雲のむこうはいつも青空

まったりもったり~自閉症息子のいる暮らし@ちびくまママ

転地学習の効果?

2007年06月05日 | 楽しい学校生活
さて、「おうちでゆっくりしたい」との希望通り、土日は
特に外出もせず、家でテレビを見たり、ビデオを見たり、
パソコンをしたり、と好きなことをしてゆったり過ごしたちびくま。

昨日はすっきりと目を覚ましてトーストをほおばり、
「行って来ま~す」と明るく出て行きました。
朝一は全校集会、そしてその後は学年集会。これは転地のときとは
違って、やはりクラス集団の最後尾に並んで参加したようです。

さらに、それに続いて、交流級では転地学習の事後指導ということで
学級活動(学活)の時間があります。
さすがに3つ続いてはしんどいだろうということで、K先生が
「学活は行かなくてもいいよ」と声をかけたところ、
自分から「ううん、行くよ」と言ってさっさと教室を出て
交流級に向かったようです。
そして、1時間の最後まで参加して帰ってきました。

今朝も、これまでは参加してこなかった交流級の体育の授業に
「行ける。頑張れる」と言って自ら参加。
「ちょっと頑張りすぎなんじゃないか」と心配してくれたK先生から
「おかあさん、どうしましょうか?」と相談の電話をもらいましたが

新学期の頃の、「中学生になったのだから頑張らないといけない」
「交流級に行かないといけない」「みんなと同じようにしないといけない」
という強迫的な頑張りなのではなく

多分、転地学習の間、「皆と同じにはできない自分」がみんなに
受け入れられていること、それでも応援しようとしてくれる先生や
同級生は沢山いることを実感できたので、「じゃあ、あっちでも
頑張ってみようかな」という気になってきたのではないか、と
お返事しました。

一見その力がありそうなのに、仲間と同じように出来ない子を見ると、
周りはどうしても「頑張って」と「励まし」てしまいがちです。
あるいは、「どうしたら頑張れるか」を考えて、視覚支援やSSTと
いったテクを駆使して、「頑張らざるを得ない環境づくり」まで
やってしまうことさえあります。

でも、周りがある程度見えてきて、「皆とは同じでない自分」
(だって生まれつき神経のつくりが違って、ものの感じ方が違う
わけですから)に気づき始めた子どもに

「頑張って」「皆と同じに」と励まし続けることは、逆に言えば
「今のあなたは容認できない」「きみは不完全だ、間違っている」という
メッセージを送り続けることにも等しくなるのではないか、と
思うのです。

K先生が早い時期にそのことに気づいて、とにかく「素のままの
君でOKなんだ」というメッセージを送り続けてくれたことで、
息子はK先生を心理的な基地にして転地学習に臨み、
そこで受け入れられた経験から、交流級へも自ら足を踏み入れてみる
決心がついたのでしょう。
外見的には参加している内容や時間は新学期の頃と大して変わりませんが
そこに臨む本人の気持ちは、きっと大きく違っているはずです。

自閉っ子の特性を生かした支援テクニックは、その子を
「頑張らせる」ために使うのではなく、
まずは本人の「支援してくれる人への信頼感」と「頑張りたい気持ち」を
育て、その上で「頑張りたい気持ち」を応援するための手段として使って
初めてその子にとって意味のあるものになるように思います。

さて、1時間目、思いっきり「頑張ってきた」(本人談)ちびくま、
すっかりエネルギーを消費してしまい、2時間目以降の障級での課題を
自己申告で減らして調整したようです。(笑)
それでも、6時間目の技術の時間は、また自分から交流級の授業に
行くと申し出て、得意のパソコンスキルを披露してご満悦。

「転地学習を交流級での活動に対する心理的な入り口にする」という
目標は、達成できたと思って良さそうです。

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