雲のむこうはいつも青空

まったりもったり~自閉症息子のいる暮らし@ちびくまママ

海津敦子さんの本

2008年08月12日 | 「発達障碍」を見つめる眼
息子が診断を受けたばかりの頃、アメリカの図書館で探しても
自閉症の本なんてほとんど置いてなくて、
バーンズ・アンド・ノーブルという有名な大型書店へ行ったら
1つの本棚に20冊ぐらい自閉症の本が並んでいて感動したことがありました。

日本の本屋さんでも、最近では1つの書棚全部が自閉症関連、なんて
すごいことになっていたりして、ほんの10年ほどの間に
時代はずいぶん変わったのだなあ、なんてしみじみしてしまうのですが

読んでみたい本が次から次へ出版されるのに
財布の中身が追いつかないので、最近は図書館を利用することが
多くなりました。幸い、うちの市の図書館は自閉症関連が
とっても充実していて、ニキ・リンコさんの著書もあるし、
「光とともに・・・」なんかも全巻揃っています。

そんな中で、私が一目置いているのが、海津敦子さんの本です。
海津さんはご自身も障碍を持つ子どものお母さんなのですが
いわゆる「母物」ではなくて、ジャーナリストとして
一歩も二歩も引いた視点から、冷静に「発達に遅れを持つ子ども」を
持った親の心の在り方や彼らを取り巻く状況を分析し、

その中から「その子にとって本当に幸せな人生とはなんなのか」を
見つめようとする真摯な姿勢が読み取れます。

自分も「とことん・・・」で手記を書いておいてなんですが、
「私はこんなに頑張った」
「私はこんなに子どものことをわかっている」
というニオイのする「親もの」には
どうも「うーむ」と思ってしまう私には

当事者としての気持ちや生活を持ちながらも、自らの「思い」に
振り回されることなく、しかもどんな姿勢の親についても
「非難」の色なく淡々と書き進めてある彼女の本は

そのクールさがとても心地よく、息子が小さい頃にこういう本が
あったら良かったなあ、とよく思います。

我が子に障碍があるのでは、と疑い始めた頃から、診断を受け、
それを「現にそこにあるもの」と見つめることができるようになる
過程について書かれた「発達に遅れのある子の親になる」、

障碍のある子の就学先選びについて書かれた
「発達に遅れのある子の就学相談」、

どちらも日本評論社から出ています。
特に、「障碍、それとも個性?」と揺れることの多い方、
これから幼稚園・保育園・小学校・中学校を選ばれる方に
お勧めしたいと思っています。



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