雲のむこうはいつも青空

まったりもったり~自閉症息子のいる暮らし@ちびくまママ

だるまさんがころんだ

2006年06月10日 | adorably autistic
今日は教育大での個別指導の日。
自分の体との付き合い方が苦手なちびくまは、運動面を中心に
指導を受けています。

さて、先だって受けたK-ABCというテストで、どうやら
左右の概念がまだあいまいなのではないか、と考えた院生先生、
今日は新しく体の部分を認識するゲームを考えてくれました。

それは、「だるまさんがころんだ」。

普通の遊び方ではなくて、鬼が「だるまさんがころんだ」のほかに
「だるまさんが右手をあげた」「だるまさんが左足をあげた」などと
指示を出して、そのとおりにするというもの。

大人と遊ぶのが好きなちびくまは、沢山の院生先生たちと遊べるので
ご機嫌でゲームに参加します。
でもモニター越しによく観察していると、やはり指示から1拍遅れて、
周りの先生たちがするのをまねて動いています。
聴覚認知は決して悪いほうではないのに、耳から聞いた情報だけでは
体は動かせないんですね。

先生たちの指示は「だるまさんがジャンプした」
「だるまさんが上を見た」といろいろバリエーションが増えてきました。

ひととおりの指示がすんで、鬼役の先生がもう一度
「だるまさんがころんだ!」と言ったところ、


そこでころんでいる息子がおりました。

「ここ。」

2006年05月23日 | adorably autistic
夜、ダイニングテーブルでノートPCに向かっていると
背後から「おか~さ~ん」と呼ぶ声が。
振り返ってみると、隣の和室の押入れの中の畳んだ布団のうえに
寝そべってにこにこ笑っている息子。

「ちょっと、ちびくまくん、どこに入ってるの」と言った私に
息子は笑顔で答えたのでした。

「ここ~♪」

…はい、おっしゃるとおりです・・・。

ちびくまのゴールデンウィーク

2006年05月08日 | adorably autistic
やれやれ。やっと大型連休終わりですね。
今年の息子、「ちびくまくん、どこへ行きたい?」の問いに
「おでかけしない。ちびくまくんは、おうちでゆっくりするのがいい」

いつもはこの質問でやりたいことが引き出せるのだけど、
なんか伝えにくいことでもあるのかと思って、
それらしい選択肢を示してみたり、筆談にしてみたり
工夫はしてみたのですが、やはり答えは
「おうちであそびます」

去年まで結構頑張って外出していたんですが、
学校生活を通して年中行事を理解してきた息子、
「この時期にどこかに行くと、人も車もいっぱいで
 行列を我慢しなければならない」ことが
わかってきて、あえてそれを避けたのかもしれません。

そこまで言うならばそれを尊重しましょう、と
5連休の間、とうとう家から外へ出たのは、向かいのスーパーへ
買い物に行ったのと、最寄の駅前のスーパーまで
往復歩いて行ったのとだけになりました。

本人はそれでも特に退屈した様子もなく、いつもと同じように
インターネットをしたり、教育ソフトで遊んだり、
テレビを見たり、ビデオを見たり、絵本を読んだり、と
楽しそうに遊んでいました。

まあ、こういう時間を自分で選んだ活動で楽しく過ごせる、というのも
将来に向けては大切なスキルかもしれないですね。

後から考えてみれば、担任をはじめ、周りの環境が大きく変わったこの春、
パニックやこだわりでストレスを発散しなかった分、
本当に「おうちでゆっくり」したかったのかもしれません。
十分に英気を養ったのか、今朝はまた、元気いっぱい
学校へ飛び出していきました。

はだ市

2006年04月15日 | adorably autistic
とあるテストを受けていたちびくま、

「ちびくまくん、『はだし』ってどういうことかな?」と問われて
しばらく考えたあと、

「なに県にあるの?」と訊き返したそうです。

先生と2人で大笑いさせていただきました。
さすが我が息子。

そういえば
「靴下を脱いでね」と指示を出したことはあっても
「はだしになってね」と言ったことはなかったような気がします。
生活のなかで触れている語でないとわからないんですね。

神戸空港

2006年04月14日 | adorably autistic
今日は学校をお休みして、朝から息子と神戸へお出かけ。
中学進学の教育相談に使う予定の診断書をドクターに書いて
いただきました。

そのあと、とんぼ返りすれば給食に間に合う時間だったのですが
昨日本人に確かめると
「とちゅうからがっこういかない。こうべくうこういきたい」

実は前回受診の予約を取っていたときは春休みだったので
受診のあと新しくできた神戸空港を見に連れて行ってあげるよ、と
約束していたのですが、ちびくまが吐き下しの風邪にかかって
しまったので、キャンセルになっていたのです。

ちびくまとしては約束していたのに行けなかったところ、として
心残りなままだったのでしょう。自閉っ子の心残りは
できるだけ早く納得いく形で解消しておかなきゃ。
そこで、前回の予定と同じように、診察が終わったあとは
神戸空港へ行くことにしました。

神戸市営地下鉄とポートライナーを乗り継ぎ、空港に着きます。
3Fのガラス越しに少し飛行機を眺めてから、昼食を食べる候補の
お店を見て回ります。ちびくまは例によって
「ちびくまくんはカレーライスのおみせにします!」と言うので
滑走路に面した洋食レストランに入ることにしました。


ちょうどお昼時なのでレストランには行列ができていましたが
これも私が並んで、息子は私が見えるところで待っています。
席に案内される少し前に声をかけると、ちゃんと来ました。

テーブルについて、オーダーをし、料理が運ばれてくるまでの間
息子は席で伸び上がって飛行機を見ています。
お天気はあいにくの曇り空で、海もグレーに見えましたが
滑走路のすぐ向こうを行きかう船の姿も見えます。

それに飽きると、こんどはテープルに用意されたカトラリーを
1つ1つ取って、
「おかあさん、もんだい。これはスプーン、これはフォーク、これは?」
「えーーっとねえ、なんやろ。のこぎりやったかな?」
「ブブー。ちがいます。これはなんでしょう?」
「えーーとねえ、それじゃあ、ストロー」
「ちがいます。おかあさん、これはナイフです」
しょうもないボケですが、これで結構時間が稼げます。

まもなく、料理が運ばれてきました。
自宅ではいまだに手づかみ・うろうろ遊び食べなちびくまですが、
一歩家を出ると、ちゃんと席についたまま食事をし、
箸やカトラリーを使います。
本人もちゃんと家と公共の場の違いはわかっていて、
外では頑張っているのです。

途中で飛行機が目の前で離陸すると、その場で立ち上がって
手を振ってたのですが、これはまあご愛嬌ということで。

食べ終わった後は展望デッキに上って、フェンス越しに飛行機を
見ます。ちょうど時間帯が良かったのか、離陸も着陸も
2機ずつ見ることができました。

空港を堪能したあとは、直通バスで1時間強かかって帰宅。
その後療育センターまで飛んでいきました。
早速先生に「こうべくうこうへいきました」とご報告。
開港のニュースを見て以来、「行きたい」「行きたい」と
繰り返していたくらいなので、やっと念願かなって嬉しかったのでしょう。


それにしても、ちびくまを連れて外出するのは本当に楽になりました。
学校でこまめに外に連れていってくれていることもあるでしょうし、
やはり昨年秋の東京旅行の経験が大きな成長につながったようでもあります。

アメリカにいた頃にこれくらい落ち着いていたら、
もっといろんなところに連れて行ってやれたかもしれないなあ、と
ちょっぴり残念に思ったりします。


自信

2006年03月31日 | adorably autistic
ちびくまは、11才になった今も「おかあさんといっしょ」が
大好きです。いや、「今も」というより、「だんだんおもしろさが
わかってきた」という感じ。
精神年齢的には今ちょうど4、5歳っていうところなんでしょうね。

さて、今は春休みなので、総集編のような感じで、全国の
ファミリーコンサートの様子をやっています。

このコンサートって、最初に歌のおにいさんとおねえさんが
「みんな~、こんにちは~!」って呼びかけるところから
始まるんですが

この場面で、息子はテレビの前に正座して
「こんにちは~!」とお返事しております。(笑)

でもって、
「おかあさん、おかあさん、ちびくまくん、ちゃんとごあいさつできた!」
と大得意。もちろんこういうときは大真面目に
「ホントだ~。ちびくまくん、ちゃんとごあいさつできてお利口だね!」
と褒めることにしています。

本人が「できた」と感じているときに、すかさず寄り添うこと、
それを私はずっと心がけてきました。ちょっとした否定や失敗で
すぐ「世界の終わり」になってしまう息子に、
「自分はここにいていい子ども」「自分は母に認められ愛されている子ども」
だと感じて欲しかったから。

さて、司会のおにいさんとおねえさんが「ぐーちょこらんたん」の
キャラクターを呼ぶときには、
「おかあさんもいっしょによぼうね」と言われて
母子一緒に
「スプー、アネムー、ズズー、ジャ~コビ~」
と呼んでおります。(四十路になって何やってんだか
まさに「おかあさんといっしょ」ですね。

「おかあさん、ちびくまくん、じょうずによべたでしょ?」と言う息子に
「ほんと。じょうずだねえ」
息子はご機嫌です。
「おかあさん、ちびくまくん、おへんじもじょうずにできる。
 ごあいさつもじょうずにできる。
 ちびくまくんはおりこうだから、6ねんせいもがんばる!」

もう、新学期に向けて、やる気はばっちりでございます。

でも、これをテープレコーダーに録音して、一日何回もやらされるのは
いくら目に入れても痛くない息子のこととはいえ
正直言ってかんべんしてほしかったりもする母です。

ギャンブラー?

2006年03月29日 | adorably autistic
今日の午前中、息子はガイヘルさんとお出かけ。
近くの県立公園で、雪がちらつく中(3月末なのに)、3時間フルに遊んできました。

子どもが楽しく遊んでいる間に、息子がいてはできない用事
(主に電話と掃除)を片付けられるのは、ほんとにありがたい。
でも、これも来月からは一律1割負担になるので、経済的に
とっても痛いんですが・・・。

まあ、それはさておき。
帰ってきて昼食を済ませた息子、いそいそと
「きょうはすいようびだった」と言いながらTVのチャンネルを
変えます。見ると、そこに映っているのは競艇。

「ちびくまくん、なに見てるの?」と訊くと、
「きょうていだよ~」

・・・わかってるんかいな

「おかあさん、けいりんはかようびなんだよ
・・・・・・。

「ちびくまくん、競輪って何か知ってる?」
「じてんしゃだよ。すうじついてるの

なるほど。数字がついてるのがいいわけですね。

でも、土日には競馬中継も「おうまさん」なんて言って
喜んで見てるんですけど~。
大人になってギャンブラーになったらどうしよう。
いや、ひょっとするとその筋で才能を発揮したりして。<違




いかなご

2006年03月28日 | adorably autistic
私の出身地・神戸の春の風物詩と言えば、「いかなごの釘煮」です。
いかなご、という小さなお魚をしょうゆ、みりん、ザラメ、しょうがで
炊いた佃煮で、神戸のおばちゃんなら春には必ず作るもの。
2月の下旬から3月にかけて、神戸近辺のスーパーやホームセンターでは
「いかなご」コーナーが出来、佃煮用のでっかいアルマイトなべが
並んだり、定番の調味料がセットになっていたりします。
魚屋さんやスーパーの魚売り場には「今年は○月○日解禁」の
張り紙がされ、昼網の入荷をまつおばちゃんたちの行列が
できたりします。

1人で何キロも炊いて、一族郎等に送りつける人も多く、
この季節には運送業者さんが「いかなご便」なんてサービスも
はじめるくらいです。

今年も我が家にも私の実家から今年の第1便が届けられました。
これが来ると、「ああ、春だなあ」という感じがします。
息子のご飯にのせてやると、大喜びで食べました。

さて、今日の夕方、息子と2人で向かいのスーパーへ買い物に
行った時のこと。

それまで私について歩いていた息子が「あっ」と小さく叫んで
魚売り場に走っていきました。
私は「何か気になるもんでもあったのかなあ」と思いながら
別のものを買ってから、息子を探しにいきました。

そこには、魚の冷蔵ケースの前で嬉しそうに踊る息子の姿が・・・。

実はこの「いかなご」の宣伝ソング、というのがありまして・・・
魚売り場のいかなごコーナーにわざわざテレビデオを置いて
この宣伝ビデオが流れてたんですね。

広告のジングル、とか、宣伝ソング、とかはもちろん
人の耳に残るものでなくては意味がないのでしょうが

それに人一倍反応してしまう、わが息子。

ちなみに、今回の歌はこれ
この季節、あちこちのスーパーで流れています。

ホットケーキ

2006年03月20日 | adorably autistic
17日、母がセンター校移設の説明会に行っている間、
息子は障担と一緒に件のF小へ交流に行ってきました。

今回は障碍児学級での「おたのしみ会」と地区児童会への参加。
F小障級での「おたのしみ会」は「たのしめない会」になることが多く、
ちょっと心配だったのですが

今回は和太鼓とホットケーキ作り、というメニューが良かったのか
楽しんでこれたようです。

息子が赤ちゃんのころは、野菜ペーストを混ぜ込んだホットケーキなどを
よく作ったものでしたが、いつのころからかケーキ類をガンとして
食べなくなったので、家ではここ数年ホットケーキを作ったことは
なかったのですが、今回、随分気に入ったようで、帰ってくるなり

「おかあさん、ホットケーキおいしかったよ。こんどはおうちで
 いっしょにつくろうか!」
「そう、おいしかったんだ。よかったね。じゃあ、また今度
 お家でも作ろうね」
「おかあさん、ホットケーキをつくるのはなんがつなんにちのおひるごはん?」

…出た…。

「じゃあねえ、卒業式を頑張ったご褒美に、23日のお昼ご飯にするのはどう?」
「やったあおかあさん、ホットケーキはえいごでは
 pan cake だよね

…いやもちろん、そのとおりなんですが・・・英語でなんというかは関係ないやろ。

…というわけで、それ以来息子は
「23日のおひるごはんはホットケーキ」と一日中
繰り返しながら過ごしております。

「嫌い」と「苦手」

2006年03月02日 | adorably autistic
「だめ」「やめて」といった否定的な言葉に
過敏に反応する自閉症児は少なくないですが
ちびくまもまたその1人です。

まだ障碍がわかるずっと前から「だめ!」なんて言うと
どんなに軽い調子や小さい声で言ったとしても
ひどく怯えて大声で際限なく泣いてしまう、そんな子どもでしたから
大きな声を出して叱るようなことはできませんでした。

そういう姿勢が「母親がしつけをしていない」とまわりから
見られる原因にもなったのでしょうが。
なにしろ、夫までそう思っていて、長年私を非難し続けたのですから。

それはさておき。

私たちの住んでいるマンションでは、定期的に各戸内の
火災報知機の点検があるのですが、昨日もまた
その案内が入っていました。

息子はそれを見るなり、
「ちびくまくんは、しょうぼうせつびのけんさがにがてだから
 ちびくまくんがおでかけしているあいだにしてもらうのがいいね!」

「そうだね、ちびくまくんは消防設備の検査、嫌いだもんね」
と言うと、
きらいじゃないの、にがてなの!」

うーん、最近うすうす感じてはいたのですが、どうやら息子は
「きらい」という言葉は使いたくないらしいです。

「悪い」「間違った」「嫌い」こういう言葉を断固として
避けようとする息子。
子どもの前では否定的な言葉を使わないようにしてくれる
先生たちの影響もあってのことと思いますが、
こうした言葉の選び方も、息子に対する「優しい子」という評価の
もとになっているのかもしれません。