現代児童文学

国内外の現代児童文学史や現代児童文学論についての考察や論文及び作品論や創作や参考文献を、できれば毎日記載します。

本谷有希子「アウトサイド」嵐のピクニック所収

2017-10-05 08:46:44 | 参考文献
 劇作家である本谷の連作短編集の冒頭の短編です。
 全くやる気のないくせに長年ピアノを習っている主人公が、一時だけ猛烈にやる気を起こしたきっかけを作ったピアノの先生を回想します。
 エッセイのような小説のような微妙な書き方なのですが、非常にあっさりしていて読みやすく、ヤングアダルト向けエンターテインメントの分野に位置づけられるかもしれません。
 ところどころに劇作家ならではの場面転換や状況設定の才気が感じられますが、小説としてはかなり荒っぽい書き方の作品です。

嵐のピクニック
クリエーター情報なし
講談社
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

村中季衣「おいちゃんと」たまごやきとウインナーと所収

2017-10-05 08:45:48 | 作品論
 母子家庭の小学二年生の男の子と、母親が夜はいないのでいつも彼が一人で夕食を食べている、そば屋の主人との心のふれあいを描いています。
 主人公と担任や母親との心の擦れ違いや、ボートレース好きの父親の急死や、そば屋の閉店(本格的な店なのですが、あたりにその味を分かる人が少なかったようです)など、全体に暗い話題が多く、しかもそれが未消化なままなので、子ども読者には難しく、作者が想定しているこの作品の読者は、はたして誰なのかと疑問に思いました。

たまごやきとウインナーと (偕成社コレクション)
クリエーター情報なし
偕成社
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする