1ヶ月ほど前にブログで日本代表ブラジルW杯メンバー予想を行った。
昨日メンバー発表が行われ、予想と比較すると、鈴木→伊野波、細貝→青山、憲剛→長谷部、南野→齋藤、ハーフナー→大久保の5人が外れたことになる。
代表選考というものはどんなメンバーを選んだところで不満の声は挙がるもの。私からも3点の不満を述べておきたい。
1. 若手の起用がなかったこと
サッカーで若手と呼べるのは五輪世代以下だろう。前回も香川が選出されなかったが、今回も最有力の南野が選外(予備登録には選ばれたが)となった。
先に発表されたドイツ代表の30人(まだ23人に絞られていない)の中に、10代二人、20~22までが6人いる。21歳のゲッツェや20歳のドラクスラーは23人の中に含まれる可能性は高い。
イングランド代表でも18歳のショーや19歳のスターリングが選ばれた。
もちろん、強豪国でも代表選出の考え方は様々だ。若手を選んでいない国も少なくない。若手として期待をかけても順調に成長できるかどうかは分からない。
それでも期待という意味では、若手の登用をして欲しかったと思う。
2. 海外で1シーズン主力で活躍した選手が選ばれなかったこと
細貝の落選はかなり意外に感じた。所属するヘルタは強豪ではないが、ブンデスで11位。昇格クラブとしては悪くない成績だった。監督に信頼され、本職のボランチだけでなくセンターバックで使われることもあった。攻撃面での物足りなさはあるが、守備だけで言えば日本人ボランチとしてはトップクラスだし、守備が求められる場面はW杯で必ずあるだろう。
ハーフナーも代表では結果を残せなかったが、クラブでしっかりと結果を残すことができたシーズンだったと思う。予想のときも書いたが、相手にハーフナーの存在を警戒させるだけで意味がある。ベンチにいるだけでも、ハーフナーの高さは価値があると思ったのだが。
海外のクラブに所属していても、常に出場し続ける選手はそう多くない。今季で言えば、長友(34/37)、岡崎(33/34)、清武(33/34)、細貝(33/34)、ハーフナー(32/34)、酒井高(28/34)、酒井宏(26/34)。(川島は27/30)
内田や長谷部はケガの影響があるとはいえ、リーグ戦では試合数の半数以下の出場数となっている。香川、吉田はレギュラーを確保できず、本田もミランでは厳しい状況と言えるだろう。
海外組だから選ばれて当然という時代でなくなったことは素晴らしいと思うが、海外のクラブで結果を残した選手はJよりも高く評価されてもいいと思う。
3. J2の選手が選ばれたこと
J1はかなり戦力が均衡しているし、J2の上位のクラブもJ1とそれほど戦力差が存在しない。それがJリーグの良い点だと言えるが、一方で、それでいいのかという思いも残る。
クラブの価値としても、J1とJ2の間にもっと厳格な差があるべきではないか。近年、FC東京やガンバがJ2に降格したが、Jリーグのぬるま湯的な緩さが要因のひとつのようにも思う。柏が昇格直後にJ1を制したのにも違和感があったが……。
Jリーグで厳しさが薄れていることの原因のひとつに、J2から日本代表が選出されることもある。伊野波はもちろんJ1で長くプレイしている選手だが、J2から選ばれたということはJ1には彼以上の選手がいなかったとも言えるわけで、情けなくも感じる。
以上、3点の不満はあるものの、どんな選考であろうと不満は残るわけで、それは仕方がない。
次に考えるのは、今回選ばれたメンバーでどんなサッカーをやるのかということだろう。
細貝が選ばれなかったこと。攻撃陣もかなりオフェンス重視で守備力の高い選手は少ない。
前回W杯は、大会前の不振からドン引きのカウンターサッカーに切り替え結果は残した。しかし、サッカーの内容はお世辞にも良かったとは言えず、パス成功率などのスタッツは恥ずかしいものだった。
今回は選考の時点で同じサッカーはしないという決意は見て取れる。しかし、常に攻撃的に行けばいいというわけではないのもサッカーというスポーツだ。1点リードしている試合終盤に守りを固めるのはセオリーであり、そうした状況判断のまずさは未だに日本の課題でもある(いわゆる経験が足りないと言われるアレだ)。
1年前のコンフェデを見る限り、ブラジル大会もコンディションが厳しい大会になりそうだ。グループリーグの3試合を同じメンバーで戦えるかどうか。試合勘、運動量といった点で、出場機会の乏しい選手が良いパフォーマンスを発揮できるのか。
今の日本代表はチーム本田という感じで、本田の出来の良し悪しがチームの良し悪しに直結することが多い。本田抜きで良い結果が出たためしもない。
その本田のコンディションは所属するミランではあまり褒められたものではない。そんな本田と心中するのか。それとも、プランBがあるのか。おそらく、プランBの肝は大久保なのだろうが、彼をうまく使おうと思うのなら憲剛が必要だったのではないか。
吉田、内田、長谷部がケガで試合から長期に遠ざかっていて、香川、本田もクラブで結果を残せていない。清武も試合に出続けてはいたがパフォーマンスは良くない。
好調なのは、岡崎、長友、大迫くらい。国内組では大久保。
サッカーは相手次第。前回のカメルーンのように、強豪と思われた国が足をすくわれるケースはままある。だから、グループリーグを突破する可能性がないとは思わない。ただ現時点では不安要素が大きすぎる。
1ヶ月でコンディションをどう上げていけるのか。強豪国の主力は長いシーズンの疲労が残っていて……なんてこともあるし、名前通りのパフォーマンスが発揮できるかどうかはやってみなくちゃ分からない世界ではあるのだけれど。
マンU、インテル、ミラン。名前の割に成績がパッとしないビッグクラブばかりだけれど、相手国はそんな選手がいる日本をより警戒するだろう。なめてかかってくれた方が戦いやすいけれど、本気の相手と本気で戦える国際大会は少ないだけに、日本らしいサッカーで戦って欲しい。勝ち負けよりも、内容を世界に示すのがW杯だと思うから。
昨日メンバー発表が行われ、予想と比較すると、鈴木→伊野波、細貝→青山、憲剛→長谷部、南野→齋藤、ハーフナー→大久保の5人が外れたことになる。
代表選考というものはどんなメンバーを選んだところで不満の声は挙がるもの。私からも3点の不満を述べておきたい。
1. 若手の起用がなかったこと
サッカーで若手と呼べるのは五輪世代以下だろう。前回も香川が選出されなかったが、今回も最有力の南野が選外(予備登録には選ばれたが)となった。
先に発表されたドイツ代表の30人(まだ23人に絞られていない)の中に、10代二人、20~22までが6人いる。21歳のゲッツェや20歳のドラクスラーは23人の中に含まれる可能性は高い。
イングランド代表でも18歳のショーや19歳のスターリングが選ばれた。
もちろん、強豪国でも代表選出の考え方は様々だ。若手を選んでいない国も少なくない。若手として期待をかけても順調に成長できるかどうかは分からない。
それでも期待という意味では、若手の登用をして欲しかったと思う。
2. 海外で1シーズン主力で活躍した選手が選ばれなかったこと
細貝の落選はかなり意外に感じた。所属するヘルタは強豪ではないが、ブンデスで11位。昇格クラブとしては悪くない成績だった。監督に信頼され、本職のボランチだけでなくセンターバックで使われることもあった。攻撃面での物足りなさはあるが、守備だけで言えば日本人ボランチとしてはトップクラスだし、守備が求められる場面はW杯で必ずあるだろう。
ハーフナーも代表では結果を残せなかったが、クラブでしっかりと結果を残すことができたシーズンだったと思う。予想のときも書いたが、相手にハーフナーの存在を警戒させるだけで意味がある。ベンチにいるだけでも、ハーフナーの高さは価値があると思ったのだが。
海外のクラブに所属していても、常に出場し続ける選手はそう多くない。今季で言えば、長友(34/37)、岡崎(33/34)、清武(33/34)、細貝(33/34)、ハーフナー(32/34)、酒井高(28/34)、酒井宏(26/34)。(川島は27/30)
内田や長谷部はケガの影響があるとはいえ、リーグ戦では試合数の半数以下の出場数となっている。香川、吉田はレギュラーを確保できず、本田もミランでは厳しい状況と言えるだろう。
海外組だから選ばれて当然という時代でなくなったことは素晴らしいと思うが、海外のクラブで結果を残した選手はJよりも高く評価されてもいいと思う。
3. J2の選手が選ばれたこと
J1はかなり戦力が均衡しているし、J2の上位のクラブもJ1とそれほど戦力差が存在しない。それがJリーグの良い点だと言えるが、一方で、それでいいのかという思いも残る。
クラブの価値としても、J1とJ2の間にもっと厳格な差があるべきではないか。近年、FC東京やガンバがJ2に降格したが、Jリーグのぬるま湯的な緩さが要因のひとつのようにも思う。柏が昇格直後にJ1を制したのにも違和感があったが……。
Jリーグで厳しさが薄れていることの原因のひとつに、J2から日本代表が選出されることもある。伊野波はもちろんJ1で長くプレイしている選手だが、J2から選ばれたということはJ1には彼以上の選手がいなかったとも言えるわけで、情けなくも感じる。
以上、3点の不満はあるものの、どんな選考であろうと不満は残るわけで、それは仕方がない。
次に考えるのは、今回選ばれたメンバーでどんなサッカーをやるのかということだろう。
細貝が選ばれなかったこと。攻撃陣もかなりオフェンス重視で守備力の高い選手は少ない。
前回W杯は、大会前の不振からドン引きのカウンターサッカーに切り替え結果は残した。しかし、サッカーの内容はお世辞にも良かったとは言えず、パス成功率などのスタッツは恥ずかしいものだった。
今回は選考の時点で同じサッカーはしないという決意は見て取れる。しかし、常に攻撃的に行けばいいというわけではないのもサッカーというスポーツだ。1点リードしている試合終盤に守りを固めるのはセオリーであり、そうした状況判断のまずさは未だに日本の課題でもある(いわゆる経験が足りないと言われるアレだ)。
1年前のコンフェデを見る限り、ブラジル大会もコンディションが厳しい大会になりそうだ。グループリーグの3試合を同じメンバーで戦えるかどうか。試合勘、運動量といった点で、出場機会の乏しい選手が良いパフォーマンスを発揮できるのか。
今の日本代表はチーム本田という感じで、本田の出来の良し悪しがチームの良し悪しに直結することが多い。本田抜きで良い結果が出たためしもない。
その本田のコンディションは所属するミランではあまり褒められたものではない。そんな本田と心中するのか。それとも、プランBがあるのか。おそらく、プランBの肝は大久保なのだろうが、彼をうまく使おうと思うのなら憲剛が必要だったのではないか。
吉田、内田、長谷部がケガで試合から長期に遠ざかっていて、香川、本田もクラブで結果を残せていない。清武も試合に出続けてはいたがパフォーマンスは良くない。
好調なのは、岡崎、長友、大迫くらい。国内組では大久保。
サッカーは相手次第。前回のカメルーンのように、強豪と思われた国が足をすくわれるケースはままある。だから、グループリーグを突破する可能性がないとは思わない。ただ現時点では不安要素が大きすぎる。
1ヶ月でコンディションをどう上げていけるのか。強豪国の主力は長いシーズンの疲労が残っていて……なんてこともあるし、名前通りのパフォーマンスが発揮できるかどうかはやってみなくちゃ分からない世界ではあるのだけれど。
マンU、インテル、ミラン。名前の割に成績がパッとしないビッグクラブばかりだけれど、相手国はそんな選手がいる日本をより警戒するだろう。なめてかかってくれた方が戦いやすいけれど、本気の相手と本気で戦える国際大会は少ないだけに、日本らしいサッカーで戦って欲しい。勝ち負けよりも、内容を世界に示すのがW杯だと思うから。