現代児童文学

国内外の現代児童文学史や現代児童文学論についての考察や論文及び作品論や創作や参考文献を、できれば毎日記載します。

神沢利子「あほう鳥とくじら」いないいないばあや所収

2018-08-10 11:40:55 | 作品論
 誰もが子どものころに経験する、家具や庭木を使った空想の冒険ごっこの日々。
 私も友だちやいとこたちとしましたし、私の息子たちも特に二段ベットを使って熱心にやっていました。
 そのうそっこ(私の育った地域ではうそんこといっていました)と本当(同じくほんこといっていました)の世界の区別がつかないさらに幼い子どもたちの様子が、この作品では鮮明に描かれています。
 子どもの成長に欠かすことのできないこれらの発達段階のリアルとファンタジーの入りじまった世界は、おそらく児童文学の世界(特にファンタジーにおいて)の大きなよりどころでしょう。
 その時の記憶を大人になっても忘れないでいられることは、児童文学作家の大事な資質のひとつです。
 この作品は、そんな児童文学作家の創作の秘密を垣間見せてくれます。
 
いないいないばあや (岩波少年少女の本)
クリエーター情報なし
岩波書店

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