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ネアンデルタール人、世界最古の洞窟壁画・・65000年前の高度技法

2018-03-09 | その他先史文明
世界最古の洞窟壁画は、ネアンデルタール人によって作られていたことが判明しました。

彼らが抽象的思考ができないために、私たち現生人類(ホモサピエンス)に淘汰されたという通説を覆す研究です。

昨年はラスコー絵画展のことを長く調べましたが、このラバシエガ洞窟もラスコー洞窟やアルタミラ洞窟のすぐそばにあります。

人類の精神の発生に関する重大な問題をはらんでいると思われますが、まずは掲載記事を載せます。

ネアンデルタール人その他ホモサピエンス以前の人類については、大変興味深く思います。


「世界最古 洞窟壁画 65000年以上前 ・・ネアンデルタール人が制作」
                              朝日新聞2018・02・22

スペイン北部の世界遺産のラパシエガ洞窟の壁画が、世界最古の洞窟壁画であることが、国際研究チームの調査でわかった。

現生人類は当時欧州におらず、絶滅した旧人類ネアンデルタール人が描いたものとみられる。

22日付の米科学誌サイエンス電子版に発表された。

研究チームはラパシエガ洞窟など3カ所で動物や手形などの線描の部分に含まれる天然の放射性物質を高精度な年代測定法で調べた。

三つとも6万4800年以上前に描かれたものだとわかった。

 
現生人類がアフリカから欧州にやってきたのは4万~4万5千年前とされる。

1万数千年前のアルタミラ洞窟(スペイン)や約2万年前のラスコーの洞窟(フランス)など、これまでの洞窟壁画はすべて現生人類が描いたと考えられてきた。

4万年前に描かれたスペイン北部のエルカスティーヨ洞窟の壁画がこれまで最古とされてきたが、さらに2万年さかのぼる古い洞窟壁画と確認されたことで、研究チームは「すでにいたネアンデルタール人が描いた洞窟壁画だ」としている。


ネアンデルタール人は現生人類に近い種で、約40万年前に出現し、4万年~2万数千年前に絶滅した。

ラパシエガ洞窟の壁画には線を組み合わせた「はしご」のような図形もあった。

抽象的な考えを具体的な形で表す「象徴表現」の可能性がある。

人類の進化に詳しい佐野勝宏・早稲田大准教授は、

「〝象徴表現は現生人類のみが生まれつき持つ固有の認知能力”という考えが多数派だった。今回の年代が正しければ、ネアンデルタール人にもこの能力があったことになる」と指摘している。




この左端の方に、はしごのような図形が描かれているそうです。


以前の関連の新聞記事です。




ネアンデルタール人、1歳2か月で乳離れ・現代人より早い・・米研究チーム推定」

現代の人類とは別種のネアンデルタール人は1才2か月で乳離れしていた、とする研究成果を、米ハーバード公衆衛生大学院などの研究チームがまとめ、23日に発表する。

約2年半かかる現代人よりも乳離れの時期か早く、出産間隔が短かかった可能性がある。

研究チームは、母乳に「バリウム」という物質がわずかに含まれていることに着目した。

歯のエナメル質には成長の過程が年輪のように記録されて残ることを利用し、エナメル質のどの部分にバリウムが多く蓄積されているかを調べた。


ベルギーで発見された、8~13万年前に生きていたとみられるネアンデルタール人の子供の化石から奥歯を取って分析。

その結果、生後7か月は母乳だけで、続く7か月は母乳と離乳食の両方で育っていた可能性が高いことが分かった。

現代人の赤ちゃんが乳離れするまでにかかる期間は、社会環境によって異なるが、研究チームによると、産業化が進んでいない社会では平均して約2年半だという

近藤修・東京大学准教授(人類進化学)の話「新たな手法で、離乳の時期を推定した興味深い研究だ。ただ、分析が1例だけなので今後の検証が必要だろう」。

               ・・・



「ネアンデルタール人欧州絶滅、41000年~39000年前か・・英オックスフォード大など」
                            読売新聞2014・09・14

現代人とは別の人類とされるネアンデルタール人が欧州で絶滅したのは約41000年~39000年前とする研究結果を、英オックスフォード大学などの研究チームがまとめ、英科学誌ネイチャーに発表した。


チームは、ロシアからスペインにかけての約40か所の遺跡の年代を、約200の骨や炭などに残る放射性炭素を使って推定した。

従来は約35000年前など諸説あった。

今回の研究成果によると、欧州で現代人とネアンデルタール人が共存していた時期は2600年~5400年間となるという。

ネアンデルタール人の絶滅の原因は分かっていないが、気候変動に適応できなかった可能性と、現代人との競合が原因とする説が出されているという。

今回の発表について、国立科学博物館人類研究部の海部陽介グループ長は「高い精度で、絶滅の年代を絞り込んだ成果だ」と意義を話す。

                ・・・・・

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