんなさまとわたしは、当日朝
イベント会場に乗り込んで
彼らのゴールを待ち構えた。
予定では、60キロコースの
ムスメたちは昼に
170キロコースのアイビーパパは
三時頃に帰ってくる。



会場の周囲を流れる
北上川とそのほとりの田圃の風景。
空は快晴。


てくてくと歩きながら
つい半年前には
ムスメが自転車乗りを
楽しむようになるなんて
あまつさえ、レースに
参加するようになるなんて
思いもしなかったなあ、と
考える。

ましてやそれに便乗して
ロードレーサーをこのわたしが
買っちゃうとは。


会場のなかを歩いていると
「なんか食べましたか?
ほたて絶品ですよ!」
などと、スタッフのおねえさんらが
にこにこ声をかけてくる。

往来では近所のひとたちが
老若男女、手をふって
レーサーを応援している。



ゴールゲートのすぐわきで
ずーっとタオルをふりまわし
「おかえりー!!」と
声をはりあげるおばあさん。

そうこうしているうちに
ムスメ到着予定時刻。
ゴール前の見通しよいところで
カメラ構えて待つこと
45分。。。




無事にゴール。おもったより元気。

休憩なんどもはさんで、
五時間半の旅。
ムスメは、途中で見た
崩壊した建物や荒れた景色、
旅を一緒にしたひとたちや
休憩所のスタッフたちとの
交流のあたたかさなど
興奮気味に喋っていた。

少し遅れてアイビーもゴール、
途中体調崩したとか。
テント外に出した椅子に座り
それでもわりと元気そうに
パパのスパルタチャリダーぶり、
趣味自由人ぶり、
ママのこと、
いまだ仮設住宅のおばあちゃんのこと
いろいろ話してくれた。

2011年3月といったら
ムスメは中学卒業したところで
そのあとの彼女の成長ぶりは
まいにち一緒にいるはずのわたしにも
目を見張るものがあるのに
この町が失ったものの大きさは
同じ年月をかけてもなお
修復しきることができない
だなんて。

比べればほんとに些細なことで
申し訳ないのだけれど
三年前、わたしのキッチンからは
炊飯器が壊れて消えた。
電化製品を新調するのは
はばかれられるような雰囲気だったので
以来、土鍋を毎朝活用している。
が、やはり不便なので
ビックカメラに寄ってくるかなー
などと、最近よく思っていた。

でも
やっばりこのままでいいかな。
それが誰かの何かのために
一切ならないのは
わかってるけど。


突然の雷雨に物思いから覚め
テントのなかに退避。
アイビーパパのゴール間際
またおひさまが戻ってきた。
みんなで出迎える。
170キロ、元気に完走。
坂道走り込みトレーニングが
ばっちり功を奏したそう。

ほんのすこしの休憩後
テントをみんなで撤収して
石巻駅まで送っていただき
電車で松島へ。
まだ線路が途切れている区間は
バスに乗り継いだ。


わたしも来年は、走ってみたいな。
変わったもの
変わらないもの
変わるべきもの
について
ゆっくり考えながら。