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読書日記☆こんな本読んでます

2004年1月からの記録です。
この頃積ん読が多くっていけません....

桜宵

2006-05-19 |  北森鴻
桜宵

北森鴻

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『一度たずねてみてください。わたしがあなたに贈る最後のプレゼントを用意しておきました―。そう綴られた亡き妻の手紙だけを頼りに、ビアバー“香菜里屋”にやってきた神崎。マスター・工藤が語った、妻がプレゼントに込めた意味とは…。客から持ちかけられた謎の数々を解明かす連作短編集の第2弾。』

北森 鴻を読むまでは短編は嫌いだったのであるが・・・。
特にミステリーとして意識して読んでないように思う。
ビアバー“香菜里屋”の雰囲気、マスター・工藤の人柄、美味しそうな料理のレシピ・・・そういうものを楽しんでいる。
ほっこり和んだ味の中にぴりりと香辛料の辛さも・・・
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共犯マジック

2006-05-03 |  北森鴻
共犯マジック

北森鴻

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『人の凶兆・不幸のみを予言する、謎の占い書「フォーチュンブック」。読者の連鎖的な自殺を誘発し、回収騒ぎにまで発展したこの本を、松本市のとある書店で偶然入手した、七人の男女。彼らは、運命の黒い糸に搦めとられ、それぞれの犯罪に手を染める。そして知らず知らずのうち、昭和という時代の“共犯者”の役割を演じることに…。錯綜する物語は、やがて、驚愕の最終話へ―!!連作ミステリーの到達点を示す、気鋭・北森鴻の傑作最新長篇。』

登場人物が最終章で予想外のつながりを見せて大団円というのは森村誠一の得意技だけど、そこまでの緻密な構成というものはなく、物足りなさが残る。
最初からこの七人の男女が結びつくということがわかっていて結び付けても"驚愕の最終話"というわけにはいかない。

北森 鴻の読者層に対して、昭和の時代の大きな事件はほとんど記憶もなくインパクトを持たないだろうし、またなまじその事件を知っている世代には現実の事件を勝手に結び付けてしまうことには違和感が残るだろう。

かなり好きな北森 鴻ではあるけど、この本はおすすめしない。
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緋友禅―旗師・冬狐堂

2006-02-02 |  北森鴻
緋友禅―旗師・冬狐堂

北森鴻

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『わたしは宇佐見陶子と申します。
骨董業―といっても旗師といいまして、店舗を持たずに競り市から競り市へ、骨董店から骨董店を渡り歩いて品物を仕入れ、流通させるバイヤーのような存在なのです。
骨董の世界は、魑魅魍魎の住処と言われます。
時に悲劇が、時に喜劇が、ない交ぜに流れて人々を押し流してゆく。
そうした光景が日常的に観察される世界です。
騙しあいと駆けひきの骨董業界を生き抜く美貌の一匹狼。
古美術ミステリー。
◆陶鬼◆「永久笑み」の少女◆緋友禅◆奇縁円空の4編』

やっと文庫になったので早速読んだ。
期待に違わずどれも面白い。
陶鬼は萩焼、「永久笑み」の少女は埴輪、緋友禅は友禅の楊枝糊置きの手法、奇縁円空は円空仏についての薀蓄が語られる。
ミステリとそれらの薀蓄が一体化した世界。
ぜひお試しあれ。
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狂乱廿四孝

2006-01-05 |  北森鴻
狂乱廿四孝

北森鴻

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『明治三年。脱疽のため右足に続き左足を切断した名女形、沢村田之助の復帰舞台に江戸は沸いた。ところが、その公演中に主治医が惨殺され、さらには、狂画師・河鍋狂斎が描いた一枚の幽霊画が新たな殺人を引き起こす。戯作者河竹新七の弟子・峯は捜査に乗りだすが、事件の裏には歌舞伎界の根底をゆるがす呪われた秘密が隠されていた…。第六回鮎川哲也賞を受賞したデビュー表題作に、その原型となった短編「狂斎幽霊画考」を併せて収録。気鋭の原点とも言うべき傑作時代ミステリ。』

北森 鴻ファン、歌舞伎フアンとしては読んでおかなければならないかとは思ったのだけど・・・はっきり言って面白くない。
つまらない謎を解くのにのろのろ・うろうろするばかりで、もっと切り詰められたでしょう?
彼がすぐ後に短編作家として売れたのも大いに頷ける。
これ、北森 鴻ファンは読まないほうがいいかも。
救いは明治になったばかりの東京の市民の様子が垣間見えること。教科書で習う明治維新はいいことばっかりのような印象を受けるけど、実際はあれだけの革命が平穏無事に進行したわけじゃないはず。
それと明治初期の歌舞伎興行の様子がわかること。沢村田之助、河竹新七、八代目團十郎、仮名垣魯文、絵師河鍋狂斎・・・などなど。

しかし、北森 鴻はこの表紙にもなっている「絵」だけを見てこのストーリーを考え付いたのだろうか? その表現は稚拙でもアイデアは素晴らしい。
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孔雀狂想曲

2005-10-02 |  北森鴻
孔雀狂想曲

集英社

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『日々是好日? 骨董品をめぐって今日も事件が…。
いつも開店休業状態の下北沢の骨董屋・雅蘭堂。でも人々の思いのこもった「モノ」をめぐって事件が起きれば、雅蘭堂主人は名探偵となって謎を解決! 傑作ミステリ連作短編集。』

こんどは「狐闇」などにも出てくる雅蘭堂の店主・越名集治を主人公にした連作である。ほのぼの暖かく楽しんだ。
陶子がちらっと出てくるかと思ったけど、出てこなかった。なんか肩すかしのような気がしてしまって、次作を期待してしまうのは北森の術にはまったかな。
北森鴻は女性の主人公はエキセントリックなキャラが立った人間を描くのに、男性の主人公はほのぼの暖かい人になるのが面白い。

巻末解説の木田元氏(哲学者らしい)の言。そのまま引用させていただくと
「相性というものは、確かにある。恋人どうしでも夫婦でも同性の友人間でも、相性のよしあしはある。どこがどうだからとうまく説明はできないが、なんとなく相性がいいということはあるものだ。
 ミステリ作家と読者のあいだにも、明らかに相性のよしあしがある。七十年近くミステリを読んできての実感である。相性がわるいと、どれほど評判の名作でもうまくとっつけない。とっつけたとしても途中で放り出してしまう。読めばそれぞれ面白いと思うが、ほかの作品まで探し出してきて読もうという気にならないというのは、少し相性のいい作家。本当に相性がいいと、一つ読んだが最後、どうしてもほかの作品が読みたくなり、探しまわって、結局全部読みつくしてしまう。新作が出れば、飛びつくようにして読む。さすがにそんな作家はめったにいない。(後略)」
もちろん、その後に相性のいい作家として北森鴻の名前が続くのであるが、これは至言だと思う。人間に対しても、本に対しても・・・。
わが家では私に続いて長男がはまってしまった。めったにフィクションは読まないのに、である。未読の方はお試しあれ。

↓は単行本の装丁。同じ本とは思えないね~(笑)ここまで変えるのもめずらしいかも。





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触身仏

2005-09-29 |  北森鴻
触身仏

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『「わが村には特殊な道祖神が祀られている。」美貌の民俗学者・蓮丈那智のもとに届いた手紙。神すなわち即身仏なのだという。彼女は、さっそく助手の内藤三国と調査に赴く。だが調査を終えた後、手紙の差出人が失踪してしまった―。那智はいにしえの悲劇の封印を解き、現代の事件を解決する(表題作)。
山人伝説、大黒天、三種の神器、密閉された昏い記憶。本格民俗学ミステリ集。』

北森鴻の蓮丈那智シリーズ「凶笑面」の続き。
視点の力点が三国に置かれ過ぎていて、その分蓮丈那智の影が薄くなっている点が物足りないが、北森鴻の歴史の見方が興味深く、面白い。
参考文献等あるのかどうか知りたいところである。

蓮丈那智シリーズ3作目「写楽・考」が出ているけど、まだハードカバー・・・
文庫になるまで我慢だけど・・・いつまで耐えられるかな(笑)

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メイン・ディッシュ

2005-09-23 |  北森鴻
メイン・ディッシュ

北森鴻

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『小劇団「紅神楽」を主宰する女優・紅林ユリエの恋人で同居人のミケさんは料理の達人にして名探偵。どんなに難しい事件でも、とびきりの料理を作りながら、見事に解決してくれる。でも、そんなミケさん自身にも、誰にも明かせない秘密が…。ユーモラスで、ちょっとビターなミステリ連作集。文庫化に際して、新たに特別短編を加筆。さらに美味しくなった、スペシャル・メニューを召し上がれ。』

相変わらず読み続けている北森鴻。
軽く後味よく読めるから今の気分。
短編集でありながら連作としての謎も含み・・・北森鴻の真骨頂だと思う。
小劇団の内幕みたいなものも見れて、ちょいと演劇に興味を持ったばかりの私には面白かった。

ミケさんみたいなオトコがほしいなぁヾ(--;)ぉぃぉぃ
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狐闇

2005-09-19 |  北森鴻
狐闇

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『魔鏡を競り市で手に入れたことで、宇佐見陶子の運命は変わった。
市に参加していた男が電車に飛び込んだのを皮切りに周囲で命を落とす者が続出。
陶子は絵画の贋作作りの汚名を着せられ、骨董業者の鑑札を剥奪されてしまう。
狡猾な罠を仕掛けたのは誰か。
満身創痍の捜査行は日本の歴史の断層に迫っていく。』

狐罠」の宇佐見陶子であるが「凶笑面」の蓮丈那智助教授も重要なやくどころをこなしてて・・・。みんな「花の下にて春死なむ」のビアバー「香菜里屋」がお気に入りだし。
北森鴻の場合、全ての作品が有機的につながって北森ワールドを形成している。
そういう世界にはまれる人間はミステリーとしての欠陥など気にしない。稚拙な持って行きようでも、言いたいことをしっかり受け止められたら文句は言わない。
私は好きですよ

宇佐見陶子や蓮丈那智の描き方から、どうしても北森鴻が女性に思えてしかたないのである。こういう女性を描きたい男性ってどうなのかしらねぇ。
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凶笑面―蓮丈那智フィールドファイル〈1〉

2005-09-17 |  北森鴻
凶笑面―蓮丈那智フィールドファイル〈1〉

北森鴻

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『“異端の民俗学者”蓮丈那智。彼女の研究室に一通の調査依頼が届いた。ある寒村で死者が相次いでいるという。それも禍々しい笑いを浮かべた木造りの「面」を、村人が手に入れてから―(表題作)。暗き伝承は時を超えて甦り、封じられた怨念は新たな供物を求めて浮遊する…。那智の端正な顔立ちが妖しさを増す時、怪事件の全貌が明らかになる。本邦初、民俗学ミステリー。全五編。』

ここんとこ読み漁ってる北森 鴻。「本邦初、民俗学ミステリー」と謳ってはいるけど、そうかな。ま、民俗学ミステリーと謳うのが本邦初かもしれない。

『東経137度30分、北緯34度40分の付近の海上に南北5km 東西1kmほどの小島を仮定する。住民80名ほどのA集落と70名ほどのB集落に、このたび民族調査を試みた。その結果非常に興味深い事実を得ることができた。*この島には渡来神伝説、および浦島伝説に類する伝承が一切ない。このことについて可能なかぎりの仮説をあげよ』
のっけに書かれているのが蓮丈那智助教授の「フィールドワーク・民俗学各論2」の期末テスト問題である。これ、日本語の文章として必ずしも正しいとは言えないが、それはさておき、うまいよねぇ。これで蓮丈那智という人間の紹介はOK。
短編集であるということもあり民俗学としての掘り下げには疑問符が残るが民俗学的な視点というものを大衆に啓蒙するという意味でも評価されるべきなんだろうな。

最近北森 鴻を知ったわけだけど、昨夜2時間ドラマで「凶笑面」をやってるのを発見してびっくり!
けっこうメジャーなんだ~ヾ(--;)ぉぃぉぃ
ビデオには録ってあるのだけれど、見るか、見ないか・・・迷うなぁ(笑)


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支那そば館の謎

2005-09-06 |  北森鴻
支那そば館の謎

北森鴻

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『嵐山の奥の奥にある、ちょっとマイナーな名刹・大悲閣千光寺には次々と奇妙な事件が持ち込まれて…。元広域窃盗犯にして寺男の有馬次郎と、穏やかな相貌と鋭い観察眼をあわせもつ住職の二人が、みやこ新聞の自称「エース記者」折原けいや、京都府警の碇屋警部と共に難事件の謎に迫る! 京の風情と人情と、密やかな悪意と。傑作本格推理!
誰も知らないミステリアス京都をご案内します。』

北森 鴻づいているのだが・・・1作1作、違う面が見れて楽しい
これはミステリアスであり、ユーモラスであり
京都人の素顔、なんてものも見られたような気にもなり
なかなかに芸達者!
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