ぶつぶつ地蔵

地蔵 呟く ひーの言葉を。ぶつぶつと…。

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やまとぢから

2013-11-05 22:05:06 | 展覧会関係
ずいぶん前ですが、母と姉とともに温泉旅行へ行った時、うるし蔵で籔内さんの作品と出会いました。
その前からどこかで作品は見ていた気がします。いつ見たのかはわかりませんけれど、はっきり籔内さんの作品と認識したのはうるし蔵での出会いでした。旅行から帰って父にそのことを伝えると、父も籔内さんの作品を知ってると言ってました。
それ以来、籔内さんのファンでいくつかの作品を見に行っています。
警察病院のロビーとか、お江戸青松寺さんとか(山門に上がらせていただきました♪)、カレッタ、松江の駅の近く、博多のホテルなどなど。。。旅先では近くに作品ないかな~?っと探しております(笑)

今回は「やまとぢから」と題して、2月の福井を皮切りに、日本の各地を点々と巡りラストにやまとへとやってきた籔内さんの作品展。
オイラ、実は5月の堺での展示を見てるんですが。。。もっかい来てしまいました~(´∀`*)
でもですね、来て正解♪
堺では展示していなかった作品もあったし、なにより会場が違うと展示の仕方も変わるわけで、同じ籔内さんの作品でも違って見えました。
何度見ても、やぶうちさんの童子たちは可愛すぎます。
っつか、会場に流れていたせんとくん歌のCD欲しいなぁ。。。


10月26日は正倉院展、東大寺ミュージアム、やまとぢから・・・と、鑑賞三昧の一日でした。
けっこう歩き回ったようで、足がすんごく疲れました。










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東大寺ミュージアム

2013-10-29 23:14:52 | 展覧会関係
正倉院展のあと、お昼ご飯を東大寺門前「夢風ひろば」にあるTEN.TEN.CAFEでいただきました。
河島英五さんのご家族が運営されているワッフルのカフェです。
サクサクあっさりのブリュッセル風ワッフルでございます。
スイーツしかないのかな~と思いきや、おかずワッフルもあるんですよね♪
オイラはキーマカレーとワッフルのセットに奈良町コーヒーを付けて注文。
途中で入ってきた外人グループの子供が、オイラのワッフルセットをガン見(爆)!
何度か目を背けるんだけど、きっと気になって仕方ないんでしょうな。何度も食い入るようにワッフルを見てました。
オイラも隠しようもないので、見せつけながら食べたさ!!!(←大人気ない^^;)
もちろん、そのお子ちゃまは、オイラと同じキーマカレーとワッフルのセットを注文してましたよ(笑)
あの外人グループ、楽しい奈良旅行になったかな~。

お腹を満たして、次は東大寺ミュージアムへ。
本当は、鎮壇具展の時に行こうと思ってたのに、だらだらしてたら鎮壇具展が終わっちゃったんですよね^^;
初東大寺ミュージアムは、東大寺の歴史と美術展でございました。
しかし、これが良かったんです!!!

正倉院には国家珍宝帳という目録がございます。
光明皇后が納められた聖武天皇の遺品を目録にしたものです。
目録に載っているお宝のすべてが現在まで残っている訳ではありません。
盗難や戦にあって紛失したものもありますが、光明皇后自ら取り出されたものもあるのです。

目録によると、正倉院には約100振の刀が納められているそうで、その中でも国家珍宝帳の筆頭に書かれているのが「陽寳劔」「陰寳劔」です。この寳劔は光明皇后によって後に取り出され、盧遮那仏の須弥壇に鎮壇具として埋納されたものとして有名です。今回はこの2振りの宝剣が展示されていたのであります。
寳劔と言いつつも、螺鈿やガラス、宝石で華美に飾られてはおらず、ボロボロに朽ちた刀です。
X線でようやく確認出来る象嵌で書かれた陰劔陽劔の文字。
なんだかね、見ているとじんわり涙が出ちゃう寳劍でした。

取り出されていなかったら、正倉院展に出展されていたかもしれない訳ですよね。
もしかすると正倉院展で見てたかもしれないと思うとそれも楽しかったです。


十一面千手観音様も素敵でした。腕や体もふくよかでむっちりと肉感のある観音様。肉感なのに威圧的でなく、すっごく柔らかい印象です。髪や天衣の曲線が柔らかだからかなぁ。。。
両脇時の日光月光菩薩様も、お薬師さんとは全く違っています。衣装がより中国的ですよね。
そしてなにより、左右線対象な薬師寺の日光月光さんと違い、お顔も衣装も違います。唯一一緒なのは髪型くらいでしょうか。

あまり広くないし、出展数もそんなに多くありませんが、何を見たっけ~?って程詰め込んでなくって個人的には良かったです。人も少なくてちょうどいいかもしれません。
正倉院展と一緒に見ると、正倉院のもうひとつの姿が見えるかもしれませんね。

最後に瓦などの出土品を観て、ミュージアムを後にしました。












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第65回正倉院展

2013-10-28 17:56:51 | 展覧会関係
台風一過の26日土曜日に、正倉院展へ行ってまいりました。
正倉院展はいつも長蛇の列・・・初日ということで、気合を入れて9時の開場を狙って行くつもりが、寝坊して9時15分着とゆー中途半端なことをいたしました。
到着すると列は30分待ちとなっていましたが、15分程度で入ることができましたよ♪
毎年の如く、見ごたえバッチリでございます。

今年の一番の目玉の漆金薄絵巻盤は本当にスンバラで、ずっとずっと見てても飽きないでした。
蓮の花びらの一枚一枚に描かれた法相華や霊獣、迦陵頻ちゃんなどなど、色も構図も美しく、その並びにため息が出ます。
台座の岩と蓮の花のつなぎ目なども、欠損部分から伺えます。
出来れば上面にも鏡を張って、上部からのアングルも見られるようにしていただきたかったな。(ライトの関係上無理なのかもしれんが。。。)
オイラの場合30分程並びましたが、時間はかかっても最前列で見ることをおすすめします!
(この展示のみ最前で見るための列が会場内にあります。)

そのほかの目玉もそれぞれにスンバラで、やっぱ正倉院ってすごいなぁって思いますね。
今回は蝋纈の布が多く出展していた気がします。鹿さんモチーフの布は本当にかわいくって♪角の部分の色が退色しているのでじっくり見ないと「雌?」なんて思っちゃいます(笑)
やはりあれですね、対象の美っちゅーのでしょうか。安定感があってオイラはこういった図柄が好きなようです。(いや、非対象も好きですよ)

お貴族様遊び道具も面白かった!
矢を壺に投げ入れるものも良かったんですが、パチンコ(Y型の木にゴムを張って石を飛ばす方のパチンコね)の原型?って思わる球状のものを飛ばす弓に似たのがオイラのお気に入りでした^^

刀子がものっそ小さくてその上ものっそ切れそうで、古代人は器用だったんだろうなぁとか思いつつ。。。


今回の書簡での楽しみは・・・戸主も薬師寺も見つけられませんでしたが、こんな部分がツボりました。

まずはいろんな人のお給料前借りメモです。
その中に「田部国守 伍伯文 銭一貫文」とあり、宝亀3年(772年)12月28日に平城京内の家地と建物を担保にし、占部忍男とともに借り入れをしたとありました。
展示会場をぐるっと回ると、どのお写経をどれだけ納めたかメモがありました。
そこにどこかで見た名前が・・・。
そうです。先ほど、年末に家土地を担保に給料前借りをした国守くんのお名前が!
お仕事完成メモとして「十巻 紙 200張」お写経してちゃんと納めたよってありました。
きっと、このお仕事完成で借金返済したんだろうなぁ~なんて。。。見たことも会ったこともない国守くんの生活を少し垣間見た気分でホクホクしちゃいました。
ちなみに借金はちゃんと返済済みの朱書きが入れられておりました。きっと真面目に働いていたんでしょうね^^

他にもいろいろ見所あります。
もっかい行こうとチケット持ってるんだけど・・・2日に頑張って行くべし!


来年はどんなお宝達と出会えるかなぁ~。
今から楽しみなのでありました。










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↑ 正倉院に自分の宝物を納めるのが後にステイタスとなります。しかし正倉院には限りがあるため、ある時期から東大寺さんは宝物を受け付けなくなります。時の権力者はなんとか正倉院の宝物に自分の名前を残したいと考え、宝物を納める櫃を奉納することを思いつきます。これはありがたいと東大寺さんで宝物を整理するための櫃は受け付けてくれました。そんな時の権力者のひとり、徳川家康の櫃が今回展示されています。権力者の涙ぐましい努力にポチっとな☆
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2013GW奇譚 その1 當麻寺展

2013-05-09 13:52:34 | 展覧会関係
大型連休、GW。
皆様は如何お過ごしになられましたか?
4/27~5/6まで、10連休なんて方も多かったのでは。

オイラの会社は、29,30,1日と出勤だった上、27日は休日出勤となってしまったので、実際には2日からがGWといった感じでした。

世間的GW冒頭の28日は、前回前々回の日記に書いたように正暦寺さんへ行った訳です。
オイラ的GWの初日の2日は。。。国宝を愛でる為、一路奈良博を目指したのであります。

聖武天皇の御手による「奈良国立博物館」の文字を見て、ニンマリしつつ中に入る。

奈良博で催されているのは、そう、オイラの大好きなお寺の一つである當麻寺の特別展。
本堂のご本尊である、當麻曼荼羅完成1250年を記念した「當麻寺展」が開催されているんですね。(きゃ~♪(≧∇≦)/パチパチパチ☆)


とにかく急いで行かなければいけなかった理由は、日頃非公開となっている国宝の綴織當麻曼荼羅の御開帳期間が5月6日までだったこと。
この機会を逃すと、次はいつ拝めることやら・・・ってことで、急ぎ馳せ参じたって訳。

當麻寺展は人が混みすぎず、音声ガイドを聞きながらのんびりいい感じで見られました。

個人的な見所は・・・なんつっても、やはりお厨子から出てこられている中将姫子ちゃんですよねっ♪
写真で見るより幼い雰囲気の像でした。
少し口を開いていて、歯が見えてるんです。それが何ともいい感じなのであります。色っぽいとか艶かしいとか、そーゆーのではなく。。。んーーー。話しかけてくるような静かな動き。息遣いが感じられるんですよね。
帽子(もうす・・・と言うらしい。←一応、調べた)が新調されているような気がしましたがどうでしょうか?(図録の写真と長さとか色とかかぶったふ顔の周りの布の感じが違ったのでね。)

んでもって、4つ塔頭のご本尊様が一堂に会しているってところ。(こちらも6日までだった)
博物館で見る仏様たちって、お堂のなかと全然雰囲気が変わるし、何より見やすい(笑)
ガッツリ見ていらっしゃる方が何人もいらっしゃって、オイラも負けじとガッツリ見てきました。もはや、拝むのは途中までって感じ^^;細かいところを必死で見ようとするのでありました。

ボランティアガイドの方に教えていただいたんですが、十一面観音様だからといって、お顔が十一面とは限らないんだそうです。基本頭上の化仏は面に数えず、左右に4面、前後に1面、本来の体にあるお顔を入れて十一面と数えることが多いそうです。しかし、化仏を入れる場合もあったり、頭の上だけで十一面だったり、全く足りない九面(なくなっているのではなく、最初から九面)だったり。。。と、実際には様々なんだそう。
仏様ってのはそのお姿だけで判断するのではなく、それに付随するお経さんだったり、いわれだったり、いろんなことを総合的に捉えて「○○如来(菩薩)様」と解るんだとおっしゃってました。なるほどなぁ。。見た目だけじゃないんだ、と思った次第です。

ちなみにオイラ、當麻寺には何度か足を運んでおりますが、護念院と西南院はまったく足を踏み入れたことがなく・・・知りませんでした。

一番のメインである綴織當麻曼荼羅は。。。思っていたより図柄がしっかり見えたと思います。
近くで見るとわかりにくいんだけど、少し離れて見ると・・・あら不思議。いろんな仏様のお姿が浮かんできます。
種明かしをすると、あれですよ、モネの睡蓮や宮廷の肖像画のレースを近くで見ると、絵の具がゴッテリ乗ってるだけなのに、離れて見ると睡蓮の花びらや光り輝くレースに見えるっちゅーのと同じです。更にこの曼荼羅をモデルに作られた数多の曼荼羅があるわけで、もちろんそれも同じ室内に展示されているます。その図柄が頭に入っているのもあり、近くで見ると織りの目や損欠部分に目が行くものの、離れると目が勝手に混色し、一度見た図柄に沿って見ることができるという訳。
オイラは以前、中の坊で當麻曼荼羅の絵解きをしていただいているので、かすかな記憶を引っ張り出して見るので更に内容がよくわかる訳なのです。

この国宝の曼荼羅の向かいのケースには、こちらも国宝の當麻曼荼羅厨子扉が展示されています。
これは鎌倉時代に作られた、曼荼羅を納めるお厨子の扉です。曼荼羅が約4m四方の大きなものですので、この扉もデカイです。曼荼羅は薄い布ですが、こちらは重厚な塗ですから、その存在感たるや、スンバラなのです。
展示されている、散華に蓮池を描き結縁者の名前を記した面が、お厨子を閉じた時に内側にくるんだそうです。
當麻曼荼羅と向かい合う展示の仕方は、お厨子を閉じている状態でもあるってことなんですね。ニクイ演出じゃぁありませんかッ!!

しばし、お厨子の中の気分を味わいながら曼荼羅を拝んだり扉を見たり・・・を満喫。


この他、文献では薬師寺さんのお名前を見つけてテンション上がったりっちゅーのもありました。お経さんを借りたんだか貸したんだかの文章でした。


中将姫子ちゃんの一生を描いた絵巻も圧巻ですね。
文字が意外と読める部分が多くて、ゆっくり読めるところを読みながら見てました。
あれですね、お貴族様のお書きになった文字は達筆すぎて読めませんね。



仏像ソーン、絵巻ゾーン、書簡ゾーンとありましたが、どれも面白かったです。
前期後期で入れ替わるものもあるので、もう一度見に行く予定です。


當麻寺展は6月2日まで、奈良国立博物館にて開催されております。
かなり面白い展示ですので、是非奈良まで足をお運びください♪










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第64回 正倉院展

2012-11-13 13:54:45 | 展覧会関係
ここ数年、正倉院展に行っているオイラです。
一度展示された宝物は向こう10年はお休み期間に入ります。
そして正倉院に納められている宝物は9000件・・・内、聖武天皇縁の御物は100件ほどだそうです。(国家珍宝帳に載ってるのって600件だったよね?残りの500件は何処へ~?)
一回の展示で60~70件展示されて、しかもその出展が重ならずに全部出たとしても総てを観ようと思ったら、130~150年かかっちゃうんだもんね。
思い立ったが吉日(遅いけどね)、毎年観に行きたいと思っている次第です。

そんなわけで、先立つものもないって理由でダラダラと先延ばししていた正倉院展に、11月11日に行って参りました。

朝もちょいダラ~っとしてたので、会場に着いた時には1時間待ちでした^^;
でも、1時間もかからずに入れたと思います。

正倉院展の中は撮影禁止、脱帽でご観覧くださいって注意がされてましたが、がっつり帽子かぶったままの人が老若男女問わずワンサカいました。(どーゆーこと?)
ま、人は人。オイラはオイラ。オイラは脱帽して音声ガイド共に鑑賞。


今年の目玉はなんつっても18年ぶりにお目見えの瑠璃杯ですね。
天邪鬼なオイラも、今回はさすがにオイラ的ヒットと目玉とが合致いたしました。

いやはや、素晴らしいですね。
なにが素晴らしいって、あの均整の取れたグラスの形。曲線。
そこに配された輪っかのガラスの円の美しさ、均等さ。
なんちゅーバランスなんでしょ。
グラスの底についている坏部分がガラスでないってのも美しさの要因ですよね。
銀製の足の部分は、底金具が明治時代に修復された部分で、足部分がオリジナルと考えられているそうです。後に底金具が塵芥の中から発見され、その部分に残っていた成分で、ガラスと銀製の足部は漆で固定されていたことが分かったそうです。
造られた当初から足部が銀製だったのか、最初はガラスの足がついていたのかは不明だそうですが、最終的にこの形に作り上げた当時の職人さんの美意識の高さに脱帽です。
また、この脚部の彫り物の美しいこと。
実際の瑠璃杯は高さ10~15cmくらいでしょうか。思ったより小さく、脚部の彫り物はガラスの影にもなっているので、最前列で見てもほとんど見ません。近くのパネルでの確認となりましたが^^;(あと、講座の時の映像)非常にオイラの好みの文様です。
魚々子地に唐草とも雲気ともつかない曲線が絡まりほぐれ獣の顔に変化しています。この曲線のなめらかな動きを、あの小さな足の部分に施しているのかと思うと、ホントため息しか出ませんね。


このほか、目玉と言えば螺鈿紫檀の四弦の琵琶。
正面の飾りはすべて剥落してしまったのか、修理の時に板のみを張り付け細工をしなかったのか・・・のっぺらぼうなんですが(笑)、裏面の螺鈿細工が非常に美しいです。
舞い散る花や瑞雲の中に、迦陵頻ちゃんが舞っててめっちゃ可愛いでした。
サイドの部分にも螺鈿が施してあります。
この琵琶を弾いた時に使ったといわれる、撥縷(ばちる)の撥も綺麗でしたね。
撥縷といえば、昨年の出展物の物差しと同じ技法ですね。象牙を染め彫って文様を描くという技法です。麒麟とかはよくある霊獣ですが、一角の鳥(しかも体が馬っぽい)のは初めて見た気がします。
この撥の何がいいって、一部撥縷が剥げており使った形跡が伺えるところ。綺麗な鑑賞品ではなく、宮廷人はこんな細工の撥で琵琶を奏でていたんだと改めて想像できるところに温かみを感じますね。


漆塗りに瑞雲と鳳凰、魚の顔をした鳥を描いた箱もスンバラです。
うごめく瑞雲と霊獣との境界が微妙で、どちらも影響し合って響き合っているような構図です。このお魚の顔が結構怖くって可愛いんだよね。(矛盾・・・^^;)


今回は書簡には特別オイラの気の惹く文字がなくて残念でした。


瑠璃杯の次に心ときめいたのが、ガラスでできた双六の駒。
ぷつっぷつっとまぁるい小さな玉が、とっても美しくって素晴らしいのであります。
1300年前、すでにガラスを作る技術が日本にあったんですね。
黄瑠璃、碧瑠璃、浅黄瑠璃・・・と色もさまざま。碧につかう色の元は日本では採掘されないので、きっとシルクロードを通って輸入されたものなんでしょうね。
個人的に浅黄瑠璃が好きだったなぁ。(あ、気に入った理由は某幕末集団とは関係ありませんよ)
他にも展示室は異なりますが、星の形のガラス玉など飾りに使ったであろうガラスも可愛いでした。蜻蛉玉の原型と言ってもいいんでしょうね。単色のガラスもあれば複数色がマーブルになっているものもあります。
個人的にかなりガラスの駒と玉が気に入りまして、ミュージアムショップでは絶対ガラスの載った絵がはきをGETするぞ!って意気込んでたのですが・・・残念ながら、一般受けする琵琶とか鏡箱とかしかありませんでした。(瑠璃杯に至ってはイラストに見えるんですが^^;オイラの目の錯覚~????)
その昔、ビクトリア&アルバート美術館でも、入ってすぐにどどーんといらっしゃるビクトリア女王とアルバート公の彫刻が気に入って、この絵葉書を!って思ったのに商品化されてなくってガッカリしたことがあります。
その時と同じガッカリ具合でした。図録をみて我慢です。


そんなこんなで、ゆっくりのんびりじっくり宝物を堪能致しました。

見終るとちょうど1時過ぎ。お昼御飯の時間です。
今回のお昼には、第64回正倉院展記念薬膳弁当なるものをミュージアムカフェでいただく。

1200円。

中身は、エビと金針菜のXO醤炒め・素肉(大豆肉)の黒酢入り甘酢炒め松の実添え・有機南京、春菊、エリンギの紅花と発芽金胡麻入り揚げ物・クラゲの甘酢クコの実添え・十穀米入りごはん

薬膳と言う事で効能はこちら
金針菜・・・造血、神経衰弱に効く
松の実・・・体液の調整、潤いを補う
紅花・・・血液の清浄

お味は普通に美味しかったです。

昼食を終え、ミュージアムショップをダラリンと覗いていた時、館内放送で公開講座の案内がありましたので、急ぎ講堂へ。
内藤先生の講座の内容は次回まとめてみようと思います。


ひとまず、正倉院展の感想は終わり。








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第63回 正倉院展

2011-11-16 18:37:09 | 展覧会関係
先日リハビリの帰りに、オータムイレイト(17:30~19:00までの延長開場)があるのを利用して、正倉院展に行ってまいりました。
オータムレイトを利用と言っても、オータムの時間から入ると見る時間が1時間半しかありません。これではゆっくり見られません(とゆーよりは時間が足りない)し、すでに前売りを購入済みだったこともあり時間を待たずに17:00前に入場。
日中に見に来ている人達の大半が夕方に帰路に着き、オータムレイト待ちの人はまだ入場していない・・・この約30分はものっそご、空いていてゆっくり見ることができました。
まぁオータムの人が入ってきても、金曜の夜だったのでそんな混んではいなかったですが♪


昨年の正倉院展では、偶然にも国家珍宝帳に葛木連戸主のサインを見つけテンションだだ上がりでしたが、今回はそんな御物が見つかるかしら(笑)
ドキドキわくわくの正倉院展。そんな見方もあるんですヨ(笑)

ちなみに、今年のオイラの正倉院展示におけるテーマは「光明子の目線」でございます。(正倉院展とは全く関係なく、オイラが勝手に決めたテーマです。)
厚先生がおっしゃったように、正倉院に納められている御物は「後世に残された素晴らしい美術品であるとともに歴史を物語る大切な資料」である前に、光明皇后の最愛の夫の形見であるのです。その事を念頭に、遺品を見ると「崩れてしまうくらい悲しい」光明皇后の心を念頭に見ることにしました。



さて、今年の目玉は聖武天皇愛用の刀でございます。
東大寺の鎮魂壇具として発見されたこの刀は、国家珍宝帳の記述とも合致する聖武天皇縁の宝剣です。
色鮮やかな玉を飾り金具に埋め込み、漆塗りに蒔絵を施した宝剣。
持ち手の柄には滑り止めの鰐皮(鮫皮)が施され、握ったときにしっくりくるように指の形になっています。
この時代の刀には反りがほとんどなく、まっすぐな抜き身でございます。
この刀を腰に佩いた聖武天皇は、凛々しく見えただろうなぁと思いつつ。
ため息が出るような、本当に美しい刀でした。


そしてもう一つが蘭奢待(黄熟香)。
これは何がすごいって、足利義政や織田信長、明治天皇が切り取ったってことなんかより、未だにその香りを発している事実でしょう。
この黄熟香は、なんでも樹脂がそのままあるのではなく、何らかの原因で化学変化のようなものをおこしているので馥郁たる香りを醸し出すのだとか。その香りの成分は、1000年以上たった今でもなおこの木に留まっているんですって。自然ってすごいなぁ。
ガラスケースに入っているから香りがする訳ではないけれど、黄熟香の周りは良い香りがした気がしました(笑)


他にもいろいろありましたが、オイラが一番気に入った御物は沈香を塗り込めた経筒。
漆に沈香を練りこみ塗った上に、植物の種子と丁子の蕾で模様を施したもの。形も四角い箱ではなく、八角柱であるのも可愛らしい。金襴豪華って言うよりは地味派手って感じ。
経筒と書かれているものの、実際お経を入れたかどうかは解らないらしい。けれどとっても素敵でした。
美しんだけれどなんだか手作業の風合いが滲んでいる気がして、親しみがありました。彫りで作り上げた凹凸ではなく、沈香の粉のブツブツ感や丁子や種子のそのものの陰影がより温かみを増している気がしましたね。うん。これは可愛かったぁ♪


そしてもう一つ気に入ったのが袈裟。
仏教を厚く信仰していた聖武天皇ですから、袈裟も多く納められています。全部で9枚だったかな。
その中でも、出家後にご着用していたとされる袈裟だそうです。
袈裟って言葉は、サンスクリット語の「カーシャ」を日本語に当てはめたのだそうで、意味は「濁った色」らしい。
聖武天皇御愛用の袈裟はこの「濁った」に基づき、さまざまな色を使う事で混色させ鮮やかな色合いとせず、また、布をつなぎ合わせたように見えるように作ってあるのだとか。
贅を尽くしつつも本来の意味を再現しようとする、この頑張りがなんだか笑えて好感が持てました。
袈裟一つとっても、3枚一組で絹の風呂敷に包み、それを塗りの箱に納め、その箱をまたもや包むといった丁寧さぶり。この過剰包装には、高価なもの以上の愛を感じますね。

ちなみに御物とは関係はないんですが、この袈裟ってどうやって着用してるんでしょうね?
長方形の四角で、表と裏に紐が付いているんですが。。。
お寺の行事の時にも、ずっと気になってたんですよねぇ。いつか着るところを見せていただきたいな。


さてさて、正倉院展に話は戻りまして。
この正倉院とゆー倉は化け物のような倉で。保存能力の高さは、今日目にする御物達で立証済みですね。この倉、今の技術では作れないほどのシロモノだそうです。
要は作り方が解らないんだそうで、ずっと再建をするために研究されている方がいらっしゃるそうです。(確か人間国宝の方だったと。)
実物が目の前にあるのに、再現できないって・・・すごいですよね。
実際、建築技術は奈良時代がピークで、以降新しい技術は発達していないんだそうです。(あ、使う物の進歩はありますよ。ここで言っているのは、理論と言うか、構造そのものの仕組みです)
基礎にしても、今の重機でも作り出せない強固な基礎が奈良時代には作られております。
技術とは・・・奈良時代から平成時代・・・進歩したのか廃退したのか。。。
なぜこんな話をするかと言いますと、御物の中に唐櫃があります。
この唐櫃、ものすごいんですって。
何がどうものすごいかと言いますと、湿度計を入れて蓋を閉めるとその中の湿度はほぼ一定を差すんだそうです。外気温に関係なく湿度を一定に保つ。この技術あってこその御物なのでしょうね。
かと思えば革製の箱は、蓋が曲がっちゃって今じゃ蓋と身が合わないって。
木を使いこなす技術はスンバラだったけれど、皮はだめだった~ってことでしょうか(笑)
ま、使われている内容からすると高貴なものはすべて木の箱なんですけれどね。皮の箱は一番外身だったりそんな感じでした。
使い分けがなされていたのかもしれません。


オイラ的にかなりテンションが上がったのが、羽根付うーたんの唐櫃です。
漆で塗られた表と裏に羽根の生えた兎が描かれているとゆー、なんともオイラ好みの箱でした。
うーたんが霊獣として描かれているのも珍しいと思いますが、そのうーたんが可愛かったんですよね~♪側面には鳳凰が描かれていて、重厚な櫃でした。


そしてそして、今回で一番テンションが上がった品がこちら。
文書のコーナーで発見です。
またまた戸主と思ったあなた!     不正解ですよ(笑)
今回は戸主以上にテンションが上がったかも知れない(爆)
なんとなんと、薬師寺から東大寺さんに宛てた請求書です!!
なんの請求かと申しますと、「貸してあげたお経さん、そろそろ返してよね!」って内容でした(笑)
当時はお寺間でお経さんの貸し借りが頻繁だったのでしょうか。すっごく微笑ましくって・・・マジで笑っちゃいました。
いやはや、前回の戸主同様、書簡侮れません(笑)


最終的な感想としては、やはり光明子の目線で見るのは難しく、すぐに表面的な部分をとらえちゃいますね。でも、これらをお使いになっていた聖武天皇に想いを馳せることはできました。
美術品としての御物。お使いになられていた日常品としての御物。展示されているもののいくつかは当時も観賞するためのものもあったでしょうし、実際に使われていたものもあるでしょうし。
いろいろ考えつつ、楽しく見ることができたかな~♪

正倉院御物は、一度展示されると10年はお休み期間に入るそうです。
今年見たモノたちは、例外を除いて10年の眠りにまたつく訳ですね。
来年はどんな御物に出会えるでしょうか。生きている間に出会える御物はほんの一握り。
悠久を経て今日にある正倉院御物には、ゆったりとした気持ちで向き合うのがいいのかもしれませんね。








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収穫は・・・葛木連戸主

2010-11-03 12:48:20 | 展覧会関係
10月30日正倉院展へ行く。
でもその前に寄り道。
薬師寺に♪(←バカ笑)
だってね、東塔の内陣公開が31日までだったから。気づくと西大寺で下車してたんだもーん(笑)

で、薬師寺さんで小一時間ほどお参りした後、11時過ぎに近鉄奈良駅に到着。
急ぎ奈良国立博物館を目指す。
過去数回正倉院展へ入ってますが、待った記憶があんまりありません。この日は台風も来てましたので、かる~い気持ちで到着すると・・・1時間半待ちでございました。
一番混んでる時間だったみたい^^;

しょえ~と思いつつも、並ぶ。ひたすら、並ぶ。
お一人様ですので列が進むと、「4列で並んで下さ~い」の係の人の呼び掛けに応じ、カップルや親子連れの横の空いてるスペースへ移動できました。ちょっとだけ早く進めたかも。

いざいざ入ってみると、入場制限をしている為か中は比較的マシ。
音声ガイドを借りて、展示物を物色。
一番のお目当て『螺鈿紫檀五弦琵琶』付近は・・・再度行列。
何の行列かと申しますと、「最前でみるための列」だったのです。せっかくですから並びました。裕に20分は並んだでしょうか(笑)
間近で見る細工はスンバラで。立ち止まれないのでユルユル歩きながらぐるりと180度見させていただきました。
ホンマため息の出る美しさ。1300年も前の遺物だとは思えない輝きです。

琵琶の興奮も冷めやらぬオイラが次にみたのは・・・お薬ゾーン。
ここに今回最大の収穫物がいたのであります。
人がかなりたかっていたので、書簡やしなぁ。。。遠目でいいかなぁと思いつつ、一応最前列で観れる人の流れに乗ってみたんです。
したらば・・・

じゃじゃ~ん!
葛木連戸主の署名です!
あ、仲麻呂の名前も永手の名前も角足の名前も見えますね。
山之口さんの小説を読んで以来、ファンになった戸主でございます。
こんな風に出会えるとは、何たる嬉しさ!
遠目でいいかぁってオイラを、きっと戸主が最前で見てサインに気づくように導いてくれたんだわ~
実は今まで書簡関係って、まったく興味がなく。。。むしろ、展示してなくていいし!くらいな態度のオイラでしたが、今回ばかりは違いました。
ビバ書簡!って感じ(笑)
琵琶を見た以上のテンションうなぎ登りでございました。

来年からも正倉院展、観に行こう。
きっとまた戸主の文字に出会えるはずだ・・・(←そこ?)

古い、父の図録もひっくり返してみようかな。


ふふふ。この日の奈良ネタ、まだ続きます。






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