我が家の青空(My Blue Heaven)

スージィーとロバート、キャッシュとバンクの
2人と2匹の我が家のディリー・ライフ。

「一瞬、沈黙し、続けて」

2019年10月01日 | 日記

 

心の中に反抗心が棲みついたのは、
何時の頃からだったろう。

情に絆(ほだ)され、
相手を親身に思う優しさを持つ反面、

心無い輩から向けられた蔑視(べっし)で
自尊心を傷つけられたり、

多勢の前で、辱(はずかしめ)られる
理不尽な恥辱を受けたり、

フェアであるべき議論の場で、
自身の利益のために烏合の衆を
味方に加える姑息な手で、
窮地を迎える屈辱も経験したり、

敵(かな)う相手であろうと、なかろうと、
自身の義を通す行動は
自身の人格を護る「聖戦」と信じ、

年端(としは)もいかぬ頃より、
今に至るまで、
幾度も「聖戦」を繰り返してきた。


思えば、「聖戦」と信じた戦いの
代償も大きかった。

掛け替えのない人生の師を失い、

多くの友は離れ、

職を失い、嫁には逃げられ、

背中に嫌われ者の札を貼られ、

いつしか孤立無援・・


耳を澄ませば、

「あの野郎、まだ生きてるのか。
一日も早く、くたばってしまえー」
の大合唱。

そこで、
小生の訃報を、いつか、いつかと、
待ち侘びているそんな皆さんへ、

本日は朗報です。

健康診断の結果、嫌われ者には、
大腸がんの疑いがあり、
先日、内視鏡の検査を受けました。



こんな格好でベットに横たわり、
いよいよ、内視鏡検査は始まります。

「運否天賦 (うんぷてんぷ)」
 と言う言葉があります。

「長い人生には良いこともあれば、
悪いこともある」。

そうした人の幸運や不幸は、
天によって定められたものであり、
運を天に任せる。という意味で、

嫌われ者の運命も
「天のみぞ知る」です。


有難いことです。
既に、祖父の享年を越すほどの年月を
生かしていただいております。

今更、じたばたしても
しょうがありません。

己の過去の悪行・不摂生が招いた
結末と思えば、全て、納得ができます。


遂に、検査結果報告の日が
やってきました。

「先生、あと、どれくらい
生きられますか?」

と尋ねたところ、少し間をおいて、

「せいぜい、3・・」と言って、
沈黙の後、

「持ってせいぜい、
30年ぐらいでしょうか?

ご心配なく、
がんの症状は一切、ありません」


内視鏡画像で腸の内部の様子を
説明しながら、先生が一言、

「年齢の割には、
きれいな腸をしています」。

症状のないことの安堵と、
先生の「きれいな」の言葉の嬉しさに、

検査結果に付き添ったスージィーに、
その画像を記念にスマホに収めて貰った。


10月になる今日まで、検査結果を
明らかにしなかったのには、
訳がある。

それは、多くの皆様の期待に
反したことへの申し訳なさ。

まして、嫌われ者のきれいな腸の
画像をアップでもしようものなら、

期待を裏切った悔しさの上に
更に、悔しさの上塗りを
虐(しいた)げる
ようなもの。

そのご心境、屈辱を憎む者には
痛いほどよく判ります。

この度は、皆様のご期待に応えられず
残念です。

「嫌われ者は、世にはばかる」 

あと30年、嫌われ者と
お付き合いいただきますよう、
切に願う次第です。
 


死に至る病の不安の呪縛から
解放された今の気分。

 

「If I Were a Bell」

もし、私が鐘だったら(鳴りっぱなしなの)

マイルス・デイヴィス・クインテット

コメント (5)
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