現代児童文学

国内外の現代児童文学史や現代児童文学論についての考察や論文及び作品論や創作や参考文献を、できれば毎日記載します。

デービッド・アーモンド「世界のまんなか」星を数えて所収

2017-02-07 17:27:18 | 作品論
 生まれ育った小さな町、優しい母さん、仲のいい兄弟姉妹たち、墓場に眠る父さんと妹、懐かしい風景やそこで暮らす人々。
 作者の子ども時代の思い出が、淡々と優しく綴られています。
 児童文学研究者の石井直人は、今後、児童文学が生き残っていくためのキーワードのひとつに「ノスタルジア」をあげて、この作品をその一例としています。
 たしかに、児童文学が、「子どものための文学」から、もっと広範な世代の特に女性のためのエンターテインメントに変質しているとしたら、ノスタルジアも一つの方向性でしょう。
 しかし、「子どものための文学」として、ポスト現代児童文学の姿を探していくならば、こういった作品がいくら懐かしくて、別のアプローチを考えなくてはならないと思います。

星を数えて
クリエーター情報なし
河出書房新社

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