先月末頃のニュースで米海軍がイージス駆逐艦に故ダニエル井上上院議員の名前をつけると発表しました。調べてみると、68隻目のDDG-118(建造中)でした。綴りは「Daniel Inouye」でした。
同時に約40数年前、初めてロスアンジェルスに行った時のかすかな記憶が蘇りました。その昔、日系アメリカ人の名前をつけた輸送船があったのです。その船は、「USNS Pvt. Sadao S. Munemori」です。日本式に言えば、「旨森貞雄上等兵」です。
19世紀末に広島県から移民として渡った両親の次男としてロスアンジェルスで生まれ、強制収容所から米陸軍に入隊、勇猛果敢で有名な日系アメリカ人で編成された第442連隊戦闘団に所属しました。1945年イタリア戦線、ジョージア高地において同僚2名の入っている塹壕に転がってきた手榴弾にとっさに覆いかぶさって戦死、自らを犠牲にして仲間を救った功績により日系人として初めて名誉勲章を受賞しました。22歳でした。
戦後、1947年に就役した輸送船に名前がつけられ、1969年まで活躍したそうです。そして、ロスアンジェルスのエバーグリーン墓地に、大きな碑が建てられています。日本語で「殉国碑」とあります。頂上には旨森上等兵の全身像が彫られています。若かったF老人は某有名人の親類である日系アメリカ人とともにお参りし、名前のついた船があると聞きました。
米海軍の艦船には人の名前が多く付けられ、功績のあった将官などに混じって多くの兵隊の名前がつけられています。例えば、アーレイバーク級イージス駆逐艦の13番艦「Stethem(ステザム)」(ミサイル防衛対応艦で横須賀に在籍しています。)は1985年に起きたイスラム過激派によるハイジャック事件で唯一犠牲になった潜水士Stethem2等兵曹の名前がつけられています。
旨森上等兵も名前が船に付けられたことで多くの人に功績が知られ、尊敬されることになったと思います。
日本の船はご存知のように気象天象その他ですが、日本語の響きの美しさを感じさせる船が多いですよね。「はつゆき」「あさぎり」「むらさめ」「たかなみ」「あきづき」等々
逆に「東郷平八郎」や「山本五十六」はしっくり来ない気がします。
新DDHは「かが」「とさ」(響きから言うと「あかぎ」「あまぎ」も良)を期待しているのですが、今をときめく方にちなんで「ながと」になるという噂があります。「ながと」「むつ」もいいのかもしれません。いずれにせよ、この夏には分かりますね。
「ながと」のうわさ・・いいですねえ。
家系や名門意識の高い日本では人物名はなじみませんね。