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エドガー・ケイシーの「キリストの秘密」(1)・・エッセネ派の宇宙的役割

2018-01-14 | 古代キリスト教


「エドガー・ケイシーの、キリストの秘密」というリチャード・ヘンリー・ドラモンド氏の本を読んでみました。

これは、エドガー・ケイシーの、キリストに関するリーディングをまとめたものです。

著者は日本の国際基督教大学、東京神学大学、明治学院大学などでも、長きにわたってキリスト教学と比較宗教学の教鞭をとっていたということです。

リンクは張っておりませんが、アマゾンなどでご購入になれます。

                     *****

                 (引用ここから)

最後の晩餐が見える。

ここに主がおられる。

晩餐に彼らが食しているのは、煮魚とライス、それにニラと葡萄酒とパンだ。

ここで使われている水差しの一つは壊れている。

取っ手のところが壊れている。

それに、口のところもそうだ。

主の衣は白ではない。

真珠の灰色で、一つに縫い上げられている。

12人の中で、一番の美男子は、やはりユダだ。

一番若いのはヨハネだ。

卵型の顔に黒い髪。

すべすべした顔だ。

ヨハネだけが髪を短くしている。

ペテロは荒っぽくて気が短い。

ごわごわした短いひげをたくわえている。

アンデレはそれと正反対だ。

やや薄いひげを、顔の両側とあごの下の方に長く伸ばしている。

唇の上のひげも、かなり長い。

着ている物は灰色か、黒っぽいものである。

腰布は、縞模様になっている。

ピリポとバルトロマイの腰布は、赤と茶だ。


主の髪はほとんど赤で、一部巻髪になっている。

しかし女性的な感じはない。

力強い目は、青色、もしくは銅のような灰色で、見通すようなまなざしである。

主の体重は、少なくとも77キロはあるだろう。

長く先細の指爪は、きれいに揃っている。

この試練の時にあっても、陽気でいらっしゃる。

裏切られようとしている瞬間にあっても、冗談を飛ばされる。


袋が空になったユダが、離れて行き、最後の葡萄酒とパンが配られる。

葡萄酒とパンを手に取って、主はすべての弟子にとって、大事な象徴をお与えになる。


主は一枚の布でできたご自分の衣を横に置かれ、腰布に青いタオルを巻かれ、畳んだものを丸めた。

まず、ヨハネの前に、その次にヤコブの前にひざまずかれた。

ペテロの前にひざまずかれたが、ペテロは、ペテロは、それを拒んでいる。

ここで主は、〝最も偉大なる者は、すべての者に仕える″ということについて話されたのだ。

その洗い桶は木製で、取っ手の無いものだった。

水はひょうたんから取ったもので、そのひょうたんの水は、広口の水差しに入れてある。

その水差しは、ヨハネの父のゼベタイの家の中に置いてあったものだ。

ついに、「すべて終わった」という、あの場面が来た。

一同は、「詩編91番」を歌っている。

          ・・・

いと高きものの隠れ家に住む者は、全能者の陰に宿る。

私は主に言う。

主はわが避け所。

わがとりで。

我が神。

私は主を信頼する。

          ・・・

主は、音楽家でもいらっしゃる。

ハープをお弾きになるのだから。

一同は、その後、あの園へと出発する。


1932年6月14日のこのリーディングは、後日、エドガー・ケイシーや彼の周囲の人々は、最も美しいリーディングの一つとして数えあげるようになりました。


ケイシーのリーディングによると、アダムとして、そして最後にイエスとして受肉した魂は、「聖書」に登場する人物以外としても受肉している。

そのイエスの過去世の名前がすべて語られたわけではないが、「聖書」以外の人物として特に重要なの
は、ペルシャの予言者ゾロアスターの父としての過去世である。

その時の名を、ゼンドといった。


またイエスとなった魂が最初に受肉したのは、アトランティス時代のことで、その時の名はアミリウスである。

リーディングによると、アミリウスとしての受肉は、アダムとしての受肉以前のことである。

しかし現代的な意味での、肉体を最初にまとったのは、アダムである。


あるリーディングは、イエスが全部で30回の受肉を経験したと述べている。

ちなみに「ヨブ記」は、イエスがメルキゼデクとして受肉している時に書いたものであると述べている。

イエスの業と影響力について、ケイシーのリーディングは、さらにもっと重要な点を指摘している。


「この実体(イエスを指す)は、「神は一つである」ということを教えるあらゆる哲学、宗教思想に、直接的、もしくは間接的に影響した。

〝天父はただ一人である″、ということを根本原理としていた時代、主は、人間と共に歩まれた。

つまりキリストの霊と合一して、主は人間と共に歩まれた」。


これはイエスの過去世における役割について問うた質問に対する答えとして与えられたものである。


ナザレのイエスとなる魂は、受肉と受肉の間、霊界にいる時でも影響力を及ぼし、特にキリストと合一を成就した後は、その力が一層強くなったということである。

霊界から直接働きかける場合、地上の歴史的活動や運動を指導する者の深層意識に働きかけたのである。


リーディングによると、このように地上の出来事にたいして、高次の霊界が働きかけるということは、ユダヤ・キリスト教に限ったことではない。

もともと、ユダヤ教にたくさんの要素が後から付け加えられたように、儒教、仏教、プラトン主義、イス
ラム教にも、イエスが与えたものと同じものが多く付け加えられたのである。

「それゆえ、これらの宗教にはすべて同じ精神が流れている」。


「聖書」に登場するヘブライの最後の予言者からイエスが誕生するまでの400年間、イスラエルにはこれといった大きな歴史的出来事はなかったと言われるが、リーディングはこのような意見に異議をとなえる。

リーディングの主張によると、イエスとして知られる、かの大いなる意識が地上に入る際に、エッセネ派というグループがあり、

その宗派の人々は、彼らに与えられた、いにしえの約束を探求することに、その約束のため、自らの人生を捧げ、身も心も捧げたのである。


彼らの目的は、メシアの誕生の経路となるにふさわしい人物を育てることであった。

かれらエッセネ派の人々は、エリアの設立した預言者の学校の直系の霊統を継ぐ者たちであったということである。

またこの学校は、ある意味でサムエルが始めたものであり、またサムエル自身はメルキゼデクの教えを継承するものであった。

おどろいたことに、リーディングによると、エッセネ派はユダヤ人であろうと非ユダヤ人であろうと、平等にメンバーとして受け入れたのである。

エッセネ派の人々は、大きな国際的団体を持っていたといわれ、その当時の律法学者たちからは、異端視された。


ケイシーのリーディングによれば、エッセネ派の集会は、すべて秘密裡に行われた。

またエッセネ派は、多くの人々、特にパリサイ派のグループからは、反逆者とか過激分子のようにみなされたという記述もある。


ケイシーのリーディングは、マリアもヨセフも、またマリアのいとこであるエリザベツも、エッセネ派であり、彼らの子供もエッセネ派として育てられたと述べている。

リーディングは、エリザベツの夫であるザカリア(エルサレムの神殿の正統派の祭祀であった)は、最初
は、エッセネ派ではなかったが、晩年には神殿で見た幻がきっかけとなり、エッセネ派の支持者になった
と述べている。

また洗礼者ヨハネの父であるザカリアと、神殿と祭壇の間で殺されたザカリアとは、同一人物であるとした。

また、ザカリアが殺された理由は、彼が神殿で見た幻を公言したためであり、またおそらくそのような公言がエッセネ派への傾倒を示したためであろうと思われる。


リーディングは、キリストの誕生がいかに準備されたかを克明に描写している。

そしてマリアが選ばれ、養育される様子と、イエス誕生の様子に至って、描写はクライマックスを迎える。

リーディングは、イエスの処女降誕を断言する。

のみならず、古代東方の伝承にすら無いことも、主張する。

すなわちマリア自身も処女降誕した。

つまりマリアの母、アンも、人間の男性を知らずして、マリアを産んだというリーディングは、終始一貫
してマリアを高く評価している。

マリアは処女懐胎によって母体に宿っただけでなく、非常に神秘的・不可思議な概念であるが、「地球に
関するかぎり、主が地上に入られた際に、マリアとイエスは双子の魂(ツインソウル)であった」と述べられている。

              (引用ここまで)

               *****

キリスト教を、秘教的に語るには、エドガー・ケイシーの言葉遣いは、まことにふさわしく、また、もはやキリスト教的であることをやめて、異教的であるということもできるかと思います。



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