現代児童文学

国内外の現代児童文学史や現代児童文学論についての考察や論文及び作品論や創作や参考文献を、できれば毎日記載します。

色川武大「尻の穴から槍が」怪しい来客簿所収

2017-03-04 13:48:35 | 参考文献
 前半は「痛苦」についての作者の感覚(例えば、殴られるのは慣れているから平気だが、たとえ手術でも体を刃物で切られるのは耐えられないなど)について語られていますが、後半の作家として世に出るまでの職歴の話の方が面白いです。
 自分を劣等な人間だと定義し、その上で生き延びるための以下の戒律は、戦時下の混乱の中とばくちによって覚った教訓の応用だとしています。
 一か所に淀まないこと。
 あせって一足飛びに変化しようとしないこと。
 他人とちがうバランスのとりかたをすること。
 私も含めて普通の人間にはなかなかできないことばかりですが、振り返ってみると今まで魅力的だと思った人物は、自然とこういった戒律に無意識のまま従っていたようです。
 児童文学でも、こうした戒律に従った登場人物を描けば成功することでしょう。

怪しい来客簿 (文春文庫)
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文藝春秋
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ビバリーヒルズ・コップ2

2017-03-04 11:45:13 | 映画
 アクション・コメディの人気シリーズの第二作です。
 今回も、デトロイト警察の潜入捜査官の主人公と、ビバリーヒルズ警察のベテランと若手コンビの三人の活躍です。
 前回と違って、三人は初めから仲良しなので、前のような奇妙な緊張関係がなくて、その面白さが減っています。
 ただし、1987年の作品なのですが、当時人気のあったクリント・イーストウッドの「ダーティ・ハリー」やシルベスター・スタローンの「ランボー」のパロディもあって、楽しめるつくりになっています。
 また、CGなしのリアルなアクション・シーンは、前回より盛りだくさんです。
 第一作がヒットしてシリーズ化されたアクション映画(例えば、「ロッキー」、「ターミネーター」、「ダイ・ハード」など)はどれもそうなのですが、シリーズが進むにつれてアクション・シーンが派手になって、その分ドラマ性は薄れるようです。
 これは、マンガやアニメも同様でしょう。
 児童文学の世界でも、「ハリー・ポッター」シリーズなどはその傾向があるようです。

ビバリーヒルズ・コップ2 (字幕版)
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