小沢氏不起訴へ (永田町異聞)より
たぶん、司法記者クラブ加盟の全社が昨夜、東京地検幹部宅への夜回りで、同じことを聞いたのであろう。
幹部の語った内容は、小沢一郎氏の関与を裏づける証拠が出ていないというニュアンスを帯びていたに違いない。
そこで、社によって書き方が二つに分かれた。
「小沢氏、不起訴の方向」との観測を一面トップで打ち上げたのが朝日新聞。TBSは昨夜、ニュース速報を流した。毎日、共同、時事も同じく「不起訴方針」。
一方、産経、読売、日経は「小沢氏の立件について今日、上級庁と最終判断」と、慎重な姿勢を示した。産経、読売は小沢悪党論の急先鋒だけに、手のひらを返したように書けないのだろう。
筆者は1月28日の記事 で「小沢側も、検察側も、聴取を機にひとまずファイティングポーズをゆるめたということではないか」と書いた。
1回目の事情聴取のあとの、経過をながめると「不起訴方向」への流れは感じ取ることができたはずだ。
まず、小沢氏が25日の記者会見で「私は捜査が公正を欠くようなことをしているとは思っておりません」と、検察との対決姿勢を引っ込めたこと。
次に、1月31日に検察は秘密裏に小沢氏から二度目の聴取をしていたこと。検察に立件の自信があれば、メディアに知らせるはずだ。
2月1日の定例会見で、小沢氏自身が聴取の事実を公表したことは、小沢氏の心のゆとりをあらわしていた。
石川議員については、検察が検察の威信を守るため、政治資金規正法の虚偽記載で起訴するのは、まず間違いない。
歴史的政権交代を果たした民主党政権を揺るがす捜査を、マスメディアの宣伝力を借り、世間を大騒ぎさせて進めてきたのだから、不起訴や起訴猶予では済ませられないというのが実情だろう。
しかし、これで与党の最高実力者、小沢幹事長の政界追放に失敗するとすれば、検察は自民党との深い関係を断ち切る必要に迫られるかもしれない。
自民党政権時代、東京地検特捜部は決して自民党を壊滅状態に追い込まないよう配慮しつつ、組織の存在価値を高めるために、政治家のカネがらみの事件に容赦ない姿勢を見せつけてきた。
霞が関、自民党の安泰こそが、検察組織の安泰でもあった。それが、政権交代で危機にさらされることになった。
取調べの全面可視化や、検事総長の民間登用など、司法改革の本格化を阻むためにも、今夏の参院選で民主党を敗北に追い込み、自民党の復権に期待をかけるしかなかった。
検察と自民党の関係を物語るエピソードがある。
「リクルート事件・江副浩正の真実」。江副氏自身が、事件の発覚から裁判の終結までを記録した本だ。
江副率いるリクルート社が関連会社の未公開株を、中曽根康弘、竹下登、宮澤喜一、安倍晋太郎ら90人を超える政治家に、店頭公開前に譲渡した大事件については周知の通りだ。
1989年4月26日のことだった。東京地検特捜部の夜の取り調べが終わりいったん房に落ち着いていた江副は、看守に連れられて再び取調室に舞い戻った。
そこで、検事が奇妙なことを語り始める。
「これから聞くことは事件の取調べとはいっさい関係ない。今から10名の政治家の名前を書いたものを見せる。政治献金やパーティー券購入について、関連会社も含めて、あるかないか一人ずつ聞いていくから本当のことを言ってくれないか。本庁からの指示だ。時間がない。すぐ答えてくれ」
書かれていたのは福田赳夫、河本敏夫、金丸信、後藤田正晴、奥野誠亮、田中龍夫、河野洋平、梶山静六、坂田道太らだ。
江副氏は「おそらく竹下内閣退陣表明を受けた閣僚候補のリストだったのだろう」と書いている。
この前日の4月25日、竹下首相は辞意を表明、6月3日、内閣は総辞職した。
江副氏は「新閣僚にリクルート関連のパーティー券購入があると困ると考えたようだ」と推測。
「特捜が水面下で自民党と繋がっていることを知った出来事だった」と記している。
小沢氏を政界から追放できないとすれば、検察としては自民党に自力で参院選に勝ってもらうしかないだろうが、その谷垣自民党がいかにも頼りなく、いまや「第3極」を見据えた政界再編の草刈り場となりつつある。
政治から一定の独立性を持っているとはいえ、行政機関のひとつでもある検察が今後、民主党政権とどのように付き合っていくのか。
仮に起訴されるとして、石川議員がこれから先、保釈時期を含めどのような処遇を受けるかが注目点だろう。
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小沢幹事長、キャンベル米国国務次官補の表敬訪問を受ける
小沢一郎幹事長は2日午後、国会内でカート・キャンベル米国国務次官補、
ジョン・ルース駐日米国大使らの表敬訪問を受け、意見交換を行った。
たぶん、司法記者クラブ加盟の全社が昨夜、東京地検幹部宅への夜回りで、同じことを聞いたのであろう。
幹部の語った内容は、小沢一郎氏の関与を裏づける証拠が出ていないというニュアンスを帯びていたに違いない。
そこで、社によって書き方が二つに分かれた。
「小沢氏、不起訴の方向」との観測を一面トップで打ち上げたのが朝日新聞。TBSは昨夜、ニュース速報を流した。毎日、共同、時事も同じく「不起訴方針」。
一方、産経、読売、日経は「小沢氏の立件について今日、上級庁と最終判断」と、慎重な姿勢を示した。産経、読売は小沢悪党論の急先鋒だけに、手のひらを返したように書けないのだろう。
筆者は1月28日の記事 で「小沢側も、検察側も、聴取を機にひとまずファイティングポーズをゆるめたということではないか」と書いた。
1回目の事情聴取のあとの、経過をながめると「不起訴方向」への流れは感じ取ることができたはずだ。
まず、小沢氏が25日の記者会見で「私は捜査が公正を欠くようなことをしているとは思っておりません」と、検察との対決姿勢を引っ込めたこと。
次に、1月31日に検察は秘密裏に小沢氏から二度目の聴取をしていたこと。検察に立件の自信があれば、メディアに知らせるはずだ。
2月1日の定例会見で、小沢氏自身が聴取の事実を公表したことは、小沢氏の心のゆとりをあらわしていた。
石川議員については、検察が検察の威信を守るため、政治資金規正法の虚偽記載で起訴するのは、まず間違いない。
歴史的政権交代を果たした民主党政権を揺るがす捜査を、マスメディアの宣伝力を借り、世間を大騒ぎさせて進めてきたのだから、不起訴や起訴猶予では済ませられないというのが実情だろう。
しかし、これで与党の最高実力者、小沢幹事長の政界追放に失敗するとすれば、検察は自民党との深い関係を断ち切る必要に迫られるかもしれない。
自民党政権時代、東京地検特捜部は決して自民党を壊滅状態に追い込まないよう配慮しつつ、組織の存在価値を高めるために、政治家のカネがらみの事件に容赦ない姿勢を見せつけてきた。
霞が関、自民党の安泰こそが、検察組織の安泰でもあった。それが、政権交代で危機にさらされることになった。
取調べの全面可視化や、検事総長の民間登用など、司法改革の本格化を阻むためにも、今夏の参院選で民主党を敗北に追い込み、自民党の復権に期待をかけるしかなかった。
検察と自民党の関係を物語るエピソードがある。
「リクルート事件・江副浩正の真実」。江副氏自身が、事件の発覚から裁判の終結までを記録した本だ。
江副率いるリクルート社が関連会社の未公開株を、中曽根康弘、竹下登、宮澤喜一、安倍晋太郎ら90人を超える政治家に、店頭公開前に譲渡した大事件については周知の通りだ。
1989年4月26日のことだった。東京地検特捜部の夜の取り調べが終わりいったん房に落ち着いていた江副は、看守に連れられて再び取調室に舞い戻った。
そこで、検事が奇妙なことを語り始める。
「これから聞くことは事件の取調べとはいっさい関係ない。今から10名の政治家の名前を書いたものを見せる。政治献金やパーティー券購入について、関連会社も含めて、あるかないか一人ずつ聞いていくから本当のことを言ってくれないか。本庁からの指示だ。時間がない。すぐ答えてくれ」
書かれていたのは福田赳夫、河本敏夫、金丸信、後藤田正晴、奥野誠亮、田中龍夫、河野洋平、梶山静六、坂田道太らだ。
江副氏は「おそらく竹下内閣退陣表明を受けた閣僚候補のリストだったのだろう」と書いている。
この前日の4月25日、竹下首相は辞意を表明、6月3日、内閣は総辞職した。
江副氏は「新閣僚にリクルート関連のパーティー券購入があると困ると考えたようだ」と推測。
「特捜が水面下で自民党と繋がっていることを知った出来事だった」と記している。
小沢氏を政界から追放できないとすれば、検察としては自民党に自力で参院選に勝ってもらうしかないだろうが、その谷垣自民党がいかにも頼りなく、いまや「第3極」を見据えた政界再編の草刈り場となりつつある。
政治から一定の独立性を持っているとはいえ、行政機関のひとつでもある検察が今後、民主党政権とどのように付き合っていくのか。
仮に起訴されるとして、石川議員がこれから先、保釈時期を含めどのような処遇を受けるかが注目点だろう。
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小沢幹事長、キャンベル米国国務次官補の表敬訪問を受ける
小沢一郎幹事長は2日午後、国会内でカート・キャンベル米国国務次官補、
ジョン・ルース駐日米国大使らの表敬訪問を受け、意見交換を行った。
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