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まくとぅーぷ

作ったお菓子のこと、読んだ本のこと、寄り道したカフェのこと。

パーフェクトケーキ

2020-07-19 10:27:12 | お菓子作り
うちの師匠がとうとうオンライン教室業界に殴り込みかけることにした。

その話を聞いて巷にある動画を様々チェックしてみたら、どいつもこいつもアレなので悲しい気持ちになった。
これ見てこの通りにできると思ってキッチンで奮闘した結果惨敗したいたいけな視聴者をどうしてくれるんだろうか。
そもそも、お菓子は動画一回見て出来るってことじゃないと思う。正しいやり方を知って、何回も繰り返さないと。
しかも繰り返したところで間違えてたら意味ないので、そばで見てて「違うよ」って言ってくれる人がいないと。

というところを踏まえて、うちの師匠の戦略。ターゲットは小学生〜高校生くらいの子どもで、構成はいつもやってる教室のように、材料確認〜先生のデモ〜生徒の実習。
掲載はUdemyというサイトで、ここのいいところは広告宣伝をしてくれるところだそう。最初はプロに頼んで制作し、その後は自力で作って載せていく。

頼んだ映像作家さんは先生のお知り合いで、わたしはその方の奥様と「梅干し友達」。とても可愛いお子さんがいて、一時期ここの教室の生徒さんだった。当時アシスタント先生をやってたのが娘で、レッスン終わって帰宅したところを捕まえて「今日のゆーさんどうだった?」と聞くのが楽しみだった。「ザ・男の子だったよ。やっちゃダメってことはかたっぱしからやる。」素敵。

って話それたけどとにかくまずは絵を録って、その後アテレコするそうで、収録の日は手伝いに行った。集まったのは生徒役の子たち7人と、みなこさんと私。映像チームは3人で、スタジオのあちこちに太い三脚を立ててカメラや照明をセット。作るのは5種類、パートシュクレ、ジェノワーズ、パウンド、ガトーショコラ、シューアラクレーム。1種に1時間、バッファ30分で、9時から18時までの予定。

スタッフはみんな上着は白で統一しようというので、前日いつもお世話になってるユニクロで物色。襟付き七分袖のさらっとしたやつを2000円くらいで購入。そしたら先生とお揃いだったのでちょっとおかしい。先生のオレンジのカツラギ生地のエプロンがかっこいい。ナーバスになってる先生が「ピアスつけてたほうがいいかな、外したほうがいいかな」と高校生ちゃんに聞いてる。「つけたほうがいいです。」ズバッ。最近は迷うことがあると彼女らに投げかけてみるのが常の先生。「ジェノワーズとスポンジケーキだったらどっちの言い方がいいかな。」「デコ缶って言葉通じる?」ターゲット層が味方についてることの頼もしさったらない。

「こんにちは、松本美佐です。」イントロ部分は音と絵を同時に収録。子どもたちはサロンからガラス越しに師匠を見守る。うんうん、よしよし、とうなづきながら見てる子ども。参観日のお母さんみたい。

いつもレッスンをやってる作業台のスペースと、オーブン周りは撮影に使うので、計量はいつもキッズが試食に使ってる入り口すぐのテーブル。脇にサイドワゴンを置いても、油断するとものが溢れる。狭いからと思って最初はみなこさんと私だけがいたんだけど、せっかく来てる子どもたちにも手伝ってもらおうと徐々に呼ぶうちに結局全員がその場に集結。とにかく誰かや何かにぶつからずに動くのが大変すぎる。撮影のために材料を入れる素敵なガラスボウルを先生が買ってきたのだけど、数がギリギリで使い回すのに常に気が気じゃない感じ。自腹でもいいからもっと用意したかった。この冷や汗の出るような緊張感、6年前のレシピ本の撮影以来。

最初はカメラの調整などもあったので、パートシュクレが終わった時点で2時間経過してた。今晩帰れるのかな、と不安になる。型で抜いてオーブンに入れるところを録るはずが、私がいつもの調子で入れてしまって、後でもう一度そこだけ録り直すことに。高級シルパットも一枚だけなので、焼けたら外して洗ってクッキー抜いて並べて。心臓に悪い。
でもそんなふうにキリキリしてるのは大人だけで、子どもたちはみんな元気で楽しそう。今日が楽しみでしかたなかったんだって。お昼に先生が崎陽軒の焼売弁当を買ってくれて、みんな交代で食べた。一緒に食べた子たちに、最初にレッスンで作ったのは何?って聞いたら「お弁当」「焼売」「味噌づくり」。お菓子ちゃうやん。なんかあったら手伝おうと来てくれてたみさよさんが、「生徒役の子がみんなできる子だとリアリティないから、できない子も入れとこうってことで呼ばれたんだと思う、うちの子」っていうから、先生にそんな余裕微塵もないですよ、と笑った。実際、さゆりちゃんてばジェノワーズ担当だったんだけど、もう完璧に美しく作ってて、後で聞いたら「ジェノワーズ初めて作って楽しかった。」だって。怖いわまじで。そういうところが大人との違いだ。だって私だったら担当振られた時点で「えっ、あっ、それ作ったことないんですけど大丈夫ですか?」って言っちゃうもん。
そして一緒に食べた映像チームのお姉さんは、「お菓子作りって全然萌えない。」んですって。撮影してても、こんな面倒くさいことやるなんてすごいなー、と思ったと。そう、世の中お菓子星人ばっかりじゃないんだ。普段はこのサイズの撮影はスタッフ2名なんだけど今日は駆り出されて午前だけのお手伝いとか。土曜日も仕事が入ることはよくあるそうで、忙しそうだなあと思った。ありがとうございます。
「次、出番だよ。」と妹を呼びにくるまるちゃん。「まだ食べ終わってないから、替わってくれてもいいよ。あたしシュークリームやりたいし。絞り袋に入れるところが大好き。」とみるちゃん。「あんたシュークリーム作りたいからってゆっくり食べてるんじゃないでしょうね?」「違うよ、ほらいつもよりこんなに早く食べてるよ」「いつもどんなんか知らないし。あ、じゃあ次もあたしがやってその次もやろうかな。」「えーーーやだーーー。」結局食べかけを包み直してスタジオ入り。後でゆっくり召し上がれ。

カメラ位置の関係で、いつもは対面で見てる先生のデモを横並びで見てる子ども。いざ自分の番となると、粛々と作っていく。いつも通り、レシピを見るでもなく、何なら他のことに忙しい先生が貼り付いてなくても、あ、でもいつも別に貼り付いてはいないけど、さっき見た通りに作る。なんでしょうかこの安定感。多分、動画を見る人たちはこの子どもらの手元の美しさに驚くだろう。きちんと整理整頓された作業台や無駄のない動き。これがミサリングクオリティ。今日の子たちはこう言っちゃなんだけど精鋭メンバー、小さな頃から仕込まれてる生え抜きの子たち。彼女らがいるから、キッズレッスンで何が起きようとも平常心でいられる。大丈夫、この子たちも数年後にはああなるからってね。

最後のシューアラクレームが終了して時間は18時、予定を30分ほど押しての着地。試食の様子も撮るとのことでお茶を淹れる子どもたち。紅茶が濃すぎたと言っては笑い、ホットとアイスの数が分からなくなったと言っては笑う。試食の時は「お菓子習ってるっていうと、バレンタインの時にすごい期待されちゃうよね。何作った?」なんて話をしてた。うちの娘もシフォン4台焼いてカットして包んで大きな箱2つに入れて登校してたなあ。ラッピング手伝わされるの嫌いじゃなかったよ。そしてあっという間にあらかた食べ尽くされるお菓子の山。残りはジャンケン持ち帰り。「今年は周年祭やらなかったけど、今日は良かったねえ。」とニコニコしてるみなこさん。やっぱりこのスタジオには子どもが集まっておいしいもの作ったり食べたりしてるのが一番似合う。だからオンライン教室もいいけど、横浜まで来られる距離に住んでいるんなら、リアルで通うほうが断然いい。

後日先生が「フィルター」の話をしてた。例えば今の状況だと、ちょっと具合悪かったらお休みするというような常識を全ての人が持ってるとは限らないけど、うちに来てくれる人にはそういう心配がない。一番大きなふるいは価格設定だと思うけど(文明のマスターも同様なことを言ってた)、場の持っている磁力というか、先生の引き寄せというか、だから安心して対面での教室指導が出来ている。4、5月はお休みした人もいたけど理由はスタジオに来るのに電車に乗るのが不安だからというものだった。衛生管理も、別にいつも通りで何か特別なことを追加する必要なし。そもそも食べ物作るところだもんね。それにこれだけあれこれ規制だらけで先行きも不安ななか、月に一回とはいえずっといつもとおんなじ場所があることのありがたさったらない。お菓子教室まで取り上げられたら気が狂うわ。

ということで動画の編集第一稿が上がってくるのは来月半ば、アップは9月かな。まだまだ大変だと思うけど、先生がんばれ。

メモ☆マロンカップケーキ

2020-01-09 21:59:30 | お菓子作り
◆材料(8×5cmカップ 10個)

無塩バター 200g
グラニュー糖 150g
卵 4個
薄力粉 180g
ベーキングパウダー 4g
マロンペースト 500g

◆作り方

バターを柔らかく練って砂糖を少しずつ混ぜる

卵をひとつずつ混ぜる

ボウルを遠火にあてながら緩める

ふるった粉を少しずつ混ぜる

マロンペーストを柔らかく練り、生地を少し混ぜて緩める

生地にマロンペーストをマーブルに混ぜる

カップに分けて焼く 180℃40分

◆ストーリー

年末にどうしてもモンブランが食べたくて、イルプルの極上パートドマロンを1キロ仕入れた。
半量使ってクリーム作って、会社の納会に持っていって《絞りたてモンブラン》をみんなで食べた。
ものすごく満足した。

そして残った半量を使ってカップケーキにした。明日から富士スピードウェイで開催される「ママチャリグランプリ」に参加するだんなさまチームへの差し入れ。
同僚さんに、応援いくんですか?と聞かれて、にっこり否定した。真冬の富士のふもとで7時間耐久とか、見てたら凍るもの。。。だからこその超贅沢おやつ。二度と作れまい。




メモ 醤油とオレンジのシフォン〜第3回お菓子コンテスト出品〜

2019-10-24 23:49:51 | お菓子作り


17センチシフォン型

(材料)
卵黄 3個
てんさい糖a 27g
米油 48g
オレンジジュース 35g

薄力粉 72g
(ふるっておく)

卵白 3個
てんさい糖b 30g

醤油 15g
カラメルソース(出来上がりから15g)
 てんさい糖c 50g
 水 15g
 お湯 15g

ホイップクリーム
オレンジシロップ漬け
(カットしたオレンジをてんさい糖50gと水30gで
煮立てて作ったシロップに一晩漬ける。)
醤油カラメルソース
(残ったカラメル、醤油、片栗粉を合わせて煮詰める。)


(作り方)

・カラメルソースを作る。
 鍋にてんさい糖cと水を入れて火にかけ
 薄く焦げ色が付いたら火を止めてお湯を少しずつ注ぐ
 (跳ねるので注意)
 出来たら15gを醤油と合わせておく。

・卵黄ベースを作る。
 卵黄にてんさい糖aを入れてハンドミキサー羽根1本速度3で3分泡立てる。
 米油を3回に分けて入れ都度泡立てる。
 オレンジジュースを2回に分けて入れ混ぜる。

・メレンゲを作る。
 卵白にてんさい糖bの半分を入れてハンドミキサー羽根2本速度2で1分泡立てる。
 (ここでは大きな泡をたくさん作るのでミキサーも早く回す。)
 速度3で2分泡立て、残りのてんさい糖を入れて40秒泡立てる。
 (ゆっくり大きく回す。)

・メレンゲに卵黄ベースを一度に入れてエキュモワールでゆっくり混ぜる。
 7分ほど混ざったらふるった粉を6回に分けて少しずつ混ぜる。

・型に生地の2/3を入れ、残りの生地に醤油カラメルを混ぜて型に入れ
 竹串でぐるっとマーブルにする。

・170度40分焼成 焼き上がったら瓶に逆さまにさして冷ます。

・カットしてホイップクリーム、オレンジを添えて醤油カラメルソースをかける。





オレンジの爽やかな香りと醤油のふくよかな香りが合わさって
不思議と温かく懐かしいような香りになります。
ふんわりきめ細かいシフォンにホイップとカラメルソースが美味しい。

しかし。
コンテストでは入賞しませんでした。
得点も、平均して1.5くらいかな。
出品数が6だから、10点を振り分けると
3/2.5/2/1.5/1 っていうのが多数派だと思うので
ビリか5位だったと想定されます。
マジか・・・。

入賞ポイントを分析するに
・プレゼンの仕方
 細やかな心配りや使ってる素材のこだわりを余すところなくアピール。
・醤油感
 いやこんなに使ったらしょっぱいよ。っていうくらい醤油が全面。
・意識高い系
 グルテンフリーだのビーガンだの。

ってちょっと負け惜しみ入ってますが。

そして、意外だったのが技術のクオリティに対する評価が
そんなに高くなかったこと。
普段お菓子を作らない人にはそれが見えにくいのかも。

あ、でもそれは去年も感じたな。意外でもないのか。

来年はそこらへんも踏まえて
頑張りたいと思います。目指せ優勝。

2019年8月のacorneレッスン

2019-08-23 13:59:53 | お菓子作り

夏休みって響き、いいですね。

わたしの夏休みは5日分。
好きな日に取ってよいのです。
今日は3日目、11ヶ月振りに
アコルネさんへ行ってきました。


可愛いあさがお模様の浴衣と
涼やかなバッグ、草履、日傘と
カラフルなヨーヨーのセットです。
帯留めもデコラティブで
若いってすてき。。と
つい、遠い目。

目といえばもう細かいものが見えないので
だんなさまがプラモ作るときに
使ってるルーペを持っていきました。
金魚の目玉を入れるのにとてもよく見えたのです。

あこちゃんが、お教室備品にしようかしら、と言ってました。
ま、あと10年後くらいにね。


あこちゃん、様々なものつくりの方が集まる展示会への出展が決まってるんだけど
まだアイディアが固まってないんですって。 
だいじょうぶ、まだ9日もある。
でもまあレッスンしてる場合でもないかな。

それにしても、あいかわらず
あこちゃんのクッキーは
美しくて可愛くて気持ちが上がる。
そして久しぶりに来ると
いろんなことがバージョンアップしてて
素晴らしいのです。
顧客満足度でアコルネさんの
右にでるものはないんじゃないかなぁ。


ほぼ定刻にさくさく終了し
素敵なスイーツつきのお茶を楽しみ
あこちゃんが近頃夢中な
ストレングスファインダー話で
盛り上がり
あっという間の楽しい時間でした。

あこちゃん、ご一緒したみなさん、
ありがとうございました。

3月のフランス菓子研究所 タルト・フリュイ・セック

2019-03-02 13:28:21 | お菓子作り


ところでみなさん、フィグは黒派ですか?
それとも白派ですか?

フランス菓子の生徒さんには黒派が多いようです

わたくしあまのじゃくなので白派です

長年やってるとすききらいがバレバレなので

ちかさん、ブリゼですってよ、だいじょうぶ?
ちかさん、ピスターシュですってよ、どうする?

と、様々お気遣いいただきます

だいじょうぶですよー

今回は生クリームと蜂蜜を
いいかんじに煮詰めるのが
ポイントです
そしてそこに
オレンジフラワーウォーターという
オレンジのお花から採った
香料を入れます
これがとても効くのです

ころころにカットした
黒フィグとプルーン
ピスターシュ
ラムレーズンを
空焼きした薄いブリゼに
敷き詰めて
煮詰めた生クリームをかけ
焼くこと18分

ふつふつ沸いてる
ブラウンクリームカラー
のぞいてるフィグのかんじが

キノコクリームグラタン

みたいねー
と評判です

ねっとり蜂蜜の風味
オレンジが華やかに調和して
ドライフルーツの奥行きと
ピスターシュのアクセントが
とても素敵なタルトです

今日の試食の話題は
美味しい(おいしくない)
ケーキやさん

デパートの地下で売ってる
イチゴショートなんかの
クリームが純白なのは
純生クリームじゃないから
ですし
でも、まっしろくなきゃ
売れないから
コンパウンドいりなのです
それって不思議だなー
そもそも、世の中には
コンパウンドいりの
あの味が
ケーキのクリームの味だと
信じてるひとが
たくさんいるのかなー

美味しいケーキ食べたかったら
じぶんですきなように
作るのがいちばん早いかも
しれません

作るのめんどくさいひとは
大和にいって
atelier 結心さんで
買ってねー(*^^*)

松本先生、ご一緒したみなさん、
楽しいレッスンありがとうございましたー