最近はあまり使われないが、昔は挨拶に「今日も
つつがなく」と言った。その意味は「病気になら
ない」「差しさわり・問題が無い」。つまり「今
日も病気や問題など差しさわりや煩わしいことが
ありませんように」と、相手を気遣った言葉だ
この手の挨拶は世界中にみられる
確かに病気や頭を悩ます諸問題は、平穏な日常を
揺るがす大敵だ。できれば、日々、何事もなく過
ごしたい。当然の感情だ
しかし、現実はそうはいかない
朝起きれば頭痛がする。子供が階段から落ちて
朝から騒がしい。出勤途中の電車で、押したと
か押さないとかで若者に絡まれ、怒声を浴びた
会社では自分のミスから損失が出た。嫌いな上
司からのパワハラ。部下からの悪口。配置転換
左遷。給与の減額。サービス残業。追いかけて
くるローンの支払い。給与が足りないとの女房
の罵声。子供の病気。親の介護。子供がイジメ
にあっている。女房が浮気している。痔が悪化
した。解雇された。親が病気。子供が非行に走
った。離婚した。家を売って侘しいアパート暮
らし。自分に病気がみつかった。死にそうだ…
「つつが」だらけだ
神や仏にすがろうとしても「現世は苦しみだらけ
だが、死んだら極楽、もしくは神の国の天国にい
けますよ。だから生前は一生懸命お布施して…」
そんな民主党のマニフェストみたいなもの信じら
れない。散々、利用してポイに決まってる
ああ、現実から逃げれば逃げるほど「つつが」は
襲ってくる。不幸は畳み掛けてくる
何がいけないのか…と考える。ハッと気づく
そうだ「つつがなく」の姿勢がいけないのだ
「つつが」から逃げるネガティブな生き方が
結局「つつが」を招きよせることになるのだ
だから、今度からは「つつがに負けぬ」姿勢で
人生を生きてみよう。これからは挨拶も「つつ
がなく」ではなく「今日もつつがに勝ちましょ
う」と言ってみよう。相手が変な目で見ようと
構いはしない
「あ、こんにちは。お元気でしたか。そうですか
それは良かった。では、今日もつつがに勝ってい
きましょう!」
不思議だ…心の姿勢を変えただけで、何か世の中が
逞しく強い空気に覆われているように思えてくる
心こそ大切なのだ