ぶつぶつ地蔵

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第64回 正倉院展

2012-11-13 13:54:45 | 展覧会関係
ここ数年、正倉院展に行っているオイラです。
一度展示された宝物は向こう10年はお休み期間に入ります。
そして正倉院に納められている宝物は9000件・・・内、聖武天皇縁の御物は100件ほどだそうです。(国家珍宝帳に載ってるのって600件だったよね?残りの500件は何処へ~?)
一回の展示で60~70件展示されて、しかもその出展が重ならずに全部出たとしても総てを観ようと思ったら、130~150年かかっちゃうんだもんね。
思い立ったが吉日(遅いけどね)、毎年観に行きたいと思っている次第です。

そんなわけで、先立つものもないって理由でダラダラと先延ばししていた正倉院展に、11月11日に行って参りました。

朝もちょいダラ~っとしてたので、会場に着いた時には1時間待ちでした^^;
でも、1時間もかからずに入れたと思います。

正倉院展の中は撮影禁止、脱帽でご観覧くださいって注意がされてましたが、がっつり帽子かぶったままの人が老若男女問わずワンサカいました。(どーゆーこと?)
ま、人は人。オイラはオイラ。オイラは脱帽して音声ガイド共に鑑賞。


今年の目玉はなんつっても18年ぶりにお目見えの瑠璃杯ですね。
天邪鬼なオイラも、今回はさすがにオイラ的ヒットと目玉とが合致いたしました。

いやはや、素晴らしいですね。
なにが素晴らしいって、あの均整の取れたグラスの形。曲線。
そこに配された輪っかのガラスの円の美しさ、均等さ。
なんちゅーバランスなんでしょ。
グラスの底についている坏部分がガラスでないってのも美しさの要因ですよね。
銀製の足の部分は、底金具が明治時代に修復された部分で、足部分がオリジナルと考えられているそうです。後に底金具が塵芥の中から発見され、その部分に残っていた成分で、ガラスと銀製の足部は漆で固定されていたことが分かったそうです。
造られた当初から足部が銀製だったのか、最初はガラスの足がついていたのかは不明だそうですが、最終的にこの形に作り上げた当時の職人さんの美意識の高さに脱帽です。
また、この脚部の彫り物の美しいこと。
実際の瑠璃杯は高さ10~15cmくらいでしょうか。思ったより小さく、脚部の彫り物はガラスの影にもなっているので、最前列で見てもほとんど見ません。近くのパネルでの確認となりましたが^^;(あと、講座の時の映像)非常にオイラの好みの文様です。
魚々子地に唐草とも雲気ともつかない曲線が絡まりほぐれ獣の顔に変化しています。この曲線のなめらかな動きを、あの小さな足の部分に施しているのかと思うと、ホントため息しか出ませんね。


このほか、目玉と言えば螺鈿紫檀の四弦の琵琶。
正面の飾りはすべて剥落してしまったのか、修理の時に板のみを張り付け細工をしなかったのか・・・のっぺらぼうなんですが(笑)、裏面の螺鈿細工が非常に美しいです。
舞い散る花や瑞雲の中に、迦陵頻ちゃんが舞っててめっちゃ可愛いでした。
サイドの部分にも螺鈿が施してあります。
この琵琶を弾いた時に使ったといわれる、撥縷(ばちる)の撥も綺麗でしたね。
撥縷といえば、昨年の出展物の物差しと同じ技法ですね。象牙を染め彫って文様を描くという技法です。麒麟とかはよくある霊獣ですが、一角の鳥(しかも体が馬っぽい)のは初めて見た気がします。
この撥の何がいいって、一部撥縷が剥げており使った形跡が伺えるところ。綺麗な鑑賞品ではなく、宮廷人はこんな細工の撥で琵琶を奏でていたんだと改めて想像できるところに温かみを感じますね。


漆塗りに瑞雲と鳳凰、魚の顔をした鳥を描いた箱もスンバラです。
うごめく瑞雲と霊獣との境界が微妙で、どちらも影響し合って響き合っているような構図です。このお魚の顔が結構怖くって可愛いんだよね。(矛盾・・・^^;)


今回は書簡には特別オイラの気の惹く文字がなくて残念でした。


瑠璃杯の次に心ときめいたのが、ガラスでできた双六の駒。
ぷつっぷつっとまぁるい小さな玉が、とっても美しくって素晴らしいのであります。
1300年前、すでにガラスを作る技術が日本にあったんですね。
黄瑠璃、碧瑠璃、浅黄瑠璃・・・と色もさまざま。碧につかう色の元は日本では採掘されないので、きっとシルクロードを通って輸入されたものなんでしょうね。
個人的に浅黄瑠璃が好きだったなぁ。(あ、気に入った理由は某幕末集団とは関係ありませんよ)
他にも展示室は異なりますが、星の形のガラス玉など飾りに使ったであろうガラスも可愛いでした。蜻蛉玉の原型と言ってもいいんでしょうね。単色のガラスもあれば複数色がマーブルになっているものもあります。
個人的にかなりガラスの駒と玉が気に入りまして、ミュージアムショップでは絶対ガラスの載った絵がはきをGETするぞ!って意気込んでたのですが・・・残念ながら、一般受けする琵琶とか鏡箱とかしかありませんでした。(瑠璃杯に至ってはイラストに見えるんですが^^;オイラの目の錯覚~????)
その昔、ビクトリア&アルバート美術館でも、入ってすぐにどどーんといらっしゃるビクトリア女王とアルバート公の彫刻が気に入って、この絵葉書を!って思ったのに商品化されてなくってガッカリしたことがあります。
その時と同じガッカリ具合でした。図録をみて我慢です。


そんなこんなで、ゆっくりのんびりじっくり宝物を堪能致しました。

見終るとちょうど1時過ぎ。お昼御飯の時間です。
今回のお昼には、第64回正倉院展記念薬膳弁当なるものをミュージアムカフェでいただく。

1200円。

中身は、エビと金針菜のXO醤炒め・素肉(大豆肉)の黒酢入り甘酢炒め松の実添え・有機南京、春菊、エリンギの紅花と発芽金胡麻入り揚げ物・クラゲの甘酢クコの実添え・十穀米入りごはん

薬膳と言う事で効能はこちら
金針菜・・・造血、神経衰弱に効く
松の実・・・体液の調整、潤いを補う
紅花・・・血液の清浄

お味は普通に美味しかったです。

昼食を終え、ミュージアムショップをダラリンと覗いていた時、館内放送で公開講座の案内がありましたので、急ぎ講堂へ。
内藤先生の講座の内容は次回まとめてみようと思います。


ひとまず、正倉院展の感想は終わり。








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