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現代児童文学

国内外の現代児童文学史や現代児童文学論についての考察や論文及び作品論や創作や参考文献を、できれば毎日記載します。

児童文学における「繰り返しの手法」

2016-10-19 08:36:28 | 考察
 児童文学、特に絵本や幼年童話では、「繰り返しの手法」が使われます。
 「繰り返しの手法」というのは、登場人物やシチュエーションを変えながら、同じような場面を繰り返すことです。
 わかりやすい例をあげると、「ももたろう」では、イヌ、サル、キジがキビダンゴをもらって桃太郎の家来になるシーンが繰り返されます。
 読者、あるいは読み聞かせやお話を聞いている子どもたちは、二番目のサルのシーンではイヌと同じようにキビダンゴをもらったことで喜び、三番目のキジのシーンでは、心の中で「キジもきっとキビダンゴをもらうぞ」と期待し、それが実現することでさらに大喜びします。
 このように、「繰り返しの手法」は、読者が物語の世界に自ら入っていくことを助けるのです。
 「ももたろう」の例では繰り返しは三回だけですが、もっと長く繰り返される場合もあります。
 そんな時は、読者の期待に応えるシーンと期待を裏切るシーンを、うまく混ぜることによって変化をつけて、さらに読者を物語に引き込むことができます。

ももたろう (日本傑作絵本シリーズ)
クリエーター情報なし
福音館書店

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