まちみちふうけい

四角い枠に切り取られた風景は一瞬のもの、そんな一瞬を追い求めてこれからも相棒と走り続ける・・・

No.1319 お地蔵様で町巡り・・・JR万葉まほろば線編(1)

2020-05-05 11:40:30 | みち
よろしくお願いします。

















お地蔵様で町巡りシリーズ、とは言っても最近はもうお地蔵様にこだわらずの巡りとなっているわけですが、今回は上ツ道を中心としてJR万葉まほろば線沿線をたどって行ってみようと思います。
まずは奈良駅を出て最初の駅が京終駅、ここでももうお馴染みの駅名だと思いますが、京終の読みは「kyoubate」、その言葉の響きの通り京の果てを表している所です。駅前を通るのが上ツ道、興福寺付近から始まった道はならまちを過ぎてやがて京の果てへとたどり着きます。上の写真にあるのは中将姫に所縁のある寺院、しかし姫にとってはこの辺りは継母に虐げられていたあまりいい思い出のある場所ではなかったようです。京終駅付近はならまちにあった旧街道の雰囲気も薄くなってくる、道端にはたくさんのお地蔵様が見られる所、いよいよここから南へと向けて旅への気持ちも新たになることだったのでしょう。往時は歩いての旅だったのも現在では電車で数分でひとッ飛び、しかし線路の上では道草は食えません、旅には道草も必要です、ここは自転車でゆっくり気ままに行ってみることとしましょう。















次の駅は帯解駅、ここでの観光名所と言えば安産祈願の帯解寺が有名です。境内には山の辺の道北編でよく見かけたちょっと新しい感じの万葉歌碑↓↓↓

「春霞 たなびく今日の 夕月夜(ゆふづくよ) 清く照るらむ 高松の野に」(作者不詳・10-1874)

まあだいたい内容は分かりますね、簡単に言えば春の霞の中に月がきれいやで~と言ったところですか、しかしなぜ奈良なのに高松の野?この高松は今の「高円」(takamado)を表しているとのこと、宮家の称号や高校名、もちろん万葉集でもよく出てくる奈良ではお馴染みの地名、ただこの寺院にこの歌と言うのはあまり意味はなさそうな感じです。この「高円」と言う地名、その由来を調べようと思ったのですが検索しても出てきませんでした。ただ奈良にはこの地名によく似た響きで「takama」と言う地名があります、一番知られているのは近鉄奈良駅前の高天交差点、響きが似ているだけで関連があるとはちょっと短絡過ぎな気もしますが、共に奈良を象徴する地名だからどこかにつながりがあるのでしょう。



















天理市に入って最初の駅が櫟本駅、この辺りは自分(一人称)が昔住んでいた所で上ツ道は通学路でした、もちろん当時はそんな事全く知りませんでしたが。もっとも旧街道巡りが一般に流行し始めた最近では、それまではほったらかし気味にされていた道を再発見するかのように、各所でここが旧街道だったことをPRするような動きになってきている。子供の頃に遊んだお宮さんは正しい名前で記された道標が掲げられ、ほったらかしにされていたお堂は今や地図サイトに観光名所として印が付いている。町の由緒を記した看板が掲げられ、当時は壊れそうだった民家が資料館となって再利用されている。無暗に観光に走るのも何か、何かな~という気もするが、昔は自分(一人称)も住んでいた所なだけに、この先も飽きず廃れずこの動きを続けて行ってほしいとは思います。そんな変わりゆく風景の中でも変わらないのがお地蔵様、30年以上前から変わらない場所で変わらない表情でこの地を見守ってくれている。多分往時の伊勢へと参拝する旅人たちのことも見ていたのだろう、変わる風景と変わらない風景が混在する旧街道、次回は天理駅から更に先の方へと巡って行くこととしましょう、今回もご覧いただきましてどうもありがとうございました。         まちみち


最新の画像もっと見る

コメントを投稿