金1個じゃあ、割に合わない 血税100億円 メダル量産費「水の泡」
(日刊ゲンダイ)より
天下り団体が前例踏襲で差配の愚
女子柔道の松本薫の快挙に、霞が関の役人もホッと胸をなで下ろしたことだろう。
民主党政権が国家プロジェクトに掲げた「金メダル量産」事業。財政事情が厳しい中、
文科省が音頭を取って、ロンドン五輪の有望種目に総額100億円超の血税を投じてきたのだ。
金1個じゃあ、まだまだ「壮大なムダ」と批判されかねない。
「トップ選手でも海外遠征費は自己負担。厳しい状況で競技していることを理解してほしい」
政権交代直後の事業仕分けで、スポーツ関連予算の削減判定にアマチュアスポーツ界が猛反発。
フェンシングの太田雄貴や、アーチェリーの山本博ら五輪メダリストが
反論会見を開いた光景を覚えている人も多いだろう。
その後、国のスポーツ関連予算はどうなったか。
実は右肩上がりで増え続けているのだ。
「メダル有望種目に予算を重点配分する『マルチサポート事業』
という新たな強化費が増えたのです。
自民党政権時代の08年に始まった制度ですが、政権交代の
“目玉事業”として予算が拡大。
09年度の3億円が、今年度は約28億円です。
据え置きのままのJOCへの補助金(約26億円)を上回る額まで跳ね上がっています」
(政界関係者)
この事業でメダル獲得が有力な「ターゲット競技」と認定されると、
情報収集や栄養管理など選手の後方支援が飛躍的に向上する。
「金」有力の「ターゲットA」に選ばれた男子体操は、内村航平が1万ファイル以上に及ぶ
自身の演技映像をどこでも閲覧できるデータベースを構築。
メダル有力の「ターゲットB」の男女卓球は、1000万円をかけて中国勢の独特なサーブを
再現する練習マシンを開発した。
民主党政権の誕生以降、メダル獲得に投下した予算は100億円を軽く超える。
問題はどの競技を重視して大金を投じてきたのかだ。
「Aランクに選ばれたのは柔道、レスリング、競泳、ライフル、
男子体操など日本の“お家芸”ばかり。
金メダル有力の女子サッカーは昨年のW杯優勝を受け、今年4月に慌ててAランク認定。
それまで“金欠”で選手の食事管理すらおぼつきませんでした」(スポーツジャーナリスト)
文科省は「対象競技は直近の国際大会の成績を考慮し、
有識者の提言を受けて選んでいる」(スポーツ・青少年局競技スポーツ課)というが、
マルチサポート事業の実施主体は文科省の外郭団体「日本スポーツ振興センター」。
理事には文科省OB2人と、なぜか財務省OBもいる。
典型的な天下り団体が差配するから、前例踏襲で当たり障りのない競技だけに、
カネが使われるのだ。
ようやく女子柔道で金が1つとれたが、このままの状況が続けば、
天下り理事はどう責任を取るのか。
重量挙げの三宅宏実のように強化費の対象外でもメダルを獲得する選手もいる。
国の手厚いサポートより、選手にハングリー精神を植えつけた方が、
よっぽどメダルへの近道になるんじゃないか。
(日刊ゲンダイ)より
天下り団体が前例踏襲で差配の愚
女子柔道の松本薫の快挙に、霞が関の役人もホッと胸をなで下ろしたことだろう。
民主党政権が国家プロジェクトに掲げた「金メダル量産」事業。財政事情が厳しい中、
文科省が音頭を取って、ロンドン五輪の有望種目に総額100億円超の血税を投じてきたのだ。
金1個じゃあ、まだまだ「壮大なムダ」と批判されかねない。
「トップ選手でも海外遠征費は自己負担。厳しい状況で競技していることを理解してほしい」
政権交代直後の事業仕分けで、スポーツ関連予算の削減判定にアマチュアスポーツ界が猛反発。
フェンシングの太田雄貴や、アーチェリーの山本博ら五輪メダリストが
反論会見を開いた光景を覚えている人も多いだろう。
その後、国のスポーツ関連予算はどうなったか。
実は右肩上がりで増え続けているのだ。
「メダル有望種目に予算を重点配分する『マルチサポート事業』
という新たな強化費が増えたのです。
自民党政権時代の08年に始まった制度ですが、政権交代の
“目玉事業”として予算が拡大。
09年度の3億円が、今年度は約28億円です。
据え置きのままのJOCへの補助金(約26億円)を上回る額まで跳ね上がっています」
(政界関係者)
この事業でメダル獲得が有力な「ターゲット競技」と認定されると、
情報収集や栄養管理など選手の後方支援が飛躍的に向上する。
「金」有力の「ターゲットA」に選ばれた男子体操は、内村航平が1万ファイル以上に及ぶ
自身の演技映像をどこでも閲覧できるデータベースを構築。
メダル有力の「ターゲットB」の男女卓球は、1000万円をかけて中国勢の独特なサーブを
再現する練習マシンを開発した。
民主党政権の誕生以降、メダル獲得に投下した予算は100億円を軽く超える。
問題はどの競技を重視して大金を投じてきたのかだ。
「Aランクに選ばれたのは柔道、レスリング、競泳、ライフル、
男子体操など日本の“お家芸”ばかり。
金メダル有力の女子サッカーは昨年のW杯優勝を受け、今年4月に慌ててAランク認定。
それまで“金欠”で選手の食事管理すらおぼつきませんでした」(スポーツジャーナリスト)
文科省は「対象競技は直近の国際大会の成績を考慮し、
有識者の提言を受けて選んでいる」(スポーツ・青少年局競技スポーツ課)というが、
マルチサポート事業の実施主体は文科省の外郭団体「日本スポーツ振興センター」。
理事には文科省OB2人と、なぜか財務省OBもいる。
典型的な天下り団体が差配するから、前例踏襲で当たり障りのない競技だけに、
カネが使われるのだ。
ようやく女子柔道で金が1つとれたが、このままの状況が続けば、
天下り理事はどう責任を取るのか。
重量挙げの三宅宏実のように強化費の対象外でもメダルを獲得する選手もいる。
国の手厚いサポートより、選手にハングリー精神を植えつけた方が、
よっぽどメダルへの近道になるんじゃないか。
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