ぶつぶつ地蔵

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春日権現験記を読む②

2015-04-29 11:53:16 | 好き・応援
春日権現験記を読む②
講師:西村厚先生

春日大社第六十次式年造替の行事の一貫として、西山先生が春日権現験記 全二十巻を読み解く講座です。
第一回目はワタクシが気づかぬ間に終わっていたようです(笑)残念!
一話完結ってことなので、早速申し込んで聴講に伺いました。
今回は巻3と巻4です。

冒頭、春日権現験記とはどういったものか。誰が作ったのかをご説明されます。
これはどの回から聴講した人でも解るように、毎回ご説明されるとのこと。

■講座内での春日さんの呼び方の決まりごと■
春日社   → 創建当初はこう呼ばれていた。昔の春日さんを語るときは春日社と呼ぶ
春日大社 → 近年になって「大」が付けられた。現在の春日さんを語る場合は春日大社と呼ぶ

春日権現験記は鎌倉時代、左大臣西園寺公衡が、藤原家の氏神である春日社に奉納した絵巻である。
絵巻とは先ず詞書(ことばがき)(文章)があり、次にその内容を描いた絵で構成される。
当時の最高の絵師である高階隆兼が絵を描き、詞書を関白鷹司基忠とその子3人によって書かれたのが春日権現験記である。
内容は春日社の創建の由来と数々の霊験が描かれている。

田安宗武が江戸時代に原本(現在は宮内庁所蔵)を写本。しかし後に焼失してしまい、再度写本を志すが巻11の途中で亡くなった為、息子である松平定信が事業を引き継ぐ。しかしその頃には原本を写すことができなかったため、勧修寺家に伝わる写本を借りて文化4年に完成させたものが春日大社に納められている。(現在は宮内庁にて修理中)

序文では、春日社に祀られている比売神=天照大神とし、伊勢と春日・天照大神と春日明神・天皇家と藤原家の繋がりの深さを示している。

藤原家の一族のトップを氏長者と呼ぶ。

神主と正預(しょうあずかり)とがあり、神主は大中臣氏が、正預は中臣氏が引き継ぐ。
正預には藤原時風の子孫である辰市家(代々「祐」の文字がつく名前)と藤原秀行の子孫大東家(代々「信」と「能」の文字がつく名前)とがある。


巻3では、知足院殿(藤原忠実)に起きた霊験について描かれています。
巻4では、春日さんがただただ藤原氏を無条件に加護していたわけではない部分も描かれていると指摘され、興味深く聴講いたしました。
どんなお話かは省くとして、詞書に書かれた内容と絵との相互関係を細やかに説明してくださいます。
さらには、詞書には書かれていないけれどその場がどういう状況であるか、その人がどんな人かなど、絵によって説明されている事、絵の中の襖絵に描かれている内容や調度品等を読み解き説明してくださいます。

巻物の自体に時間軸があり場面を追って進んでいくわけですが、一場面の絵の中にも時間の推移が描かれており、玉虫厨子に描かれている捨身飼虎図や現在における漫画の手法と同じで絵巻って面白いなぁと思いました。

指摘していただかないと気付かないことが沢山あり、個人的には絵巻の見方が変わる講座でした。

次回以降も同じように細やかに説明をしてくださるのだと思います。
いやはや楽しみです。忘れないように申し込みをせねば!











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第一回 アートな京大を目指して 京大おもろトーク 「垣根を越えてみまひょか」

2015-04-27 14:37:39 | 思考の森
第一回 アートな京大を目指して 京大おもろトーク 「垣根を越えてみまひょか」
パネリスト:山極壽一総長 茂山千三郎さん 土佐尚子教授

人生初の京大。一生踏み込むことのない場所だと思っておりましたが、山極総長と千三郎さんのお名前を見て即決で申し込んだトークです。
大きなテーマは「いかにしてアートな京大を目指すか」で、今年は4回開催される予定なんだとか。

第一回目の今回は「垣根を越えてみまひょか」

「アートとは何ぞや」
山極先生の場合、おもろいこととアートは相性が良いと考える。先生にとっての垣根はゴリラである。というのが基本のカタチ。
アートとは見えないものを形にし、既存の垣根を超える力を持つものである。
しかしこの垣根を安易に超えると、場合によっては間違いを犯す可能性がある。

ゴリラのドラミングを初めて見たヨーロッパの探検家は「襲われる」と思った。
屈強な体の醸し出す見た目に対する驚きの誤解によって、ゴリラの垣根は超えられた訳です。そしてその姿は、キングコングに代表されるような攻撃的かつ凶暴な動物として描かれ印象づけられました。
しかし研究が進むに連れ解ってきたこと。
①ゴリラにおけるドラミングの意味は、縄張りに入ってきたものへの警告。戦いを避けるための自己主張の行為である。
②気持ちが高揚したときの嬉しくて楽しい気持ちを表す行為である。

ゴリラのドラミング=チンパンジーの直立姿勢=歌舞伎の見栄
これらは自己主張という意味で似ている。

アートの起源は、自己主張ではないか。


千三郎さんにおける垣根を越えまひょは、演技でなされました。
狂言でも猿楽でもない、ゴリラ楽を演じられました。
基本の動きは、「構え」「横歩き」「覗き込んでじっと見る」だそうです。
山極先生と共に形作られた「ゴリラ楽」が千三郎さんにとっての垣根を越えるだったのかな。


土佐先生の垣根を越えるとは自分自身を超えることだそうで、先生にとっては芸術とテクノロジーを越境させ合うこと。
プロジェクションマッピングは現代における「人間が持つ創造的な生命力」を表す「まつり」のようなものである。従って、アートは生命力を発散させる場と位置づけられていた。
個人的には先生のおっしゃる「まつり」とは、いわゆる古代から行われる収穫や天下安寧を願い祝うといった意味合いを含まない、お祭であると捉えました。


それぞれの捉える「垣根」と「アート」のお話の後、相互のトーク開始。以下箇条書き。

・離見の見 自分から抜け出し、客席から自分の芸を見る目。
・サイエンスは目に見えないものを繰り返せる形で表したもの。
・狂言とは師匠から弟子に基本の本筋のみ受け継がれる。野球で例えるなら直球のみ教えるそうだ。しかし実際の舞台上では様々な変化球が飛び交う。これを真似るのではなく、基本を繰り返す中で自然と変化するのがそれぞれの個性=変化球と言えるのではないか。
・千作師はアーティスト。一期一会で同じものを見ることができない芸。千之丞師は職人。同じものを突き詰めていく芸。ご兄弟でありながらも対照的な芸であった。
・型破りはOKだが、形無しはOUT
・言葉で表すと別々の表現になるが、体で表すと同じところから越えられない一線がある。
・建造物はその土地にある自然の色や形を継承している。
・ゴリラ楽は、人間・狂言と共有できる部分が多かった。
・狂言は擬人化したり概念を演じる
・表現せざるものを見つける作業がアート
・アートは一人では出来ないもの
・ゴリラの背筋はピンっと張っている。これが基本姿勢である。


トークを聞いて・・・
今回はオイラの頭では追いつけない難しい内容だった。もうね、何が難しいのかもわからないくらい置いてけ堀・・・( ´ ω ` )ショボーン
最後に設けられた会場参加トークでも、何も浮かばないくらいのオイラの頭の停止度合い。半端なかったっす。
で、帰り道ノロノロと出町柳に向けて歩きながら考えた。

自然界において視線が読まれるのは生死を分ける重大事項(逃げる方向がバレルとかそーゆーこと)・・・なので、野生の動物は黒目がデカイか白目が黒いんだそう。どこを見ているか視線がパッとわからないようにしているんだって。
それに対し人間は、白目が大きく「目で語る」というくらい表情における目の役割が大きい。声かけしなくてもある程度表情から相手の心情を読み取るのであります。代表的な例は、まだ言葉を持たない赤ちゃんがお母さんとアイコンタクトできるってな具合。
人間はこうやって「自分の思いを伝える」という手段を、言葉以外に表情という手法を使うのです。これは言葉の持つ意味を理解して伝わるのとは違い、「直接思いを感じる(触れる)」という感覚ではないでしょうか。なので多少の違いはあれど、どんな国の人に対しても共通して利用できるアイテムだと思うのです。
今回のトークテーマ「垣根を越える」「アート」ですが、この直接思いを感じるものがアートなのかなと思うのです。
だからそれは、固形のものであったり、音楽であったり、描かれたものであったり、もしかすると数式だってそうなのかもしれません。
相互で感じ合う為の「間にあるモノ」。媒介するものがアートなのかなぁと。
じゃ、垣根はどこやねん!って事なんですが、それは解らん・・・理解できんと思っていたものがあるとき「あぁ、こういうことか」と腑に落ちる瞬間があるじゃァないですか。これが垣根を越えたってことなのかなぁと、これを書きながら思いました。


さて、2回目はどんなトークでアートを語るのでしょうか。
それを聴きに行けるのかなぁと気になりつつ、終わり。









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