ジェンダーから見るカンボジア

南国のカンボジアからの日記、ジェンダー視点でカンボジア社会を分析します

建設現場で働く女性たちの声

2018年06月13日 | 建設現場の女性たちの調査



建設現場で働く女性たちの声を聞いてもらおうと、学生たちを現場に派遣?して、インタビューしてもらった。
200人学生がいるので、グループに分けていて、20グループで7−10人くらいのメンバーでの共同作業。

宿題の締め切りに宿題を提出できたのは、20グループのうちの15グループ。みんな、締め切りを甘く考えてるのである。


↓提出された宿題をファイルして丁寧に読み込む作業、みんな機械的にインタビューしてるような・・・


コ・ペッチと大学周辺の建設現場でインタビューしている事例が多くて、身の周りをみわたせば建設現場ばかりだなと改めて思う。
そういう場所で働く女性たちは、休日もなく(さらに休日手当もない)、朝から晩まで働いて、5−7ドルしか稼げない。食べるだけでも精一杯で、怪我したり病気したって、休んでいられない。
ある女性は、休むと罰金で一日6ドル給料を天引きされるそうで、それはマッサージで’働く女性に対する搾取と同じやり方なのである。
ただ、雇用主によって、働き手に対する対応がかなり違うので、一概に資本家が悪いとは言い切れない。まあ、対価に見合う給料を払っているかというと、それは全く搾取だけれど。


学生たちの宿題では、写真を数枚入れないといけない課題にしたので(ちゃんと調査しているかの証拠)、みんな色々工夫して作業現場の写真を撮ってくれた。

↓インタビュー項目にあった、綺麗な水へのアクセスの写真、これは共同で使う飲料水だそう


今回の調査では、200人以上の建設現場で働く女性にアクセスしてもらったけれど、残念ながら、どれもこれも、とても浅いインタビューばかり。
まず、一回会いに行くくらいじゃダメなんだろうな。きっと心を開いて話をしてくれない。恥ずかしがってたり。
加えて、女性たちは、人に質問されることに慣れていないんだろうな。自分の意見を聞かれることがなければ、意見をまとめる習慣もないし、意見を表明することもできない。
さらに、苦情というか仕事環境に文句を言ったらクビになるかもしれないと怖がってるのかもしれないな。

工事現場で、一階(日本でいう2階)から落ちて、先月怪我をした、っていう女性のインタビューがあったんだけれど、で???その後のフォローアップ質問がないのである。かなり怪我したんじゃないかと思うのだが、すでに仕事をしているので、我慢してるんだろうか・・・・? こういう中途半端な記載が結構あって、うーん、もったいないと思うのである。

学生にはもっと好奇心を持って欲しいな。

でも、建設現場に出向いて、一生懸命インタンビューしてくれて、それはそれできっといい経験になっただろう。
なかなかいい出来の宿題だったので(みんな文章を書くのはまだまだだけれど、インタビューはちゃんとやってる)、次の宿題も、とっても難しいものにしようと。


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