一日、亡き母の初盆供養を
故郷のお寺で、お坊さんと二人の
三人だけで行うのを決めたのは、
先々月の事だった。
初盆供養を始め、
故郷で過ごす時間が持てるのは、
母の命日から四十九日目の
法要以来、今年、二度目となり、
出発から帰宅するまでの、
一日と二日の両日は、
寸分の隙間もないほどに
予定を組んで、
故郷で過ごす時間を
二人は楽しみにしていた。
しかし、前日31日の
福岡県のコロナウィルス感染者数が
170人とあって、
出発を断念。
親戚に届けるはずだった
母の残した絵などの遺品やお土産が
今も、玄関に置いたまま。
今は、何時になったら
故郷に帰れるのやら
全く、見当がつかないが、
一日も早く、コロナの脅威から
解放され、
当たり前の顔をして、
” 家 ”に帰れる日が来るのを信じて、
今はただ、
ひたすら待ち続けることにした。
「カントリーロード」
ジョン・デンバー